現在、世間様は中間テストの勉強真っ最中。


勿論あたしの通っている四葉学園も例外じゃない。


でも

あたしは


只今


別件問題抱えてます………






【学生恐怖の試験前】





キーンコーンカーンコーン…
チャイムの音が鳴り響く。
あー!やっと授業終ったぁー!!
その瞬間に机に突っ伏す。
理由は簡単、あたしの大嫌いな数学だった上に、一番前の席だから寝るに寝れなかったから。
あ、あたしは舞川水月。
四葉学園に通う高校一年だったりする。
普段は普通に高校生やってるけど、実は探偵やってます!
……まぁ、そんなあたしも学生の本分には勝てないわけで、
かなり頭を抱えております









理由は、今日の数学の授業中。
「———で、ここのxが……だから……」
教師の説明を聞いてる振りして聞き流す(待ちなさい)
だけど、その次の言葉を聞いた途端
「………と、言う訳だから、この部分はしっかり復習するように。
週明けにテストするからな」
赤点取ったら一週間補習だぞーと笑う教師を見ながらあたしは固まった。
は、テスト!?
ざっけんなやクルァ!(巻き舌)(ガラ悪っ…!)
最近数学ありえない位聞いてなかったしなぁ…
どーしよっかぁ…
今日は道場が畳替え中で柔道・剣道・空手部は休みだし、初等部から高等部の合同職員会議という奴で
午後は1時間のみの授業だったからかなりの時間はある。
…夢叶に数学教えてもらおう。
そーしよそーしよ。



一人で納得して自分のクラスの5組から隣の4組へ夢叶に会いに行く。
んで、4組の子に夢叶を呼んでもらおうかと思ったけど
やっぱこの髪の毛じゃ不良って思われてっからなぁ、呼ぶに呼べない……!
そんな事言ってどうするよと思い直して夢叶を探す。
お、いたいた。
自分の席で本読んでる。
相変わらず難しい本読んでるなぁ……
ま、本読んでるトコ邪魔するのは悪いけど…声かけさせて貰いますか。
「めーのーうー!」
少し息を吸って夢叶を呼ぶ。
すると、夢叶は顔を上げていつもの笑みを浮かべる。
「あら、水月さん。どういたしました?」
本をしまってこっちを向いた所に、近づいていく。
「あのさ、悪いんだけど今日勉強教えてくれない?
週明けテストなんだよね、数学の」
目の前で手を合わせて拝むように頼む。
けど夢叶は困ったような顔で頬に手を当てた。
「そうなんですの…でも私これからコーラス部のミーティングがあるんですの…ごめんなさい」
「…あらら、そりゃしゃーないかー…」
夢叶に数学教えてもらうのは諦めよう。
「空良さんのところに行ってみてはどうです?」
夢叶が首をかしげながら訊いてくる。
「空良?あ、そっか、あいつ数学得意だもんね。うし、じゃぁ7組行ってくる!
サンクス夢叶!」
「いえいえ、どういたしましてですわ」
夢叶にお礼を言って走って4組を出て行くあたしを夢叶は笑顔で手を振りながら見送っていた。







「空良いるー?」
近くにいた7組(と思われる)の子に空良の所在を確かめると
女の子は一瞬赤くなって「い、今呼んできますね水月様!」と空良の机の方へ走っていった。
?しかも何で赤くなるよオイオイ
「あ、水月〜、どーしたの?」
心の中でツッコミを入れている間に空良が来て、呼びかけてきた。
「空良、ねぇねぇ今日暇?」
「え、うん、暇だよ〜。」
どしたの?と訊いてくる空良に今までの事情を説明する。
「あ、それならー、今日私ロキ君とあゆちゃんのうちでまゆらと勉強するんだけどー、
水月も来る?」
空良は事情を聞くとそう提案してくれたけど、
あたしが正直ロキ君苦手(って言ったら同じクラスのあゆに睨まれる(笑))だから
丁重に辞退させてもらった。
「そう?あ、ところで水月、今日部活は?」
「無い。今日共同道場の方畳替えでさ。部活は強制で休み」
あったら勉強なんて殆どしないけど赤点とるのはいやだし(補習なんてやってられるか!)
勉強するしかない。





一通り空良とも話をして、一旦教室に帰る。
うーわー、どうしようかなぁ…
あゆも頭良いけどさっき空良が言ってた通りロキ君のうちに行くらしいからなぁ…
亜離紗先輩に勉強を教えてもらおうにも流石に1年の私が3年の校舎へ出向く事は出来ないし、
大体亜離紗先輩のクラス知らないし。
「水月、何考え込んでるの〜?」
机で頬杖を着きながら考え込んでると、同じクラスのあゆこと霧生杏弓が話しかけてきた。
「ん?あゆか。いや、数学のテストの事でちょっとね…」
「水月数学苦手だもんね」
「そ。だから悩んでんのさー…」
「ふ〜ん、補習にならないように頑張ってね〜ばいば〜い」
いやいや、だから補習にならないために考え込んでるんだってば
そう言ってから去っていくあゆの背中を背中を見送りながら心の中でツッコむと同時にある人物が浮かんできた。
私が高校で寮に入る前まで隣同士だった(実家は今も隣同士だけどね)幼馴染達。
幼馴染自体はあまり頭が良い方じゃないけど友人にはかなり頭のいいやつがいたりする。
その幼馴染達が通うのは十二支高校だし、この四葉学園からが遠くない。
それに時間もまだ全然遅くないし、今なら6時間目終了もまだなはず。
思い立ったが吉日、と言う事であたしは鞄を持って教室を飛び出した。







十二支に行くには中等部のある西エリアの方から行った方が近いから
あたしは校門から行かずにいつもそっちから行ってたりする。
大体この馬鹿でかい学校を迂回するなんて無駄に体力使うだけだっつの!
軽く準備運動してからジョギング位のペースで走り出す。
近いといってもこの高等部がある南エリアから西エリアまでの距離も長いから走らなきゃいけない。
ま、走るの好きだから良いけどね。
「あっ、水月せんぱーい!何処行くんですかー!」
西エリアを突っ切る時に元気のいい声が聞こえたので思わず立ち止まる。
グラウンドの方を見てみると丁度休憩時間らしい
金髪の高飛びエース、雛ちゃんこと黄色雛ちゃんがこっちに向かって手を振っていた。
「や、雛ちゃん。ちょっとねー、十二支行ってくんのさ」
手を振り替えしながらこっちに走ってくる雛ちゃんに走っていた理由を説明。
すると雛ちゃんは目を輝かせて(と表現するんだろうと思うぞ)「えっ、マジッスか!?」と言った。
「や、嘘ついてどーすんのさ」
「水月先輩!あたしも行きます!」
あたしの呟きを普通にスルーして雛ちゃんは授業中のように手を上げて、あたしにそう告げた。
「いや、良いけどね。部活どーすんの?」
「あっ!先輩ちょっと待ってて!」
部活の事を聞くとそれだけ言い残して脱兎のごとく走って部長(だと思う)に二言三言告げてから
私の方に戻ってきた。
「おかえりー」
「只今ッス!部長が良いって!と言う訳であたしも行く!」
「いいけど、何ていって来たのさ?」
「水月先輩と社会見学に行ってきますって言ったら呆れられたけどエースの我まま位聞いてくれる優しい部長だからー、
良いって言ってくれましたっ」
語尾にハートマークなんかがつきそうな勢いでニコニコしながら捲し立てる雛ちゃん。
「っつか社会見学違うって」
「まーまーいーから行こー!」
元気に私の腕を掴んで走り出す雛ちゃんに半ば引っ張られつつも
何気に陸上部の部長は大変そうだなーと頭の隅で考えてみたりしてみた。






「あれっ、雛と水月先輩だ!すっげー珍しい組み合わせ!」
流石に後輩に引っ張られ続けるのもどうかと思って一緒に走っていると横から声が聞こえた。
「あっ、綺羅ー!」
雛ちゃんと一緒に止まって横を見てみると青色の髪が見えた。
水咲綺羅ちゃんだ。
「あ、綺羅ちゃん。君はどーしてここにいるよ?」
部活は?今日は弓道部休みじゃないっしょ?という意味を込めて訊いてみると
「今休憩時間だからジュース買いに来たんだ!」
そういう綺羅ちゃんの指差す先には自動販売機。
綺羅ちゃんの手には買ったと思われるジュースが。
「そういう2人は何処行くんだよ?」
ジュースを一口飲んでからそう訊いてくる綺羅ちゃんに雛ちゃんにしたのと同じ説明を繰り返す。
…あー、何かデジャヴー…
「えっ、十二支行くの!?僕も行く!」
「綺羅ちゃん、念のため訊くけど君部活はどーすんのさ」
「……亜離紗先輩に訊いてくる!ぜってー待っててよ!」
あっはっはー、やっぱりねー。
…誤解しないで欲しいけど、雛ちゃんや綺羅ちゃんが来るのが嫌な訳じゃない。
あたしは今日部活休みだから良いとして、君ら部活あんじゃんよ。
可愛い後輩たちが部活サボるのはどーもねぇ、うん。
「綺羅部活行かなくていーのかなー」
君もだよ
「あはははは」
笑って誤魔化すのかよ!
「せんぱーい!雛ー!亜離紗先輩に良いって言われたー!」
亜離紗先輩に許可を貰いに言ったついでに着替えてきたらしい綺羅ちゃんが戻ってきたら、
西エリアの端っこまで走る。
そこから西門を通って学校を抜けた。
途中競争まがいの事になったけど何とか年上の威厳を守って(笑)一着になれた。
っつかふたりとも早っ!





「ところで水月先輩」
「はい?」
てくてくと歩いて十二支高校の前まで来た時、綺羅ちゃんが私に声をかけてきた。
それを受けてか分からないけど雛ちゃんが質問を投げかけてくる
「十二支に何しに行くの?」
「んー、数学のテストの為勉強しに行くのさ」
折角だから君達も勉強する?と笑顔で訊いてみると2人とも思いっきり顔を横に振った。
…ってーか私自身、勉強あんまり好きじゃないんだけどねー…



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始めまして、風夏涼凪(ふうか・すずな)です。
えっと、初めての投稿ですが
絶対長くなりそうだったので前後編に分けさせていただきました。
キャラはまだ出てくると思いますが多分この3人がメインになる予定です。
っていうか神明さん、みるくさん、雛ちゃんと綺羅ちゃんのキャラ違ってたらごめんなさい・・・!
何か勝手に設定みたいなのくっつけてますが(十二支の場所とか)すみません!

最初の方で水月が様付けされたりしていたのは私的設定で水月は男子より女子にモテるという事なので、
そういたしました。

とりあえずなるべく早めに続きを書きたいと思います!
ではでは!


コメント
風夏さんより投稿の学生恐怖の試験前前編です。
これは、もう皆さん試験前に一度は経験があることだと思います。(笑)
さてさて、水月ちゃんは無事に補習を免れるのでしょうか?
でも、SCキャラは一部を除いてまだ成績がわかってないんですよね。
ちょっと他のメンバーの成績が気になるところです。(関係なくてすみません)
後、水月ちゃんは今の様子から見るとモテモテっぽいですね。
下手な男の子よりもててそうです……間近で見てたら楽しいんでしょうね。(笑)
では、本当にありがとうございました。続きの方楽しみにしてます!