子どもとは純粋だ。
それゆえに時に予想外の事を言う。

そして、大人は途方に暮れる。


じぇねれーしょんぎゃっぷ
〜妹の夢・兄の苦労〜


今から4〜5年ほど前の話。
養子に出ていた妹から一通の手紙が届いた。
大体日常の些細な出来事がの報告なのだが…

俺は、その内容に困惑した。


『拝啓 士度お兄ちゃんへ。

 今日は、決意をすることがあったのでお手紙します。
 実は、私は将来立派なメロンパンになろうと思います。』

…なぜにメロンパンなのか。
それ以前にそんなものになれるのか。
俺には、理解できなかった。

『でも、ただのメロンパンじゃないんです。』

しかも、ただのメロンパンではないらしい。
夕張メロンかマスクメロンか…なんにせよ。
美味しそうな気がする。



『メロメロなメロンパンになりたいのです。』

…どんなメロンパンだ!



『ちなみに雛ちゃんはあんぱんです。
愛と勇気だけでなく、他にもたくさん友達がいるあんぱんです。』

妹の友達はあんぱんらしい。
あんぱんには愛と勇気とたくさんの友達がいるらしい。


『怜ちゃんは、食パンです。
でも、怜ちゃんはあんなキザで白い奴は嫌だと言います。
…困りました。』

むしろ、困ったのは友達だろう。
それにキザな食パンはいろんな意味で食べたくない。


『紅雨ちゃんは、カレーパンです。
本人もやる気で辛口を目指すそうです。
きっと、辛いカレーパンになれます。』

なりたいのか?
しかも、辛口希望…そういえば昨日はカレーだった。
でも、辛さがいまいちだった。(現実逃避)


『未羽ちゃんは、バターです。
バタバタ走らなければなりません。
…未羽ちゃんはあんまりバタバタ走らないので難しいです。』


それ以前に無理だ。
バターがバタバタ走るバターなんて使いにくい。(また現実逃避)
そして、ないだろう。


『音夢ちゃんは、ジャムです。
私たちのためにパンを焼いてくれます。
でも、ひげがないのがちょっと惜しいです。』

その子は女の子だよな?
…ひげは無理だろうというか、ジャムがパンを焼くのか?
面白い時代になったもんだ 。


『夢を忘れず、涙を零さず。
みんなで頑張ってばいきんをやっつけたいと思います。
士度お兄ちゃんがあぶなくったらすぐに助けに行くからね。

じゃあ、またお手紙します。


敬具 真白雪兎 』



…ア〇パン〇ンか!



「…と、言う事が昔あった。」
「…とりあえず空飛ぶマントとア〇パン〇ン号は必須だな。」
「…入手は困難そうだな。」
「…ダンブルドアに聞いたらどうだ?透明マントがあれば空飛ぶマントもあるだろ。」
「ア〇パン〇ン号はどうする?」
「作るしかないんじゃねぇ?」



……………………



「まぁ、昔の事だろ?」
「雪兎はな…あんぱんは今だに言い続けてる。」
「…雛。」


おそるべしア〇パン〇ン!


「…何はともかくご苦労様。お兄ちゃん。」


まったくだ。



End.


Back.



*アトガキ*
思いっきり思いつきで書いた作品第2弾。
ただ雛の憧れはアンパンの正義の味方(笑)だと言う事を言いたかっただけです。
でも、雛の視点だとまんまな気がしたので冬木士度殿になりました。
案外身内から言われる方がきついと思うんですよ。
ちなみに一番最後の人は虎累雷紀さんでございます。…名前すらなくてすみません。
では、失礼しました。

2004/07/20