ホテルに現れたジョー、キーを回し、ドアを開ける。
部屋は暗い。
ベッドの上には、全身をシーツで包んだ人影が浮かんでいる。
ごくっ、生唾を飲み込むジョー。
ゆっくりした足取りでベッドに近づく。
一歩、二歩、三歩...
ベッドの前で一呼吸おく。
さっとシーツをはがす。
薄暗がりの中から出てきたのは、ネグリジェを着た丹下段平。
寝たままの姿勢で、顔を赤かめて小声で言う。
「た、たてー、立つんだ、ジョー。」
頬を手で覆い恥じらう丹下の顔に、ジョーの右ストレートが炸裂した。
この作品はフィクションであり、実際の人名、団体名にはいっさい、関わりはありません。