we are 「見て見て?あの子でしょ?例の薄葛って。」 「そうそう。普通の子じゃない。ねぇ?」 「本当に。でも本当にあの子が?」 視線が痛い。 朝から痛い。 またおんなじうわさで皆が私をみる。 嘘なのに。 そんなことないのに。 私が好きな人は、、違うのに。 少女の名前は薄葛(すすき くず)。 女子高生。 ちなみに彼氏もちゃんといる。 朝倉了意(あさくら りょうい)。これが彼氏の名前。 「おはよ。了意。」 「あ、あー。」 噂が流れてから了意の様子もおかしい。。 やっぱり気にしているんだろうか? だったらちゃんと話さなければならない。 「ね、明日空いてる?」 「え?あー。」 「じゃ、デートしよう?」 「え」 「いいでしょ?詳しい時間と場所はまたアトで。 私のせいで了意まで注目あびるの嫌だから、 先行くね。」 寂しすぎるけど、あなたに迷惑はかけられません。 デートの誘いだけ言って、俺の彼女は行ってしまった。 俺の彼女。薄葛は学校中の注目の的。 なぜなら彼女にはとある噂が付きまとっている。 それは・・・ 教育実習生としてココの学校に来た麻生直義(あそう ただよし)と付き合っているという噂。 俺とだっつの。 突っ込みたいが、どうしようも出来ない。 その噂が流れ始めてから葛は俺に気を使っている。 俺まで注目されるから。 その心がけがうれしくもあり、悲しくもあった。 そんなこんなでふとある時、葛と直義を見た。 周りに人が居ないのを確認して二人は腰を降ろした。 なんでだ? 「にしてもごめんな。葛。俺のせいで。」 「ヨシくんのせいじゃないじゃない。 ヨシ君は、教育実習生なんだから頑張ってよ。」 「あー。サンキュ。葛。」 そう言うと葛の頭をなでる。 なぁ葛、お前、、ふたまたか?? そしてデートの日 了意は不安だった。 でも葛に何も聞かないで不安がるのは嫌だった。 「なぁ葛?」 「ん?」 「おまえさ、 なんで麻生のコト、ヨシくんなんて呼んでるんだ?」 絶句する。 見られた。 見られたとすれば、デートの誘いをした昨日…。 「・・・。見てたの・?」 「あぁ。」 言いたいけど、、言えないの。ごめんなさい。 「・・・ごめんね。でも、誓う。ヨシ君は、好きな人じゃない。 それだけは、信じて。」 「じゃあどうして」 「いずれ話す。だけど今は悲しいから…嫌。」 「・・・そっか。」 「私が好きなのは、前にも後ろにも了意だけだよ!!」 と、叫ぶ私に了意は笑顔だった。 ここは誰も居ない公園。 「じゃあ、いいよな?」 そう言って了意は顔を近づけてくる。 私は目を閉じた。 感じるぬくもりに私は幸せを感じる。 そしておちる沈黙。 私は口を開く。 「ファ、ファーストキス、、、だね。」 「そ、そうだな。」 「ま、また・・・」 「え」 「また、、したいな…キス。。」 「葛…。」 真っ赤になる私を一度軽く抱きしめて、 了意はたくさんキスをくれた。 きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜人生こんな幸せで良いのか?! そんな二人を見る影があった。 「なぁ朝倉?」 次の日、俺は麻生に呼び止められる。 「はい?」 「ちょっといいか?」 「はぁ。」 そう言って俺を連れて、前葛と来ていた場所に来た。 「お前、葛と付き合ってんのか?」 「はい?!」 「どうなんだよ。」 「付き合って、ますけど?」 「ふ〜ん。」 「ところでなんで葛のコト、呼び捨てなんですか。」 「葛は言ったか?俺のコト。」 「・・・いいえ。」 「じゃあ俺も言えない。 ただひとつだけ言わせてもらう。 葛に手を出したなら中途半端はやめろ。 中途半端は葛を傷つけるからな。」 そう言って立ち去ろうとした麻生。 「麻生くん。」 「っ先生?!」 目の前に居たのは、麻生を見る教師。 「校長先生も気になっていらっしゃる。職員室に来なさい。 全職員の前で薄葛との関係を言ってもらう。」 その教師はそう言った。 「葛には言うなよ?」 そう俺に囁いて職員室に向かった。 このままだとあいつは確実に落とされる。 だが、 葛は言った。頑張ってよ。と。 俺は葛のところへ向かう。 「葛!」 「え?どうしたの?」 「来い!」 そうして俺は走りながら事情を説明する。 「え、嘘だ〜。」 「本当だ。このままだとあいつ落ちるぞ。」 「っ。そんなのダメ!」 葛は職員室にたどり着くと思いきり扉をガラっとあける。 「なっ・・・葛?!」 「っ。」 「葛。呼び捨てか。どういうことだね。麻生くん。」 「・・。」 「ちょっと待ってください!」 「なんだね。」 「私から言います。」 「やめろ。葛。」 「だって。。。だって私の所為でお兄ちゃんが教師になれなかったら嫌だもん!」 「〜〜っばか。」 「「ええええええええええええええええええええええええええええ」」 当事者二人以外大声をあげる。 「く、葛?」 「なに?了意。」 「い、今、お兄ちゃんって。」 「だって本当だもん。」 「「ありえねぇ。」」 「本当だもん!」 ガラッ 「お、遅くなりました〜。ってあれ?」 「あ、朝日さん?」 大きな音を立てて入ってきたのは薄朝日(すすき あさひ)(女) 外から来ているここの学校の弓道部のOB+コーチだ。 かなり、有名な人である。 「「朝日さん?」」 またもや声をあげる人々。 今一瞬めっちゃめちゃ朝日さんびっくりしてたし。 「も〜葛ちゃんったら、お姉ちゃんって呼んで呼んでよ〜。」 「「葛ちゃん?!」」 「「お姉ちゃん?!」」 「ど、努力はしてるよ?」 「はいはい。」 「も〜〜。」 「遅れましたってなんなんだよ。朝日。」 「「朝日?」」 「え。なんで直義がここにいるの?」 「「直義?!」」 「お兄ちゃんが〜」 「「お兄ちゃん!!」」 「直義?」 とりあえず直義は図を描いて教師達に説明した。 「・・・。よくわかった。ところで、朝日くんと親しいのはなぜだ?」 「何だ、直義と葛ちゃんが付き合ってるって思われてたんだ。 えっと〜、朝倉君だっけ?お互い大変だねぇ。」 「お姉ちゃん!了意とったら怒るよ!」 「大丈夫だよ〜。あ。先生方、直義の彼女は葛ちゃんではなく私ですけど?」 もちろんそのアトに大きな声が聞こえたコトは言わなくても良いだろう。 当事者達3人はなんということもなく会話を続行。 「なぁ葛。了意取ったら怒るよって。 それオレが朝日にふられるってこと前提だよな?」 「え・・えっとぉ〜。」 「じゃ、じゃあさ葛。おれにせんせーが、 ひとつだけ言わせてもらう。 葛に手を出したなら中途半端はやめろ。 中途半端は葛を傷つけるからな。って言ったのって・・・」 「妹を取られた兄馬鹿の言った事なんて気にし無くていいの!」 そのあと教員達はしばらく放心状態だったが、おかまいなしに なんとか会話に付いてこれるようになった了意を含めた4人は 失礼しました。と言って職員室を出て言った。 しばらくして直義は教育実習を終えて、みごと資格を取った。 「ところでさ〜葛?」 「ん〜?」 「お前さ〜直義さんのこと好きだったんじゃねぇの?」 「ヨシ君は大好きだよ?」 「・・・」 「・・・?」 「俺は?」 「愛してる。我愛弥。あってる?ウォーアイニーv」 そして照れる二人。 その後二人はキスをした。 葛が注目されていたせいもあって、二人の仲は公認となり、 二人はラブラブしてました。とさ。