キャラじゃないって自覚はある。
今から想像付かないというのわかる。

でも、真実なのは仕方ないだろ。


真実は小説より奇なり


「俺、昔はえっらいガリ勉だったな。」

あっさりと口にした言葉。
その言葉に周りの全員が固まった。

「え!?…えぇぇぇぇぇぇ!?」
「…なんでそんなに驚くのさ?(汗)」

つうか、叫びすぎや。吉田先輩。(ぴしっ)
持ってたドリンクが下に落ちてぐちゃぐちゃになってんだけどいいのか?

「いや、そんなにしれっと言われても想像がつかないし…」
「しれっと言おうがなんと言おうが事実は変わんないですよ。横山先輩。」

どういう風に言おうと、今は違おうと真実は真実。
つうか、この人は驚いてるんだろけど表情は変わんないな。
…横で山口先輩が微妙な物を見る目で見てるよ。

「えぇ、なんで!?今はそんな感じじゃないやん!藤村!」
「俺に言うなや吉田先輩!ちゅうか、俺も知らんかったけど似合わんわ!(汗)」
「…俺はしっとったでぇ〜?」
「「何で吉住はしっとんねん!!!」」

いや、流水は従兄弟だから知ってて不思議じゃないだろ。
まぁ、シゲと会ったんは音夢経由でそのときにはすでに今の状態だったからな。
知らなくて仕方ないけど、お前らはっきり言ってテンション高い上にさり気に失礼だな。(怒)
あぁ、直樹が遠くで溜息付いてる…あいつも苦労してるなぁ。
今度の休みにでも気分転換に遊びに誘ってやるか。(関西常識人同盟仲間)

「しかし、そんなに意外か?」

ジュース飲んでた晃先輩は、思いっきり噴いたし。(うんで功刀先輩に思いっきりかかった/笑)
ジュースを引っかぶった功刀先輩は、なぜか高山先輩を思いっきり殴ってった。(なんか動揺して間違えたらしい。)
その後ろで周防さんと翔茶がじゃれあったまま止まってる。(ビデオの一時停止みたいだ。)
まったく動じてない夢叶先輩は流石と言うかなんと言うか。(笑ってる!笑ってるよ!/汗)

「でも、がり勉だったしなぁ?」
「…そう言えば…ずっと…勉強して…ましたね。」

隣にいた音夢に問えばあぁと納得するように頷く。
…つうか、こいつも妙にマイペースだからよけいに皆混乱してるんだろうなぁ。


しかし、何でこんな話になったんだ?


確か今日は依頼が入ってなかったけど、部活の助っ人も頼まれなかったんだよな。
じゃ、暇だから流水たちのいるサッカー部でもたまには見に行くかぁってことになって。
うんで行ってみたら横山先輩に会いに来たらしい翔茶とそれについてきた晃先輩と夢叶先輩と会って一緒に見学してたんだ。
それでしばらくしたら休憩になって流水たちが来て、話してて…なぜか、周防さんと翔茶ががじゃれあい始めたんだよ。
そんな二人を見て夢叶先輩が『可愛らしいですわv』とか言ってほのぼのと観察してたんだっけ?
で、山口先輩がからかうように『仲いいな。』って言ったらちょっと不機嫌っぽい横山先輩が『ほんとにな。』って言ったんだよね。
そしたら翔茶が慌てて『腐れ縁!』叫んだら周防先輩が『従兄弟なんだから血縁者だろ!』とか言ってまたじゃれ始めたんだ。
それを楽しく傍観してた吉田先輩に『そう言えば怜たちも付き合い長いんやっけ?』とか言われて…
あぁ、そうだ。晃先輩に『お前らって昔からそんな感じ?』とか聞かれたんだ。



納得。(ぽん)



「げっほげっほ…いや…今の…お前を見ててもげほっ…想像つかねぇから。(汗)」
「いや、自分でもわかっとるんでむせてるんに無理して突っ込んだらあきまへんよ。」
「今はしゃべんなや!それにしゃべるならまずは俺に謝るのが先と!」

そうだな。まずはちゃんと呼吸をしましょう。晃先輩。
むちゃくちゃなことをいいながら背中をさする功刀先輩も心配してます。愛も感じます。(笑)
でもまぁ確かに今の俺を見て元ガリ勉娘…それも根暗系だとは誰も思うまい。
成績は普通だけど、基本的にテスト前意外はあんまり勉強しないし?

「今思えば無駄な時間をすごしてたな。」

勉強ばっかで友達もいなかったしな。
なんてしみじみ考えてたら突然吉田先輩に手を握られた。

「…で、吉田先輩はなにをやってはるの?」

しかも、偉く真剣な表情でこっちを見てたりするんですがなんでだろう?
個人的にはすぐにこの手を離して欲しいんだが。

「怜ちゃん…エイプリルフールは終わったで?」
「…はっ?」

…突然この男はなにを言い出すんだろう?
つうか、この新緑の季節でなんでエイプリルフールやの。

「怜…あかんわ。そのギャグはすべっとる。」
「なんできめつけはるんよ。(ぴしっ)」

いや、シゲもそんな爽やかな笑顔で言われてもな。
そもそも事実は事実だしギャグって決め付けたらだめやん。


「怜ちゃんががり勉なんてありえへんって。」
「いや、事実あったんよ。」

「そやそや。怜は、どっちかと言えばそういうの適度にすませてそうや。」
「それは今の話やん。昔言うたやろ?」

「勉強よりも学校生活重視やねんな。」
「せやから、それも今の状態やん。」

「そんでクラスで揉め事起きたらとりあえず止めにはいんねん。」
「揉め事無視して教科書よんどったんやけど。」

「姉御や!なんかてきぱきとクラス運営とかやってそうやな。」
「昔どころか今もその手の役職に付いたことはないんやけど。」

「クラスの男子に絡まれたらしめんねん!」
「絡まれたけど無視しとったんやけど…俺は、いったいんどんな小学生やねん。」

「きゃー、怜ちゃんかっこいいーvvv」
「男前やわ〜vvv」
「………」

目の前でキャァキャァとはしゃぐ関西人が2人。
つうか、そこまで私ががり勉だった過去はありえないか?
そうか…なんていうかあれだな。

「人の話はちゃんと聞けや!」(バシーンッ)
「「ぎゃー!!!」」


愛用のハリセンを手に持って思いっきり突っ込んだ。
野球のようにスイングされたハリセンは見事に2人の顔面にヒット…あぁ、いい音したな。

「痛い〜!痛い〜!」
「ぐっ…今のは効いたで…」

のた打ち回る吉田先輩にぴくぴくと痙攣しているシゲ。
それは、見ているほうが哀れになるほど痛そうだったらしい。

「…成樹にぃやん?…吉田先輩?…(おろおろ)」
「音夢…にぃやんは…もうだめや…(がくり)」
「いや、そこまで芝居がかったこと出来張るんなら平気やろ?(バシッ)」
「ぎゃっ!」

とりあえず心配してる音夢に場違いな事をするシゲにハリセンをいれる。
後ろでおっかけの皆様が叫んでおいでだが手加減してやったんやから許せ。

「あらあら、怜さんったらこんな事をして…人目のない所でしないと目をつけられてしまいますわ。」
「目の前で人がのたうちまわっとるんに言うことはそれだけなん?(ぴしっ)」

優しい笑顔で夢叶先輩は相変わらずいい性格してるな。
まぁ、後ろでおっかけの皆様が殺気を放っておいでだし言ってる事は間違ってはいないけど…
…しばらく、ハードな毎日が送れそうだな。

「ま、何かしてきても負けないけどね。」

それぐらい一人で処理できる。
…こういう性格だからさっきの話を信じてもらえないのか?
でも、真実だしなぁ。



こういうのを『真実は小説より奇なり』って言うんだろうか?



「ちょっと、その表現は微妙だと思いますわ。」

…あ、心読まれた。(汗)



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アトガキ
なんとなく突発的に書いた怜ちゃんの過去です。
如何にして暗い過去を暗くせずギャグにするかに力を注いだのですが…
関西人の二人がとても可愛そうなことになって追いでです。(笑)
そして、姫崎夢叶ちゃんのキャラが最後で光ってます。
私的イメージですが笑顔で無敵の彼女が実は、かなり好きです。……やりすぎちゃってすみません。風夏さん。
後、個人的な見所は佐々木晃ちゃんの背中をずっとさすってあげてる功刀君です。
…想像するとかなり可愛いと思うのですが、どうでしょうか?(笑)
では、ここまで読んでいただき有難うございました。

2004/05/23