誰よりも
登場人物… 季夏(きか)
仲夏(ちゅうか)
秀(みのる)
弥(わたる)
椙下 秀(すぎした しゅう)高1。
韓咲 倭(かんざき やまと)高2。
「季夏!」
「はぁい?」
「早く起きなさい!」
皐延季夏は目を開けた。目の前に、姉の仲夏がいる。朝の…4:00だ。なぜこんなに早く起こされなければならないのだろうか?
「なんなのよ〜。まだ四時よ。」
「あんたねぇ。この緊急事態に、何を言ってるの?」
「え…。」
だんだん記憶がはっきりしてきた。そう、今は緊急事態。危ないのだ。わが母国が…。
季夏の故郷は、Thirandindeという惑星だ。季夏や、仲夏たちは、ここの生まれだ。
たち…。そう。ここは船なのだが、乗っているのは、二人だけではない。二人と、二人のボディーガードとも言える頼れる存在。秀と弥。秀は季夏と、弥は仲夏と同じ年だ。
季夏たちは船に乗り、地球へ向かっていた。
地球はThirandindeと違い、異常に進みが遅れた最悪の国。『自分の』という合言葉を胸に、普通に死んでゆく。
人々は、戦争をし、悔い改め、そしてまた戦争をする。という馬鹿な道をたどった者たちのいるところ。
彼らはThirandindeのように、空は飛べない。薬というものを使わないと、傷も治せない人々。
ではなぜ、そんな下等な惑星へ行くのか。それは、2ヶ月前、Thirandindeでは、大量の、ウィルスが発生した。
それは、いまのThirandinde人には、どうすることもできないようなもの。
しかし、地球ではヒーリングという音楽により、退治することができるといわれている。
そのウィルスは、ストレスと呼ばれているようだが、地球のところのものと、Thirandindeとはウィルスが違う。
感染するのだ。更に、地球ではイライラするだけのようだが、Thirandindeは、苦しみながら死んでいく。
地球の方法で聞くのかわからない。そもそもThirandinde人は、ヒーリングをしらない。
音楽はあっても、ヒーリングはわからないのだ。
それをThirandindeにもってかえるため、この四人が選ばれた。
「おはようございます。季夏。」
「あ。秀くん。おはよぅ。」
この四人が選ばれたのには、理由がある。季夏、仲夏、秀、弥、は知り合いだ。
そして、季夏と仲夏は姉妹。秀と弥は先輩と後輩の関係だ。
そして、季夏と仲夏は、上級階級。Thirandindeには国王がいる。国王の娘達が、季夏と仲夏なのだ。
そして、秀と弥は、季夏と仲夏が選んだ護衛。護衛能力のある男性の中に、秀と弥がいた。
なぜ二人を選んだのか。ただの知り合いだから。ではないのだ。
「仲夏はとっくにおきていましたよ。」
「弥くん…。」
「はい?」
「…。なんでもない。にしても、変だから、やめようよ。ね、お姉ちゃん。」
「ん。」
「何がですか?」
「確かに私と季夏は、特権階級というか、上層部だけど、人間だよ。一個人の、人なの。」
「それがなにか?」
「お願い。タメ口にしよう!」
「えええええええええええええええ」
「…。」
秀くんは、声に出してびっくりしている。そして弥くんはあいた口がふさがっていない。
「お願い…します。」
「季夏…。」
「お願い…お願いします。」
「仲夏…。」
…。
二人はしばらく互いの目を見つめ、考えていたが、ついに「わかった」と口にした。
「ほんと?やったぁ。」
「よかったぁ。」
二人は心から、笑顔だった。そんな二人の笑顔を見て、ドキッとした人がいるのだが、誰だかわかるはずだ。ここには四人しかいないのだから。
「じゃあ、私達は、部屋にいるわね。」
「・ああ。」
季夏と仲夏の部屋では…
「やったね!お姉ちゃん。」
「うん!」
「かっこいいなぁ。秀くん。」
「ほんとにかっこいい。弥くん。」
「もう、私たち、はまってるね!」
「そうだね!」
そう。季夏は秀が。仲夏は弥がすきなのだ。
一方秀と弥の部屋では…
「…………………………………」
「…………………………………」
「…どっどうしよう!弥先輩!」
「…ぇ、どうした?」
「オレ、オレ、やっぱり、禁じられたこと、守れそうにないんすけど。」
「ええええ?」
「どうしても駄目なんです、あそこにいたときからずっと。でも、やっぱり、衝動が!」
「おっ抑えろ。駄目だぜ。上層階級の身分を好きになっちゃいけないって!
その掟を守るからって護衛を許可してくださったんだ。もし破ったら、死刑だぞ!」
そう。秀と弥は一般階級。の中でも多少上級だが、あまりかわらない。
秀と弥も季夏と仲夏が好きだが、(女性として)一般階級と上層階級の恋愛は禁じられている。そのほかにもいろいろと掟はあるが…。
「先輩はどうなんですか!」
「へ?」
「仲夏さんのことですよ。」
「すっすきなわけないだろう。」
「へ〜〜。」
「なっなんだよ。」
「そういうこと言うんすか。」
「なっ。」
「wareninannzinokokoro」
「げっタンマ!」
「subetewomiseroterepasy」
「うわっ」
『俺、どうしよう〜〜。やっぱ。仲夏が好きだ。』
「これでもですか。先輩、」
「…ちくしょ〜。」
「wareninannzinokokorosubetewomiseroterepasy」は、人の心を読む呪文だ。
Thairandindeの人々は、全員ではないが、呪文が使える。
(呪文が使えることも、護衛能力がある人間としてノミネートされる条件だ。)
「でも、地球に行ったら、恋…も許されるといいですね。」
「…。そうだな、…………、なぜ身分が違うと恋すらできないのだろう?」
「そうですね・彼女達は知っているのでしょうか?身分が違うと、恋すらできない。ということ。」
「わからん。多分知らされていないだろう。俺たちが受けてきた扱いとか」
「彼女達は、俺達が受けてきた扱いを、知っていますよ。」
「え…。でも禁止なんじゃ。」
「だから、びっくりしたんです。季夏が、前に俺の家を訪ねてきたんです。」
「え。それも禁止なんじゃ」
「ですから!びっくりしたんですよ。とりあえず、中に入れました。」
「季夏、」
「秀くん…。」
季夏は急に泣き出した。
「どっどうなされたのですか?」
「…。中に入ってもいいですか?」
「ぇ………………はい。」
「どうぞ。季夏のものとはあわないかもしれませんが、ミルクです、温かいので、幾分落ち着くでしょう。」
「ありがとうございます。」
…
「どうなされたのですか?季夏。」
「あやまりに参りました。」
「え」
「私、知らなかったのです。あなたたちが、私達のせいで、どれだけつらい目に」
「おやめください!」
「え」
「季夏は知らないとおっしゃいました。それは、季夏の責任ではありません。」
「そういう問題ではないのです!」
「え…。」
「私は!知らなかっただけでは済まされないことを、ここに来るまでに学びました。お父様やお母様に訴えなければならないことも、学びました。」
「訴える?」
「はい。訴えます。」
「しかし、そんなことをなさってはなりません。」
「そうです!」
秀と同じ集落に住んでいる者たちがいった。
「皆様…。」
「季夏と仲夏は、私達…一般のものにとって、天使のような存在なのです。」
「ありがとう。ですが、いくらなんでもひどすぎます。私は訴えます。皆様が止めるなら、二度と家には戻りません。」
「季夏…。」
「決意は固いのです。ここにお父様を呼びます。よろしいですか?」
「……………………………はい。」
「季夏!」
「お父様。いったいどういうことですか」
「え」
「私達との生活の違いは歴然です。
いくら税金を搾り取っているのですか!
どれだけ生活を苦しくすれば気が住むのですか!
それに、なぜ同じ人から税金をとるのですか!
なにが上層部なのですか!
なぜ同じ人なのに、どうして身分が違うのですか!
お父様!
同じ血が流れるものとして、人として、あなたを軽蔑します!」
「きか」
「お父様が、改善なさらないおつもりならば、私は、秀の家に泊まります!」
「季夏様??」
「季夏!それだけは!」
「なら、いますぐに何とかして下さい。」
「…………………わかった。」
「てなことが。あったんだ」
「どうりで一時期から、税は安くなるわ。労働時間が減るわ…。今やっと納得。」
「ま、季夏は、俺の天使に変わりはない。」
「…。俺たちのだろう?」
「季夏だけでなく、仲夏さんもな。」
「守らなきゃな。俺たちで。」
「守るさ。命に代えても。」
「上層部だからじゃない。人として…あいしているから…。」
「俺も…だ。地球にいたくなりそうだな。ずっと…。」
地球
「なんて汚い。帰るときに、地球にエネルギーを送ってから帰りましょう。」
「そうだな」
「かわいそうすぎる。」
「Thirandindeのかたがた!」
「earthね。あなたは。」
「はい。助けてください。死んでしまう。この中にいる人を守れない。俺を、傷つけるから…。」
「何とかします。国の許可を取ってから。」
「ありがとうございます。」
「どこに着陸させますか?」
「…。とりあえず、ヒーリングがある国ね。…。Chineなんて、どう?」
「…。そうだな。じゃあ、China味のもとを…。」
「ありがと・」
「まった。」
「え?」
「国王から、メールが…。」
「え?」
「お父様?」
「日本に下りろ。」
「え?」
「Japan。」
「えええええ?あんな…。一番醜いあそこに?」
「ああ。あそこに、われらの星の仲間がいる。あそこにしかいないのだ。我慢しろ。」
「…。」
「あ…季夏、仲夏、向こうに行ってなさい。」
「?はい。」
「秀、弥」
「はっ」
「今回おまえらを護衛につけたのは、娘達のたっての希望だ。」
「はっありがたきご好意でした。」
「ほれたかもしれん。」
ドキッ
「は?」
「娘達がだ。」
「…。」
「掟はわかっているな?」
「…は、」
「娘達が、何か行ったら、きちんと振れ。」
「………………………」
「わかったか」
「………………………」
「おいっ!わかったか?」
「……………………………………………………
………………………………………………………
………………………………………………………
………………………………………わかりました。」
「じゃあ」
「はっ」
…
「せんぱい。」
「…。泣くな。秀。」
「…でも…。オレ…………季夏が、好きなのに…季夏が………。できないっすよ。オレ。」
「………。」
弥は秀の頭をぽんぽんとたたいた。
「涙を拭け。姫様を守るんだ。なにがあっても…だ。」
「…はい。」
地球 日本
「じゃあ、この国の者たちに、私達がいたということをインプットします。」
「は〜い☆」
「…。なんでそんなにうれしそうなんだよ。」
「あははっ。」
『だって、お父さまたちいないし。規則もない。腕も組めるかも。あはは。』
「だって…。教えない。」
ドキッ
[せ。先輩]
[な。なんだよ。]
[どきどきしちゃいました。オレ。]
[が。がまんだ。我慢。]
「どうしたの?」
「なんでもない。それより家に入ろう。」
「え。もうできたの?」
「ああ。」
「って、なんで、二つ?」
「いいか?王に言われているんだ。見張りだって、いるんだぜ。」
「ええええええ!」
「ここに、仲間がいるっておっしゃっていただろうが。」
「で?」
「俺らを監視するために、使うんだよ、」
「…。行くよ。季夏。」
「うん。せ〜の」
「?」
「?」
「お父様のバカヤロ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!」
「ちょ。季夏。」
「仲夏」
「なによ。」
「・・・。とにかく、早く家に入るんだ。明日、7:00に迎えにいくから。じゃあ」
「は〜い。」
…
「ねぇ、ずっとこのままだったら、いいのにね。」
「え」
「ここなら、ずっと四人で、身分なく、楽しく暮らせるのにね。」
「…そうね。」
「おやすみ。」
「おやすみ。」
ピンポーン
「はぁい」
「おはよう。季夏。」
「おはよう。秀君。」
「オレと、季夏は高1。仲夏さんと、弥先輩は、高2になってる。
そのほかのことは、季夏にはオレが。仲夏さんには弥先輩が教えることになっているから。」
「わかった。」
4人は、てくてくと歩いていた。
「ねえ、秀君、ここって、苗字、あるんでしょう?」
「ああ。季夏たちが、皐延。オレは椙下。先輩は杉嵜。」
「ふぅん。皐延季夏か。」
「ああ。」
「友達とかは?」
「椙下秀ってのがいる。」
「すぎしたみのる?」
「いや、しゅう。」
「漢字が全部一緒ね。」
「ああ。でも、こいつは、ちょっとやっかいなんだ。」
「え」
「俺たちは、今日、転校してきたことになっている。だが、上からの情報によると、こいつに注意しろということだった。」
「?どうしてだろう。」
「椙下秀は、季夏に何かすると思われている。あと、仲夏さんに何かすると思われているのが…」
「韓咲倭。むずかしいが、かんざきやまと、と読む。こいつは仲夏にとって、危険だ。」
「?なんで?」
「ま。とりあえず、いろいろと手をつかって、俺たちは離れないようになっているから。」
「でも、体育は?」
「体育?ああ。あの時は、俺らは出ないのさ。」
「え?なんで?」
「あの時は、ちょっと…。」
「??」
「…。要するに、上から命令されているので、出れないんだ。」
「??」
「で、何とかして、パス。毎回。」
「…そうなんだ。」
「ああ。それで、休み時間と呼ばれる時間には常に四人でいること。らしい。」
「へぇ。」
「とりあえず、ついた。」
「じゃあ、おまえ、しっかりやれよ。」
「おぅ。おまえもな」
「ばいば〜い。」
「うん。ばいばい。」
「転校生がいるぞ〜」
「え=まじっすか? 」
「ああ。」
「早く紹介してくださいよ〜。」
「おぅ。おいっ来い」
スタスタ
二人は先生の隣に立った。
「かっこいい!!」
「かわいい〜」
--は?--
「えっと、皐延季夏さんと、椙下秀くん。」
「しゅうじゃなくて、みのるです。」
「あ。すまん。…じゃ、席について。二人の席は、あそことあそこ。丁度隣同士だ。」
「はい。」
[策略ばっちりね、隣よ。隣]
[まぁな]
季夏はいろいろ秀に聞けるように、秀に呪文をかけてもらった。(もちろん仲夏は弥に。)
と、いうわけで二人は席に付いた。
「じゃあ、今日は土曜だから、全校集会にいくぞ。みんな、並べ。あ。皐延!椙下!ちょっと」
『はい』
「おまえらは、転校生だから、確か二年にも転校生がいたんだ。」
「姉です。」
「知り合いです。」
「あ。そう…。で、そいつらと、一番後ろに座れ。」
「はい。」
[ね、全校集会って何?]
[校長と呼ばれるものがいる。その者の話を聞いたり、部活と呼ばれる運動に参加している者たちが、賞状をうけとったりすることだ。]
[なるほど]
…
全校集会が終わった。生徒、先生ともども、疲れきっていた。
しかし、季夏、仲夏、秀、弥は、Thirandindeで、毎日聞かされていて、慣れていたため、疲れなかった。
…
あっという間に、放課後になった。しかし、そんな時…
「ねえ、椙下君と皐延さんって、付き合ってるの?」
〚付き合うって何?〛
〚お互い好き同士で、愛し合っている。ということ。〛
「うん。そうだよ」
〚おい、季夏〛
〚そうしたほうが、離れないじゃない」
〚。そうだな。〛
「まぁ、な」
「いいなぁ。」
「はは(笑)」
「でも、勝てる自身があれば、アタック可能だよな。」
「秀!」
「おまえが、椙下秀か、」
「ああ。はじめまして。」
「はじめまして。」
「じゃあ、帰るぞ。季夏。」
「あ。うん。ばいば〜い」
『ばいば〜い』
校門
「わりぃ。遅れた!」
「平気。私達も今来たとこだから」
「どうしたの?」
「おい、おまえら、ちょっと切るぞ。」
「terepasy?」
「ああ、」
「わかった。」
ブチ
〚弥先輩のところもですか。〛
〚てことは、お前のところもか?〛
〚はい。やっぱり、例の超危険人物、季夏に〛
〚仲夏に…ほれたようだ。〛
〚こっちもです。ちくしょ!オレも好きだって言いたいですよ!〛
〚よかったな。国王とのterepasyきっといて。〛
〚こうなったら聞かれてもいいですよ!〛
〚じゃあ、つないでやるから、もう一回言え!〛
〚先輩!勘弁です!!〛
〚と、いうわけだから、離れず!行くぞ。!〛
〚はい!〛
「またせたな、」
「あ、ううん。大丈夫。じゃあ、またかけて。んで、制御しておいて、そしたら、普段考えていること、わからないでしょう?」
「ああ。呼びかけない限り。大丈夫。」
「じゃあ、お願い。」
「…。誰かに見られるとまずいから、家の中で。」
「どっちの?」
「…。国王に許可を取って、国王に決めてもらいましょう!先輩!」
「そうだな…。」
自宅
「国王様」
「どうした?」
「地球人にばれるとまずいので、家の中で、Terepasyをかけようと思ったんですけど、どっちの家で行えばよいでしょう?」
「…。おまえらの部屋でやれ。」
「はっ」
「で、超注意人物は、」
「二人とも、姫様方に惚れているものと思われました。」
「…。なんとしてでも阻止をしろ。」
「はっ!では失礼します。」
「うむ。」
「じゃあ、季夏たちを呼びましょう。」
「あぁ。」
「こんにちは〜」
「じゃあ、やるぞ。」
「はい!」
「watasihihaitumosinitaitoomotteita.
ibunnnihasonnzaiaktiganai.
watashiwoaisiteikureruhitonadoinai.
watawsihahituyounonaininngennnanoda.
konnnawatasihanihonntoiusiawasenakuniniumareta.
sononihonnha,saiakunokunidatta.
taninnnokotoyorizibunnnokoto.
itunakamawouragirunokawakaranai.
konnnanihonnnimouamariitakunainoda」
「できた………っ」
「秀君?」
「季夏…よけろ。」
「え?」
「よけろ!」
季夏は反射的に、飛びのいた。すると、さっきまで季夏が立っていた場所に秀が倒れた。
「秀くん!」
「秀!…っ」
弥は、へなへなと座り込んだ。
「弥君!」
「ここ…。消費が激しすぎます…。先輩」
「…おれも。ちょっとつれぇかも。」
「…秀君!」
「わりぃな。季夏。怪我、してないか?」
「ん。平気」
「よか・た。」
「弥君!」
「わりぃ。俺ら、ちょっと…寝るわ・」
「ん。」
「明日、俺らが学校…いけなかったら、悪いんだけど、休んでくれ。」
「わかった。」
「秀君」
「季夏、王のはなった見張りの気配がする。はやく、自分の家にもどるんだ。」
「でも」
「戻れ。」
「…。どうして?…心配なの…だから…。」
「俺らのことなんて、心配しないでも大丈夫だ…。気にするな。な?」
「でも…。」
「仲夏…頼む。行ってくれ」
「弥……わかった。季夏。行くよ」
「でも」
「行くの。ね?」
「…」
季夏は涙を流し、うなづき、戻っていった。
「…嬉いッすね。先輩」
「ああ。じゃあ、寝るか」
「…はい。」
結局四人は3日間学校を休んだ。
トゥルルル
「はい。椙下ですけれども」
「…秀君?」
「…はい。」
「季夏です。」
「季夏、悪いな。3日も。」
「ううん。大丈夫。それより、明日はどう?」
「ああ、明日なら動ける。」
「でさ、明日、ニチヨウって呼ばれてて、かれんだー?が全部赤なの。なんのひ?」
「ああ、明日は学校が休みなんだ。」
「そうなんだ。ねぇ、出かけよう。」
「出掛ける?」
「うん。ヒーリング、探しに行こうよ。」
「ああ、じゃあ、国王に、そういっておいてくれ。あと仲夏さんにも。」
「うん。わかった」
「じゃあ」
「ん……みっ秀君!」
「ん?」
「…おやすみ」
「…。おやすみ。」
「じゃあ、ばいばい」
「ああ、」
カチャン
「…。君を…愛している。」
…
「先輩!」
「んあ?」
「明日、当初の目的であるヒーリングを探しに行きましょう。」
「あ?ああ、そうだな、」
「…先輩」
「んあ?」
「もし、オレが…したら、」
「え?」
「…。オレ、もうそろそろ、やばいんです。気持ち、抑えられなく…なってきてる。」
「でも!王にばれたら…、死刑」
「はい。でも、王は、オレを殺せない」
「は?」
「季夏が、とめるでしょう。 友達 を…助けるため。」
「…」
「そしたら、牢獄で、一生…です。」
「おまえ…。」
「死刑になるの、かまわないんで、そうなったら、季夏の記憶、消してください。」
「…」
「お願いします。」
「…。」
「わぁったよ。」
「…ありがとうございます。」
「…。オレも、頼むわ。」
「はい」
Next day
『おはよ〜☆』
『オッス』
「とりあえず、CDショップに。」
「は〜い☆」
「あ、あそこだ」
「ほんとだ。音楽にも、ヒーリングのできる音楽もあるのね。」
「そうだな、とりあえず、ヒーリングの中にある全種類のCDを買っていくか。」
「でも…お金は?」
「かね? ああ、これ?使い放題。王から、カードもらったからな。国につけるんだ。」
「できるの?」
「ああ、ここに確か国が資本している会社があるから…。」
「じゃあ、全部買って帰ろう。」
「ああ、」
「ありがとうございました〜☆」
「どうでもいいんだけど、これ聞かなきゃ…。」
「そうね。じゃあ、タイ電気いこう」
「そう…だな。」
「いらっしゃいませ〜。」
「??」
「…タイ電気…。タイの電気屋」
「あっそ〜か」
「今日はどういった…。」
「CDを聞く機器を売ってくれ。」
「はい。では、最新型のこれを。」
「サンキュ〜。」
「ん〜、いいな、」
「なんかいいねぇ。」
「そうだよなぁ・」
「やすらぐわ〜」
「どうして普通の曲と違うんだろう?」
「ゆったりしているからじゃないかしら?
「この国は、確か仕事の量が一番多いんだ。」
「そうだったわねぇ。で、ゆったりしているこの曲に、幸せを感じるのねぇ、きっと」
「じゃあ、これで、任務終了だな。しょうがないから、明日学校を、辞めよう。」
「そうだね、」
Next day
「え〜急なお知らせです、本日を持って、椙下秀君と、皐延季夏さんが、転校する事になりました。
そして、急を要するため、このホームルーム終了後、転校するそうです」
「ええ〜」
…
生徒達は、驚いていたようだが、どちらにしろ、しょうがないんだ。
帰宅途中
「2日だったね。」
「ああ・・・・ん?」
「?どうしたの?」
「弥君?」
秀と弥は、とっさに呪文を唱えた。
『wagaaisurumonotatiwomamorutame,kokonimahouzinnwosyoukannsuru.
wagaaisurumonotatiwomamorunoda!Thirandindethemagiczone』
「え?」
季夏と、仲夏の周りに、結界が張られた。
「ちょっ!出して!」
『Magiczoneyo!wagaaisurumonotatiwoiemadehakobe!』
「秀!」
「弥!」
二人は秀と弥のかけた呪文により、家に放り込まれた。そして家から出られないようになっている。(普通の人間には見えない。)
「あれ?さっきそこに皐延さんがいなかったか?」
「いねぇよ。先に帰った。」
「そっか、秀、ちょっといいか。」
「…ああ。先輩…行ってきます」
「ああ。」
[無理するなよ。]
[はい。]
秀は行ってしまった。
「あれ?弥。さっきそこに皐延さんがいなかったか?」
「いねぇよ。」
「そっか。ちょっといいか。」
「オレに?いいぜ」
「…。オレ、おまえに負けないくらい、皐延さんが好きだ。」
「それがどうした?」
「…別れてくれ」
「おまえなんかに言われて別れるわけねぇだろ。」
「…どうしても駄目なのか…?」
「当たり前だ。オレは仲夏を愛しているからな。あいつも、、愛してくれている」
「…ならっ」
「っ韓咲!」
韓咲倭は弥を刺した。
「てめぇっ」
「…。おまえは死ぬ。そうしたら弥、皐延さんはオレのものだ。」
「っ韓咲!おまえは、あいつがおまえに惚れてるとおもってるのか ?」
「…ああ。もちろんだ。」
弥は静かに呪文を唱えた。
「yakubuturannyou」
「…」
(ちっ薬すってんのかよ。この国では違法だろうが!)
「miterunndarou?keisatuwoyobe!koituhayakubuturannyousyada」
弥は弥を見張っていたThirandindeの人間にテレパシーを送った。
「razya」
どうやらりょうかいしてくれたようだ。
「じゃあな。」
「ちっ」
「warewatarunonanioitemeiziru!Timestop」
韓咲倭は、時間が止まった。弥は、韓咲倭のことを伝え、Thirandindeの国のやつに任せた。
そして刺された腹をかばい、仲夏の部屋の前にテレポーテーションをした。
Chuka
ガチャ
「弥?どうしたの?」
「仲夏…。っ」
弥は座り込んだ。
「弥!弥!どうしたの!すごい血じゃない!」
「わりぃ。頼み…ある。」
「え…?」
「力…貸して…欲しい。」
「弥?」
「手…かして」
仲夏は左手を出した。
弥はその手にキスをして、忠誠を誓った。
「わ…たる?」
仲夏はどきどきしていた。
一方弥の中には、チカラが沸き始めていた。
「…うわっ」
「きゃぁっ」
弥は、力が満タンになったことを知った。そして弥は呪文をかけた。
「helling」
見る見るうちに弥の腹の傷は癒えた。
「弥…大丈夫?」
「ああ。にしても悪かったな。急に部屋。」
「…大丈夫。」
「あ…と、その…手…に」
「あ…だ、大丈夫。それより、秀は?」
「え・まだ…あいつ、戻ってきてないのか?」
「え?うん。」
「秀…っTerepoto!」
弥は秀のいる場所にテレポートした。
「ちょっ!…たくもぉ〜。でも・・いっか。」
「秀っ」
秀は、血だらけで倒れていた。やはり秀も椙下秀に刺されていたのだ。しかも、何度も…。
[こんなに…刺すなんて…。]
「秀っ秀っ」
[秀っ秀]
[せんぱ…]
「秀っ」
「…せ…ゴホッっゴホッ」
「しゃべるな。今Hellingするから。」
[駄目…なんです]
「どうしてっ」
[オレ、Abmainasuなんです。]
「なっそれじゃ…。」
Abmainasu…。他人の呪文を受けられない。というものだ。
攻撃呪文で殺されることはないが、Hellingなどという回復系も受けられないのだ。ただ、自分で回復することはできる。
「じゃあなんでおまえがここにこれたんだ?」
[オレの、能力…すげぇ高いらしくて…、こんな傷を受けることが…ないだろうって思ってくださったらしく…]
「…。どうして、止めてくださらなかったんだ…。って、おまえ、自分で自分を回復しろよ.そしたら傷が」
[駄目です。ちから…もう残っていないです。まったく…。っ]
「それじゃ…おまえ……、」
[はい。必ず結婚相手に、婚約した女性に…両思いの女性にキスしてもらわないと…呪文が入りません。
キスしてもらえば、他から呪文が入ります。攻撃呪文で殺される確立も高くなる…。]
「…てことは…」
[俺らは、許されていません。恋愛さえ。そんな状態で…無理…なんです。それに、季夏が…。オレを好いてくれてるとは、がきらない。]
「それでもいいさ!とりあえず、王に許可を取ろう!」
[絶対に…駄目です。]
「わかってる。だけど!」
「早く…帰ろう!」
「え?」
弥が振り向くと、仲夏と季夏が…いた。
「どうして」
「お父様が、といてくれた。お父様なら、助けてくださるかもしれない。
もし…考えるのが嫌だけど、もし…なんの方法も無くても…。早く…帰ろう!」
「行きましょう。弥くん。秀君を運んで。Thirandindeに行こう!」
「ああっ」
「earth」
「はい。」
「国にやってもらいます。もうしばらくお待ちください」
「はいっ」
「もう見つけたのか?」
「お父様っ」
「おぉ。季夏。久しゅう。」
「秀くんがっ」
「え…。…。よくぞ季夏を守ってくれた。名誉ある死だった。」
「まだ死んでないわ!」
「…もう死ぬさ。秀はAbmainasuだからな。」
「私が、婚約すれば、弥さんがhealingで助けてくれるわっ!」
「…は?」
「季夏さま…聞こえていたのですか?」
「私達も多少なら聞こえます。聞こうとすれば。弥さん。貴方のおかげで、どうしたら助けられるか、わかりました。
お父様は言ったよね?私達が、帰ってきたら、何でもひとつ願い事、かなえてくれるって。」
「う…」
「婚約します!」
「…」
[駄目だ…季夏]
「秀君…」
「オレ…ゴホッ」
秀は一言でもしゃべると、血を噴出すほど状態が悪化していた。
「だめっ、何も…話さないで。」
秀は、顔をほんの少し横にふって話し続けた。
「オレ…ゴホッ…死んでも…ゴホッ…いいです…ゴホ」
「しゃべるな!」
[先輩…オレ、死んでも…かまわないんです。ただ…伝えておきたい…]
「秀…。」
「やだっ。やだよっ。秀君がよくても、私がいやぁっ!」
「季夏さま…ゴホッ…オレは…ゴホッ…あなたを…ゴホッ…誰よりも…ゴホッ…あいして…。
ゴホッゴホッ…愛して………います…ゴホッゴホッゴホッゴホッ」
大量の血を吐きながら、その言葉を言い終えた秀は、笑顔だった。
「…みのるくん…」
季夏は涙を流していた。
[きか…]
「え」
「…」
秀の心の声が、しない。
「や…だ。やだぁ!いやぁぁぁっ」
季夏の悲しみは側まで来ていたThirandinde中に広がっていった。そしてすべての国民が、涙を流していた。
「仲夏…さま」
「…弥君…。」
「オレも、あなたを…誰よりも愛しています。」
「え?」
「秀…、言ったから、俺も言わなきゃって…思いました。秀…かっこいいから…。」
「…。はい。」
「秀…くん。やだよ!いやだ!ねぇ、起きてよ!私を守ってよ!ねぇ!秀くん!!」
「季夏…。おまえは、、おまえの気持ちは…」
「お父様……もし…秀君、死んでしまっても、秀君以外の人と、、結婚する意志はないわ…。」
「………………。母さんが、」
「…?」
「どうしても、って言うんだ。特別だからな。」
「…ぇ」
「季夏、婚約さしてやるから、絶対に帰って来い。仲夏、おまえ達もな。」
「…はい。」
仲夏の頬を、涙が伝っていった。
そして…季夏は…すでに息を引き取って横たわっている秀を抱きしめていた。
自分の服がどれだけ血で汚れようとも、何も…気にしないで。
「ごめんなさい。私がはやく…決断できなかったから、あなたを…。」
仲夏は、なんと言っていいかわからず「季夏…」と口を動かすことしか、できなかった。
「私も、愛しています。みのる…。」
季夏は、秀の唇に、唇を重ねた。
「きゃあっ」
「秀?」
秀の体からは、光があふれ出している。そして、秀は、
「heling」とつぶやいた。(無意識だろうと思う。)
…
「ん…。き…か」
「ぇ…。秀くん?」
「…きか?………きか?」
「み…のるくん?」
季夏は、目を開け、自分の名を呼んでくれた秀を見ていて、たえられず、泣き出した。
「季夏?」
「っ」
「季夏…っ」
秀は起き上がった。
「秀君っ」
「わっ」
季夏は、やっと起き上がった秀に抱きついたため、秀はバランスを崩し、倒れた。
「!!」
その瞬間
二人の唇は、、重なった。
唇の感触が、まだ残っている…。心臓の鼓動がはやくなっている。
秀はさっき季夏が秀にキスをしたことをしらないので、真っ赤だ。
「すいませ・・・」
「誤るな。ばか、」
「え」
「私…も、秀君が、大好きだよ。」
泣きながら、笑顔で季夏は答えた。
「季夏…。」
秀は季夏の頬を触り、涙をぬぐい、季夏の唇を、自分の唇に重ねた。
「仲夏さま、行きましょうか。」
「ええ」
仲夏と弥は隣の部屋に行った。
【これから仲夏じゃなくて仲夏様って呼ばないと…】
「あら?どうして?」
「どうしてって、もうThirandindeですよ。」
「わかってるわよ。」
「??」
仲夏は弥に抱きついた。
「え・わぁ……。仲夏さま?」
「やだ。仲夏がいい。」
「仲夏?」
「大好きだよっ。私も弥を、愛してる。」
「仲夏…………あいしています。」
弥は仲夏と唇を重ねた。
季夏たちが持って帰ったCDを国中に流すと、すべてのストレス患者はとりあえずストレスを克服した。
そして、数週間後
「季夏」
「仲夏」
『はい☆』
季夏と仲夏は呼ばれる。
二人はドレスを着て、それぞれの人の所へ行った。
「おまたせ☆」
—ドキィ!!—
「?どうしたの?秀?」
「な、なんでもない。」
そう。二人を呼んだのは、秀と弥。
「二人とも、早くなさい。」
「あ、は〜い、」
母親に呼ばれて二人は民衆の前に姿を見せた。
「おめでとうございます!!」
すべての民衆がそう言う風に言っていた。
季夏と仲夏は、それぞれの愛しい人の隣でにっこりと笑っている。
そう。今日は季夏と秀。そして仲夏と弥の結婚式だ。
しばらく民衆に手をふっていたりしたが、4人は中に引っ込んだ。
「季夏、愛しています。」
秀はそう耳打ちすると、季夏にキスをした。秀も仲夏に同じことをしていた。
これは言わば儀式。見たいなものだ。
「懐かしいわねぇ。あなた。」
そう女王は国王に言っていた。
「なっ何を急に。」
「あらぁ、とぼけちゃって。私をどうしても欲しいからって、お父様に直訴していらっしゃったじゃないですか。」
『え?王様が?』
『えっお父様が?』
4人のその攻撃に国王は顔を少し赤らめていた。
「でもなんで?直訴するの?」
「あら?言ってなかったかしら?私って実は下のほうの階級出身なのよ。実は、秀くんのお母様とお隣同士だったんだから。」
・・・
『ええええええええ!!』
「だ、、だったらなんで反対なんてするのよ!」
「いや・・・その・・・。ってそんなことどうでもいいから、さっさと最後の儀式をやれ!」
なんかはぶらかされた気がすると、その場にいる全員が思った。
まぁそう言うことは良いとして、
秀と弥は季夏と仲夏の左手を取りひざまづき、「more someone」と言って薬指にキスをした。
そして二人の薬指には婚約指輪がはめられた。
二人は嬉しそうに微笑んだ。
そして大好きな人に飛びづく。
「わっ」
「大好きよ☆」
二人は本当に本当に誰よりも愛しいその人に、
その言葉を伝えた。