ぼくは勉強ができない

 主人公の好き嫌いが両極端に別れる作品だと思います。主人公はとても雄弁で、大人達を次々と言葉だけで黙らせていくんです。そんな主人公に、個人的にはとても好感を覚えました。もちろん、生意気だと思う人もいるでしょう。それでもいいんです。主人公が生意気でも、作品のクオリティはとても高いんです。この作品には何人もの女性が登場しますが、とてもリアルに表現されていて魅力的です。おとなしくてかわいくて、自分に従順な女性をよしとしている人は、きっと打ちのめされますよ。

山田詠美著

新潮文庫

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