・・・そして私達は、ベッドから出てソファーに座った。

「ごめんな。不知火。俺…言わなきゃいけないことがあるんだ。」
「え」
真剣な様子で切り出される。
銀河さんの目には、悲しみがあった。



「実は…俺、20才なんだ。」


「え」
「不知火と、同じ年…俺は、20才。」
「ど…いうこと?
 あなたは、銀河さんじゃないの?」
「いや・・・俺は…銀河。お前の幼馴染であり、
 今となっては恋人だ。」
「じゃあ、どういうこと?」






「3年前、、俺は死んだ。」


「え」
「交通事故で・・・俺は3年前に死んでいる。
 気づいたらココにいて、そして、眠った。
 目を覚ましたら、お前がここにいた。
 はじめて会った気がしなくて…風邪も引きそうだったし、
 俺は勝手がよくわからないこの家に、お前を入れた。
 暗闇になって、記憶が戻った。
 だから、俺は、死んでいる。
 死者なんだ。」




「なぜ消えなかったのか。それはさっきわかった。」
「え」
「俺は不知火に、何も言わないで、この世を去った。
 未練が…あったんだ。
 その未練が…さっき、とけた。
 もう…ココにいることは、出来ない。
 でも、なぜ不知火に触れられるのか…俺にはさっぱりわから…」
「わからなくないわ。」

私は、銀河さんの言葉をさえぎって、そう告げる。












「私も死んだもの。」

「え?」
「私も死者。あなたと同じ。」

そう。今、思い出せた。
「私が死者だとわかったのは、ついさっき。
 私も。死んだの。
 私が死んだのは、ココに来る途中。
 はねられて、死んだの。
 私にも、未練があったわ。
 だから、ココにいれた。」

「君も、、死者なのか?」
「うんっ。でも嬉しい!」
「え?」
わからない?じゃあ、教えてあげる。
「あなたに会えて嬉しい。
 あなたと想いを通わせることが出来て、嬉しい。
 あなたと同じ世界に入れて嬉しい。
 そして…
 同じ年であることが・・・嬉しい」

私はにっこりと微笑む。

そして彼もまた、そんな私を見て、微笑む。
銀河さんは、私にキスをくれた。



そして私達の周りから光があふれ、
私達は…この世から去った。