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2004/3/11
〜2004/3/25

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2004/3/11 どうしたら側に居てくれる? ねぇ。 「ね。どうしたら側に居てくれる?  どうしたらずっと側に居てくれるの?」 「いきなりどうした?」 「だって、皆どこか行っちゃうんだもん。  一人になんてなりたくない。  ずっと側に居て欲しいよ。  だから、ねぇ、どうしたら側に居てくれるの?  教えて。」 そんなもの、好きだから今はそばに居たいと思うけど、 この先は、俺はずっと側にいたいけど、 どんなふうに変わるかはわからないんだよな。 そうだ。 「君がそばにいたいってずっと言ってくれたら、  オレはそばにいると思うよ。」 「ほんと?」 「あー」 じゃあ、そばにいて?そばにいたいから。 そうやってやわらかく笑った君が、 オレは愛しいと思った。 2004/3/12 「だめっダメよ」 「何がダメなの!離して!お願い!私は、  私はあの人に会いたいの!」 どうして止めるの? 私は、私は会いたいのに。 お願いだから、あわせて… 「好きなの!大好きなの!!あわせてっ」 「ダメよ!」 私の身体はがっちり押さえつけられて、手を伸ばせば届くだろう距離にある、あの人の病室のドアにさえ 手が届かなくて… 「どうなってもいい!死んだっていい!お願いだから、  お願いだからあわせて!」 私は力いっぱい叫ぶ。 どうか届いて。 あなたに会えるのなら、死んだっていいの。 だから、お願い。 「あわせてください、お願い。  お願い!!」 「ダメだよ。それは出来ない。」 「晶彦さん。どうして?どうしてよっ」 「オレは、伝染病を持ってる。  この病室に入ったら、皆死ぬ。」 「ばかっ!  私は、私はあなたに逢えるなら、あなたと死ねるなら、  かまわないのに!!逢えないほうが、つらいのよ!!」 あわせて、ください。 「あなたに会えないなら、死んだほうが、ましなんだからぁ。」 そう言って、ネックレスに手を伸ばす。 「わかった。入っておいで。」 「晶彦さん。。」 私は私を押さえつけていた手が離れた瞬間、 あの人へと続く扉を開ける。 横たわる晶彦さん。 逢いたかった人。。 「晶彦さんっ」 私はだきついて、キスをする。 「理沙!」 「だって、だってぇ。」 怒ったあなたに、泣きじゃくる私。 逢えて、うれしいんだからっ。 「知ってるよ!全部、知ってるよ!」 「ぇ」 「出会った次の日から、全部知ってるよ。  あなたのお父様が、私のせいで死んだ事。  あなたが私を憎んでいること。  そのせいで、私に近づいてきた事。」 「理沙・・・?」 「だけど、愛しちゃったんだもん。  愛してるんだもんっ!」 私はそう言って、晶彦さんに再度口づける。 彼も、私の背中に手を回してキスに答えてくれる。 ああ、幸せ。 「ごめんなさい。だから、これは、つぐない。」 私はネックレスに手を伸ばし、ロケットになっているソレをあけて、 中に入っている物を、口に含む。 「理沙?!」 口から血を吐いた私。 だけどいいの。これは、つぐないだから。 「あと、これはプレゼント。  飲んで。」 そう言って渡すと彼はソレを飲んでくれた。 彼の顔色がよくなった事を私は知った。 よかった。と心から思った。 「理沙?」 「ごめんなさい。それは、せめてものつぐない。  どうか、どうか…あなたの未来に幸あることを、  私は願うよ。。愛してる。」 瞳を閉じる。目の前は真っ暗になる。 神様、私は、幸せでした。 愛する人が幸せであるなら、もっと。 体の調子がよくなったことで、それは彼女が 彼女の父親から盗んだ解毒剤となりえる薬だと知る。 彼女はオレを愛してくれた。 すべてを知っていて、 だからオレもつぐなおう。 オレの心を偽った罪を。 もう冷たくなった彼女に口づける。 深いキスをする もう冷たくなった、彼女に。 大丈夫。わずかに残った彼女を殺したものがオレも殺してくれるから。 愛してる。 そうつぶやいて、オレも目を閉じた。 2004/3/13 蒼い空、白い海。 ここは、どこ? 「起きて。ねぇ!」 「ん〜?」 オレは誰かに起こされる。 「?ここはどこだ?オレは誰だ?」 てか、本当にオレは誰だ? 「記憶喪失。。最悪だね。君。」 「え?」 「あなたには彼女がいたんだよ。誰よりも大好きな彼女が。」 「それは、君?」 目の前の少女を指差して見るが、彼女は目を閉じて首を横にふる。 「残念ながら違う。この子。」 そういうと目の前の少女はオレしていたネックレス(ロケット)を開いて、俺に見せてくれた。 「・・・。」 「どうして、オレはここにいる?」 「死んだから。」 「え?」 「あの子は、泣いてるよ。  あの子の悲しみを、私は判る事が出来る。  どうして死んじゃったの?って、、泣いてる。」 「…」 悔しい。どうして何も思い出せない。 どうしてオレは死ぬ事になった? どうしてだ。。 「あなたが、思いだせないのは、わけがある。  それは、あなたはまだ生きかえる事が出来るから。」 「え?!」 本当に、生きかえれるのか? 「ただし条件がある。  それを飲む事が出来るかどうかが焦点になる。  前の記憶を持ったままだと、躊躇する場合があるからね。」 条件? なんでだろう?この嫌な予感は… 「私を、この剣で刺し殺す事。  それが出来れば、あなたは生きかえれる。  もちろん、これは本当。」 よくあるけど、そう言って、ダメだ。出来ない。→あなたの心の美しさに感動しました。生きかえらせてあげましょう。ってのは無し。 そうおちゃらけて彼女は笑う。 「どうして、笑っていられる?」 「わからない?私も死者だからよ。」 「え?!」 オレより3歳イジョウは若いその子。 だけど、死んじゃったのか。。 「選択はあなたにあるわ。  さ、決めて?  私はどちらでもかまわない。」 オレは、思いだしたいと思った。 ためらったけど、 剣を手に取る。 オレはその子を刺した。 「っ。ありがと!」 そう言うと彼女は刺されたところに手を当てる。 傷が、修復していった。 そしてオレの意識は飛ぶ。 「雅史!」 そう呼ぶ俺の彼女。久江。 だけど、オレは久江が側に居た事を嬉しく思わなかった。 だって俺は、久江の浮気現場を目撃して、バイクでつっこんでこんなことになってるから。 「帰れ!」 オレは追い出す。 「なんで?ねぇ、雅史っ」 キスをしてこようとする久江をオレを拒んだ。 「お前が先に裏切った。もうオワリだ。」 そう言うと、見られてたのか。みたいな顔をして、おとなしく出て行った。 「ふぅ〜。」 ま、もともとそんなに好きじゃなかったし、最初から他の男に興味あるのわかってたしな。 だったら関係なんていらなかったのに。 そう思っても後の祭りでむなしかったのを覚えてる。 それから3ヵ月後、オレは怪我も完璧に完治して、 高校に通いはじめていた。 来年は3年。受験の年だ。 そんなとき、オレの視界の中にある女の子が入った。 オロオロしているように見える。 「どうしたんだ?」 「ぇ。えっと、、この、高校の、下見に、来たんですけど、」 「ど?」 「昨日だったかもって、思って。。」 「確かにそうかもな。でも、中入れるぞ?入るか?」 「え?いいんですか?」 「平気平気。」 オレはその中学生をつれて歩く。 どこかでみたような雰囲気を感じながら 「にしても随分遅いな。見学。」 「えっと、ツイこないだまで入院してて。」 「入院?」 「はいっ。」 「の、わりには元気…っ」 オレは立ちくらみみたいな感触に襲われる。 目の前の少女も。 「…君、、」 「あなたは…」 笑みが、こぼれる。 「彼女と、すぐ別れた。」 「そうなんだ。」 「あー。ココ、入るよな?」 「ん。入ろうかなv」 「「死ぬか、死なないかの境目依頼だな」だね」 二人で笑った。 さぁこいつが高校に入ったら、俺は受験だけど、 だけど、オレは、こいつと遊べるだけ、遊ぶ。 おれの、彼女になってるだろうからな。 2004/3/14 会いたいよ。 その一言さえ言えればいいのにって一体何回思っただろう。 好きだからこそ、私の勝手な思いで、彼を縛りたくない。 「会いたいな〜。」 「だったらどうして言わない?」 「?!」 後ろ振り向くとありゃびっくり。 私の彼氏、伸五がいます。。 なんで? 「なんでココに?」 「…。逢いたかったから。」 ちょっと横を向いて、おもしろくなさそうに言う。 あぁ、嬉しいな。 涙があふれてくる。 だって伸五も同じだった。 私と同じ。嬉しい。 同じ思いで、私達はいたんだね。 恋人、だもんね。 そうだよね。 相手に会いたいから 誰よりも側にいたいから。 そして誰よりも愛して欲しいから、 私達はそういう間になったんだね。 ごめん。 でも私は束縛したくなかった。 「縛りたくなかったの。  自由で居て欲しかった。」 「…オレも、会いたいって思ってたの、わかったか?」 「うん。」 すごく、嬉しかったよ。 「じゃあ、オレに会いたいって思ってくれた時は、  電話…メールでもいいから、してくれ。」 「ぇ」 「同じ思いで、嬉しいって、思ったからさ。」 「伸五っ!」 思わず抱きつく。 やっぱり大好きv私の彼氏! 「それで、オレも余裕があったら、  逢おう。な?」 「うん!」 恋人とは 誰よりもお互いが好きで、 誰よりも愛されたくて、 誰よりも近くに、側にいたくて、そして・・・ 同じ想いを持つ人達の事。 2004/3/15 いつも毎日同じ事。 何もかわらないじゃん。 あ、今日ももやもやする。 視界がにじむ。違う。これは眠いから。 タスケテ 心の奥ではきっと何度も叫んでた。 私は弱い。そう思ってた。 だけど、私が考えてたよりずっと…私は弱かった。 すぐ口に出して、体の痛みを訴えた。 心身ともに。そう。私の心の痛みを代弁するかのように。 やっぱりお医者いってもなんともなくて、 つらかった。どうして何もない? どうして命に関わるような病気にならない? それはきっと人生がつらいものだから。 死にたいと思った時ほど死ねなくて、生きたいと思った時ほど生きさせてくれない。 なんてはかないんだろう なんてもろいんだろう。 どうしてこうもうまくいかない? 教えて。だれか教えて。 私に教えて。 そのもやもやを解消するために、たった一つだけあった手段。 自らを、傷つける事。 痛みがすべてを忘れさせてくれた。 痛みが、私を救ってくれた。 流れる血が、大量に流れる血が見たかったけど、それはできなかった。 一度だけ、本当に死にたいと思った時があった。 隠し通してきた家族に、母に、見つかった時。 もう駄目だ。深く切って、死んでしまおう。 思ったけど、出来なかった。 永遠に眠りたい。誰か眠らせて? そういくら願っても、意味がない。 ただひとつ願うだろう。 私は、私が生きたいと思った時がこの先あるのなら、 そのときに、私はその感情に、感謝する。 生きてきた意味を、きっと見つけられたときだから。 どうか。 私はどうなってもいいから。 世界がもしたった一人の人の犠牲で助かるのなら、 私は惜しげもなく立候補しよう。 私が命を捨てる事で、たくさんの人を救う事が出来るから。 私が命を捨てる事で、たくさんの人のコレカラを作り出す事が出来るから。 私が命を捨てる事で、嬉しいと思った人が、いるはずだから。 ただ、悲しいと思ってくれた人がいるならば、 私は心からの感謝を述べるだろう。 きっと今の私にはそう言う人がいるから、 まだ、まだ死ぬわけにはいかないんだ。 頑張らなければならない。 そう。今が頑張り時。 頑張ってみても、いいと思う。 きっと今は試練の時だから。。。 title-リアル- 2004/3/16 ただ、愛してほしい。 それが私の…たった一つの願いだから。 いつも笑顔であなたの隣にいれるのは私が、あなたを信用できてないから。 いつも弱みを見せないのは、いつか離れて行っちゃうんじゃないかって、怖さがあるから。 それだけの理由。 理由にすらなってないかもしれないけど、私は… 私はあなたがそれにすら気づいてないかもしれないって言う事が、何よりも不安。 どうなの? 聞きたいけど、聞いた時点で私の心を彼に見せる事になる。 そんなことはできない。 「空。」 そう呼んでくれるあなたの声は、とても穏やかで癒される。だけど 「どしたの?竜くん。」 私にとって笑顔は、嘘以外の何者でもない。 「今日さ、暇かな?」 「うん!大丈夫。」 特に予定もないし。 それだけは本当。 そして彼氏と一緒に町を散策して、 暇をつぶした。 そしていつもどおり、別れる時がやってくる。 「今日は楽しかった!また明日ね!」 「待ってくれ。」 いつもどおりじゃない。だけど、笑顔は崩さない。 「ひとつだけ、教えて欲しい。」 「な〜に?」 「コレの意味。」 そう言って腕を掴まれる。痛い。 でも何も言わないわ。 「何の事か、わからないよ〜。何〜?」 そう言うと、怒ったような顔をして、彼は私を抱きしめた。きつく抱きしめられて、痛かった。 「どうしたの?」 「頼みがある。」 「な〜に?」 「泣いてくれ」 静かな声でただそれだけを、私に言う。 どうして?どうしてそんな事言うの?ねぇ。 「何よ〜急にっ」 もっときつく。抱きしめられる。 「痛いよ?」 「気づかないって思っていたか?」 「だから何が?」 内心は、爆発しそうだった。 「俺の前で、弱みを見せないこと。何も言わない事。」 わかってたら、どうして言わない? 「何のコトか、わからない」 私のコト、愛してるなら、これくらいで引き下がったらダメだよ。 私は、どうしても、どうにかしてほしくて、 だけどどうしても、どうしてほしいのかわからなかった この日を境に彼は私にいろいろ要求し、 私はやっと本当の笑顔や弱みを、少しずつだけ出して行く事が出来た。 それはきっとあなたが、 私を愛してくれたから。 2004/3/17 それはある天気のよい日の事だった。 「天気いいなぁ・・・。電話、してみようかな。」 朝、ふとそう思うほど、とてもとても天気がいい日だった。 私の大好きなあの人は、遠い空の下にいる。 だけど同じ空の下。 電話番号も知ってるから、寂しいけど、生きていける。 「雲の切れ間から太陽の光がさ〜って出てるあの風景。オレ好きかも。」 ついでにあいつの声が聞けたらいいのに。 あいつ。オレの好きな奴は、遠い空の下にいる だけど同じ空の下。 寂しい思いをさせちまってるのが、申し訳ない。 でもオレも、あいつも寂しかったら電話なり、メールなりすればいい。 こういうときに初めて時代が便利になったのが嬉しい。 そういえば。と思いだす。 あの人は、夢をかなえるために海外に行っちゃったけど、 すごく忙しくて、あまりキレイじゃない世界で、 そう。あのときのオレは、夢を見失ってた。 こんなもんかって、すべてがさめてた。 だけど、それを救ってくれたのは、あいつだった。 ふと電話がなる。 ディスプレイに表示された名前を見て、顔がにやけるのがわかる。 「久しぶりだな。元気だったか?」 懐かしいあなたの声が受話器から流れる。 あ。大好きだなって。思う瞬間。 「うん!元気!元気〜?」 心が、晴れ晴れするね。 「ははっ元気だよ。」 変わらないあいつの声。 こんなとき、妙にほっとしてしまう。 あいつは変わってしまってない。 時の流れは、俺達を変えないこと。 心が晴れ晴れする。 遠い空の下にあいつはいて、オレとは違う道を、歩いている。場所も、離れてる。 だけど、頑張って、生きてる。 あの人もも頑張って生きて居るって思うと、私も頑張れる。 だって、人生悲しい事ばっかりじゃないけど、 生きるって切ないって思うコトもあったりして、 時々センチメンタルになっちゃうんだ。 しぼんだこの心。あいつは気づかないふりで話す。 君のさりげない優しさに心からありがとうって言えるんだ。 あなたがいるだけで、あなたの声を聞くだけで、 素直になれるよ。いつも、ありがとね。 大好きだよ。誰よりも。 あいつがいるだけで、あいつの声を聞くだけで、 笑顔になれるんだ。いつも、サンキュ。 誰よりも、お前を愛してる。 ベース朋ちゃん&コロッケ ありがとね! 久しぶりのお天気だから 今日はあの人に電話をしよう 雲の切れ間にのぞく太陽 今日はあの人の声が聞きたい 忙しさの中で心をなくして 大切な何か見失ってたよ 懐かしいその声に変わらないあなたに 心がはればれするよ。 遠い空の下違う道だけど頑張って生きてるね 悲しい事ばかりじゃないけど生きるって時には切ない しぼんだこの心きづかないうちに話す なにげない優しさに心からありがとうって言える 素直になる笑顔になるいつもありがとね。 2004/3/18 「ねぇ、よく考えたら凄いことだよね。」 「何が?」 「私。」 「は?」 「だってさ、1秒後の私は、私じゃないんだよ。」 「はい?」 ようするに、今の私はたった一人しかいない。 1秒後には今の私は過去で、1秒後の私が、今になる。 そして2秒後の私が、1秒後の私になる。 そう考えるといったい私は何人居るんだろう? 「何がいいたいんだ?」 説明を終えた私に彼はそう突っ込む。 「・・・しょうもないことだよ。」 「だから、何?」 「キスしたい。って。思った。だけ。」 「は?」 大切なんだな。凄いんだなって思ったら、キスしたいなって思った。 変だよね。 わかってる。 思っただけだし。 そう心の中で言い訳していると、 急に引っ張られて、キスされた。 「※☆△#?」 声にならない声をあげる。 「キスしてやったぞ。もっと?」 「んなこと言ってな…っ」 今日思ったコト。 From今日の私。To明日の私。 キスをしたいって言ったら、 キスされすぎて困ったから、言うのはやめましょう。 でも、寂しいときには、いいかもね。 2004/3/19 「会いたい」 初めて言われたその言葉。 オレがオレの彼女。有希に告白をした時、有希は、 「私も、好きだよ。ありがとう。」 って言ってくれた。 そのあと、オレは彼女に「今日暇かな?」とか「明日どこか行かないか?」と言った。 彼女はその申し出にオッケーを出してくれた。 嬉しくて、嬉しくて。 幸せだって思った。 だけど、ひとつだけ不安があった。 それは、オレの都合の悪い日、有希から何も言ってこない事。何も要求しないこと。 そして、 オレが長期合宿などで逢えないときに、会いたいって一言も言わない事。 オレのコトを本当に好きって事に不安がないわけじゃないから不安になる。 あいつと付き合ってから空回りばっかりだけど、 オレは… まぁそんな彼女が始めて言った「会いたい」 別れ話かな?ってふと思うけど、それには嬉しい言葉がついてきた。 「会いたい。」 「どうした?急に」 「急じゃないでしょ。合宿長すぎだよ。」 「2週間。だもんな。」 「うん。」 「何?寂しい?」 「も〜。いじめないでよ!  寂しくなきゃわざわざ電話しないよっ!あ〜恥ずかしい。」 そう言ってくれたんだ。 嬉しかった。何よりも。 そしてオレは返す。 「まじで?嬉しい。」 「はじめて会いたいって言ったから?」 「え」 意識的に言わなかったのかなって思ったら、それは当たりだった。 「会いたいって言うと、余計逢いたくなるんだもん。  会いたいって言ったから、今すごく会いたいし〜、  それにさ、言っちゃうとさ、毎日、会いたいよ。。」 そしてオレはいつものペース。 「本当に?」 「本当に!」 「…今家のどこに居る?」 「え?玄関だよ。電話機ここにあるの知ってるでしょ。」 知ってるよ。 「扉、あけてみ?」 電話中の私の彼氏。 寂しくて、寂しすぎて、我慢できなくて電話した。 確か、帰ってくるのは明日。 会いたいって言えば言うほどつらくなる。 だからずっと我慢して言わなかった。 そして私は強い人を演じた。 それも、もう限界。 嫌われてもいい。会いたいって思いが強すぎて、セーブできない。 玄関を開けろと言われても、私は近くで私のコトを面白そうに見ている弟に声をかける。 「面白そうに見てないで、玄関あけて?」 「わかったよ。」 使われたときにちょっと怒ったかな?という私の弟。 開けた私の弟は、一度止まり、言葉を発する。 「姉ちゃん」 「何?」 受話器からちょっと離れて聞き返す。 「地球の大半を占めるものって、何だと思う?」 なに言ってるのよ。そんなもの 「海に決まってるじゃない。」 「音読みしてみて。」 「かい。」 「せーいかいっ」 そう言うと、弟は玄関をめいっぱい開ける。 うそ。 「海(かい)!」 そうなんです。私の彼氏の名前も、かい。海って書いて、かい。 「な・・・んで?」 「とりあえず、電話切るぞ。」 「あ!うん。」 そして私は外に出る。 玄関を占めて。 「なんで、海がここに居るの?」 「前々からビックリさせようと思ってて、  あらかじめ1日前の日を言ってたんだ。」 そう言ってにっこりと笑う。 「ばか〜っ!」 そう言って、抱きついてみた。 久しぶりの、温かい身体に、 涙が出た。 「…好きだよ。」 「オレも。」 今の私は、最高に幸せ。 愛すべき、あなたがココに居るから。 2004/3/20 愛してる。 だけど私があなたにその思いを告白できないのは たくさんの年月。 あなたが高校1年生の時、私はすでに新米社会人。23歳だから。 いくつの年の差があるのかしら。 そう考える。 高校一年ということは16才かな。 16.17.18.19.20.21.22.23 7個か。。 犯罪だろうってくらいに、彼は若い。 普通、コレだけの年齢差だと、男の人が上だけど、 私の場合は私の方が上。 私が思いを告げる事がないだろう相手、朝生 惇(あそう あつし)くんは、いつでも君付け。 あっくんと呼んでいた。 それだけずっと、離れていた。 そして向こうは、私、若山咏伽(わかやま えいか)のコトを、咏伽さんと呼んで敬語。 コレが、年の差。 「咏伽さんは、彼氏いないですよね。なんでですか?」 「な〜んで私が彼氏居ない事になってるの?」 「いるんですか!?」 「いないよ〜。なんでだろうね。。」 告白はされるけど、断っているからかしら??? 「断ってるんですか?なんでまた…」 「…好きな人が、いるから。」 「そうなんですか。」 それっきり、あっくんは何も話さない。 なんでだろう? 私に好きな人がいちゃ、いけないのかな。 そしてその質問は、逢うたびに聞かされる事になった。 「彼氏出来ました?まだ例の好きな人が好きなんですか?!」 「…飽きない?同じ質問してて。」 「ぜんぜんあきません。」 そしてあっくんが高校3年生になったとき、彼には彼女が出来た。 「キスとかさ、したり、、、するの?」 「いや…まだしてませんけど。」 よかったってホッとして、また例の質問。 「で、例の人は、、」 「まだ好きだよ。だけど、彼女が出来ちゃった。  失恋。。だね。」 「元気出してください!!」 「・・・ありがと。じゃあ。」 そしてしばらくしてまた例の質問。 そのとき、すでにあっくんは彼女とわかれていた。 あっくん曰く、何もしてないそうです。 「で、例の人は?」 「彼は彼女と別れたけど、脈はないね。」 そしてそんなことが繰り返されて、あっくんから 「彼女と別れました。」 という何度目かの報告を受けたとき、 私は彼の部屋にいた。 私ももうすぐ30。 だって彼は大学生だったから。 「今何歳だっけ。あっくん。」 「21ですけど?」 「そっか〜。」 「咏伽さんは?今いくつですか?」 「…28かな。。多分。」 「結婚は・・・?」 「多分、しない。また彼、別れたけど、  そろそろ諦めようかなと…」 「あ!今日はいろいろと聞こうと思ってきたんですよ。」 「何?」 「同年代ですか?」 「違うよ。」 「どうして告白とかしないんですか?」 「見込みがないから。」 「どうしてですか?」 「離れすぎなんだもん。」 「・・・上ですか?下ですか?」 「言いたくない。」 つらいから、やめて。 その少し後、ふわっと体が移動する気がした。 「きゃっ?!」 私は、あっくんに押し倒されていた。 「あ、あっくん?」 あっくんにものすごく見られる。 恥ずかしい。 てかこの体制、嫌。 「ちょ。あっくん?……ん?!」 唇に、何かが当たる。 目を見開いて識別できないほど近くにある顔を見れば、 何がどうなってるかわかる。 あっくんに、キスを(しかも深いやつ)をされていると言う事実。 「ちょ」 止めるのもお構いなしに、首筋にもキスをされ、痕をつけられる。 「や・・・やめてってば…あっくん!」 そんな私の唇をもう一度強引に奪うあっくん。 涙が、あふれてくる。 どうしてこんなことをするのか。 わからなかった。 そんな私の顔を見て、あっくんはビックリする。 そして、私から離れる。 「すいません…。」 自分でも、何をしたか、思いだして居るんだろう。 苦痛に顔がゆがんでる。 「だいじょうぶ。」 震えた声で、私がそういうと、彼はまた近づいてきた。 そして、びくっと怖がった私を優しく包み込んでくれる。 「すいません。もう、しません。」 つらそうに言う彼が、私は愛しかった。 ふと、私の目から涙があふれる。 本格的に泣き始めた私を、彼は離そうとしたけど、 私は服を掴む。 「え・咏伽さん?」 ろくに何もいえなくて、私は泣いた。 ただ、泣いた。 収まって来てから、必死に言葉を綴る。 いい加減、とても長い片思いに、終止符を打つために。 「あのね…っずっとね、ずっと〜〜っ」 「…ゆっくりで、いいです。ゆっくりで。」 「〜っうん。  ずっと、ずっと、つらかったりしても、  好きな人にね、甘える事が、出来なかったっ。」 「はい。」 「だって、その人は、私が、好きになっちゃいけないひとだったからっ。」 「はい。」 「私も、もしOKされても、付き合う自信がね、  あんまりなかった。その人にもっ絶対嫌な思いをさせるし、」 「はい。」 「だけどね、もう限界なのぉっ。もう、つらくて、つらくて、  どうしていいか、わかんなくて、」 「はい。」 「私、私ね…惇くんが…惇くんが、好きっ」 言ってしまった。とうとう。後戻りは、出来ない。 「ごめんね、嫌ってくれて、かまわないから、  だから、今だけは、今だけでいいから…泣かせて。」 彼は何も言わず、私の背中に回した手に力を込めた。 しばらくして涙が収まる。 「ありがと…もぅ平気。」 そう言って彼から離れて、彼を見る。 「っ?あっくん?!」 驚いてしまった。 だって、真っ赤だったから。 「どうしたの?熱でもある?」 「違いますって!ただ、、嬉しいだけで…」 「ぇ?」 「オレに彼女が出来ると、咏伽さんの好きな人も彼女が出来て、  オレが別れると、咏伽さんの好きな人も別れてて、  どうしていいか、わからなくて…っ  でも、当たり前だったんですよね。  だって、、オレ、だったから。」 「・・・ごめ」 「好きです。」 「…え?」 その後またキスをされる。 今度は、触れるだけの、キス。 「好きです。」 その言葉を言ってくれる。 これは現実? これは夢なの? 「好きです。  咏伽さんも、言ってくださいよ。」 「だって、嘘みたいで…」 「〜っ。…咏伽を愛してる。  こういえばいいですか?」 「…あっくんひどいよ。  いつまでも敬語は嫌。  年の差が…」 そしてまたキスされて、 咏伽 そうつぶやかれる。 「惇が、好きよ。」 そしてまたキスをしあう。 これは、現実なんだ。 嬉しい以外の、何者でもなかった。 2004/3/21 私の目の前に広がる光景。 今まで私たちが見た事もない風景。 天国と地獄がココには存在したってコトを、 私ははじめて知った。 ここは太陽系があるところからある線を隔てて180度反対側にある惑星。 ローマ字を使用して書くとfeja 読むことは地球人には出来ない。 だがここは、地球にとてもよく似た惑星だった。 私が通うこの特別な学校はある場所から先へ立ち入りが禁止されている。 わたしは仲間数人と共に、初めてソコに入る事を許された。 自由に出入りが許されるのは1週間。 ひどい。 それが一番最初に思ったコト。 私達が通っているところは基本的衛生がきちんと保たれ、きちんと学ぶ事が出来る。 私達が見たもうひとつの学校風景はそんなものとは、かけはなれていた。 あまりにも多くの人数がそこにはいて、皆廊下に座りこみ、インドのどこかみたいな格好をしていて、授業なんてしていない。 難民達が居住として使っている。そう言っても間違ってないと言いきれるくらいの状態。 実際ココで生活しているものも居るはずだ。 私達は表学校の生徒。 規律を乱さないごく普通の生徒。まじめではないけど、不真面目でもないのだ。 私達は仲が良い。 今回私達を信頼してくれた裏学校の人は私達にこう言う。 「おかしいのはわかっていました。  今回、この方式を変えることにしました。  しかしココで生活している人々は他に行く場所がないのです。  なので、ココを本格的に居住地として使用する事にしました。  そして、向こうの学校に通う年代の子供達は特に衛生をきっちりとして、  向こうの学校に通わせる事にしました。」 変わるなら、攻める必要はないと思って、私達は誰も責めなかった。 そして私達は、ある少年達と出会う。 「来なさい。」 そう言われて来たのは、私達と同じ年齢だと紹介された男女。 最初に自己紹介を始めたのは、私達。 「はじめまして。早紀です。」 「聡(そう)です。」 「美加です」 「航(わたる)です。」 ちなみに美香と航は彼氏彼女。 「はじめまして。楊(よう)です」 「美沙です」 「雄大です。」 「薫(かおり)です。」 初めて会ったときの彼の印象は、 衛生的な中で生活してない人だな。だった。 そして私達はお互いに良い印象は持ってなかったし、 相手に与えてなかった。 いつからだったんだろう? どうしてなんだろう? いろいろな疑問が出て来ても、それに答えるだけのものはない。 私達は、必然的に、そう。 私達は何度も裏に行き、裏の子供達(年下〜年上まで)とたくさん遊んだ。 夜、表にいた人がみんな帰った後で、校庭で遊んだこともあった。 そして、私達が自由に出入りされるのを許される最後の時を向かえる。 名残惜しくて、美加、薫ちゃん、は、ないていた。 そして私は何も言わずに、一人でスタスタと歩く。 あと少しで、表の学校。そう言うときだった。 私の思いがあふれそうになる。 今まで閉じ込めていた。 絶対に持っちゃいけないその感情。 それが、芽吹く。 「早紀!」 私の名前が呼ばれる。呼んだのは、 「楊…っ」 私はもう我慢出来なくて、楊の胸に飛び込む。 「楊〜」 「ばか。汚いんだぞ。俺は。」 「関係ないもん!!」 そのあとで、私の背中にも手が回される。 「楊。」 私は彼の方を向いて、唇を合わせる。 「バッ!だから!汚いんだって!」 「そんなの気にしないもん!好きだもん〜。好きだもん!誰がなんと言っても、  楊が好きだもん!!」 「早紀…っ」 強く抱きしめてくれた。 好きになるのは、 好きな人だから。 他はなにも、関係ない。 2004/3/22 私だけ。そう私だけ。 愛されるのは、私だけ。 愛してくれるのは、私だけ。 そう思ってた。 「どういうこと…」 「え?…っ江真?!」 目の前には私に告白してくれた人。 保留状態だったけど、 もう関係ないんだね。 基本的に男の子に興味はあまりなかった。 だけど、目の前にいる熊野 正紀(ゆや まさのり)くんは、私に告白して来た。 何度断っても、彼は来た。 そして私は保留にして、彼を観察する事にした。 少しずつ惹かれていって、付き合うとしたらこの人以外は考えられない。そう思ってた。 なのに、 やっぱり、私には、幸せなんてこないのね。 「何してるの〜?」 「何って、、その…」 ここは教室。 二人は、裸に近い格好で抱き合ってる。 あえぐ声も聞こえた。 「ごめんねぇ、邪魔しちゃって。最後までどーぞ。」 そうして私は、教室から出た。 彼は彼女から離れようとして、彼女に止められて、キスされてた。 私は誰も待っていない私の家に帰る。 両親はとっくに死んだ。 殺されて。 殺したのは私の元彼氏。 知らない間に彼は狂ってて、通り魔殺人犯となり、両親を殺した。両親以外の人も。 ごめんね。お父さん。お母さん。 私は、もう生きていたくないんです。 生きているのならば、私は進んで地獄に落ちましょう。 死んでから、多くの罪を背負いましょう。 もう会わない人々へ。ごめんなさい。 服のまま、お風呂に入る。 包丁を左手に持って、私は手首を深く、深く切った。 それだけでは不安で、首に包丁を当てた。 「江真!江真!!」 誰かが私を読んでいる。 聞いてはいけない。 絶えて。 聞いては行けない。 —暖かい。どうして?— 身体は、暖かかった。 「江真?!江真!!」 誰かの声…? 「熊野く・・・ん?」 「江真・・・っ!」 頬を叩かれる。 ビックリしたと共に、コレが現実だと私に教える。 「なっ!」 「バカ!!バカだよ!お前バカ!」 「??」 「アレは、オレが進んでやったんじゃなくて、  あいつが、あいつが俺を襲ってきたんだってば!」 「もういいよ。あの子のところに行って。」 「あいつ美術部で、裸体書きたいとか行ってきた。  しょうがなくて、ちょっと脱いであいつ見たら、  あいつも脱いでて、さっき江真がもうすぐでココに来るからって、  勝手に、、」 「信じること、私が出来ると思ってるの?」 「思ってる。」 「なんで?」 「愛してるから。」 そう言うと彼は私の唇にキスをしてきた。 「やめて!」そう叫びたくても、深くて甘いキスに 頭がクラクラする。 こんなキスを、あの子にも送ったのね。 私は唇を離された後、最後の力を振り絞って、窓をあけて外に飛び出そうとする。 私は生きかえってしまった。 だからまた戻るために。 私は飛び出そうとしたのに。 「窓には鉄格子。」 「ここから出たいだろ?だったら、オレの言う通りにしてくれ・・・。」 つらそうに、彼はそう言う。 うなづくしか、なかった。 体が完治して心のケアプログラムが実施されようと言うとき、彼は医師にかけあう。 「こいつがこんな事をしたのは、すべてオレのせいなんです!だから、お願いします。コイツに羽をください。」 ダメだといくら言っても、彼はひかなかった。 家に帰ると、寂しさが襲う。 隣に彼が居ても。 お風呂場を見る。 あのときのまま。血が散乱してる。 「教えて。どうして私は死ななかったの?」 「おまえ、UU型だろ?」 そう。血液型はUU.それが? 「オレも、UU.そして、オレは…ヴァンパイア。」 「え」 「ヴァンパイアっていっても、末端。  ただ出来る事。自分の血を、他の人に即急に与えること。  血液を点滴を使って入れるよりも早く。  だから、俺は国家機密を破って、お前に血液を渡した。  きりすぎ。お前。  血たりなくて血ビン飲まなかったら俺死んでたぜ。」 もし私が死んだら、どうしてた? 後を追ってた。 好き?私のコト。 愛してる。 ・・・ ・・・ よくもそんな恥ずかしい台詞を 事実だし。 ・・・ ・・・ いいよ え? 付き合おう。ただし、今度こんな誤解するようなコトあったら、本気で死ににかかるから。 りょーかい!まかしとけって! 愛してます。 その思いは、 永遠に。 2004/3/23 恋をするのは、永遠に恋に落ちる人だけでいいのに、 どうしてこんな悲しい目に逢わなきゃいけないんだろう。 私の名前は潮岬 結優耶(しおさき ゆうか)。 私は兄、森耶と共に町を歩いていた時、とてもショックを受けた。 というか受けてる最中。 目の前にいるのは、私の彼氏のはずの直弥。 となりには私じゃない女の人。 「直弥くん?なんで?」 「…何直弥。私とこんな子二股かけてたの?!」 一緒に歩いていた女の子は怒って、直弥を殴ってどこかに行ってしまった。 「あ〜あ。最低。お前のせいだよ。大体お前だって他の男と歩いているくせに  えらそうに言うんじゃねえよ!」 「他の男…確かに、そうだね。だけど…ホントに他の好きな人なら良かったのに…」 私はいたたまれなくなって、先に帰ると森耶兄につぶやいた。 だけど森耶兄は、○○の喫茶店で待ってろ。すぐに行くから。 そう言って、私をソコへ向かわせた。 「お前が、結優耶の彼氏だった男か。  あいつもよくこんな男選んだもんだ。  最悪な奴。」 「なんだと?!てめぇはなんなんだよ!」 「お前もアソコの高校のバスケ部なら知ってるはずだろ?  潮岬森耶って男。」 「・・・そりゃ知ってるけど、それがなんなんだよ!」 「それが、オレ。潮岬森耶。  あそこの高校の伝説的プレーヤーであり、結優耶の兄だ。  オレの妹で遊んだ罰は、後々受ける事になるだろうけど、  オレはオレの後輩がどんなにお前をめちゃめちゃにしても、  絶対にお前を許さない。  もう二度と、結優耶に近づくな。」 「帰るか?」 「…大丈夫。めいっぱい、、、遊ぶ。」 「そっか。じゃあ、樹希屡(たける)を呼ぶか。」 そう言って森耶兄は樹希屡さんを呼ぶ。 私の先輩であり、森耶兄の友達である樹希屡さんを。 樹希屡さんが来てから凄く楽しく遊べた。 まるで今さっき起きた事がすべて嘘だと感じられるように。 楽しかった。。 「樹希屡。」 「ん?森耶?なんだよ。」 「お前今でも結優耶が好きか?」 「っ?!ゲホゲホゲホ!」 オレの問いかけに樹希屡はむせる。 オレが気づかないと思ったら大間違いだと少しにやりと笑って見せてから、 オレは再度聞く。 「今でも結優耶が好きか?」 「…」 樹希屡は普段とは違って、テレながら?うなづく。 「そっか・・・あいつ今さ、失恋直後で落ち込んじまってるけど、  失恋の痛手がだいぶ癒えたらさ、あいつに、好きだって、言ってやってくれないか?」 「え?!」 「あいつをまかせられるの、お前しかいないんだ。」 「でも、あの子は、断ると思うし、」 「OKしたらでいいから、そのときは、あいつを頼む。」 オレは真剣な表情で親友に、妹のコトを頼んだ。 そして、あいつは、結優耶の心の痛手を癒し、 結優耶に告白し、 そして結優耶と、今付き合っている。 これで妹は大丈夫。 安心したオレは、アメリカへ飛んだ。 本格的にバスケで頂点を極めるための武者修行。 きっと次に帰国するのは、長期休暇か、あいつらの結婚式だな。 そう思いながら、俺は日本を離れた。 2004/3/24 遠く離れて逢えるとき嬉しいけれど、 また離れるのは寂しい。 近くにいるとすぐに逢えるけれど、 慣れるということほど恐ろしいものはない。 ジレンマ。 葛藤。 どうしてなんだろう。 どうしてこんなに… 「繭?」 「わっどしたの?」 「どーしたも、こーしたもないっつの!さっきから何考えてるんだ?」 「うん!あのね、どっちがいい?」 「繭、何度も言っているだろう?主語がないんだよ。主語が!!」 「・・・私が、遠く離れた異国の地にいっちゃうのと、  近くにいるの、どっちがいーい?」 「んなもん近くにいる。のほうがいいに決まってるだろーが。」 「なんで?だって、慣れすぎて別れちゃうかもしれないんだよ?」 「会いたい時に、会いたいんだよ。俺は。」 そういうと彼はてれた。 そうだね。会いたい時に、会いたいね。 そう言って、彼氏に抱きついた、冬の午後… 2004/3/25 トゥルルル 電話が鳴る。 だるくて起きられないから、とれない。 電話の主に詫びて、私はまた眠りにつく。 トゥルルルルル また電話が鳴る。 やっぱりだるくて起きられないから また心の中で詫びて、私はまた眠りにつく。 トゥルルル ダンダンダン 電話の音と共に聞こえるのは、 扉を叩く音。 他にも何か聞こえる気がするけど、眠らなきゃ。。 そう思って眠りにつく。 ふと目を覚ます。 目を覚ますと静かだった。 私は目をこすり、水分を得るためにキッチンへ向かう。 ガチャっと玄関が開くような音。 ドタドタと人が歩く音。 鍵は閉まってるはずだし、私しかいないはずなのに、 どうして音がするんだろ? 風邪でモウロウとしながらも、私はそれを考えていた。 「あ。なにやってんだよ。お前。  寝てろって。」 水を飲んでいる最中、かけられる声。 でもこの懐かしい声は、聞こえないはずのモノ。 眠ってるのかな?私。 「桜?何ぼけっとしてるんだよ。  てか熱があるんだから、寝とけって。  風邪薬買ってきたから。」 「…」 その人を見て唖然とする。 やっぱり夢? それとも現実? 「桜?おいっ大丈夫か?」 「…正樹(まさき)さん?」 「?大丈夫か?本当に。」 「正樹さん?」 「おれが、誰に見えるって?桜。」 「正樹さん。。」 「はい。アタリ。  久しぶりだな〜。桜。電話したんだけど出ないし  扉叩いても出てこないし、  昔もらった合鍵を使って鍵を…わっ?!」 私は抱きつく。 あ。懐かしいにおい。 正樹さんだ〜。 正樹さん。私の彼氏なんだけど、 ずっとずっと外国に留学するなりしてて、 5年くらい逢ってなかった。 「正樹さん…っ」 「とりあえず、寝ろって。」 そう言って私をひっぺがそうとするけれど、 離れたくない私は抱きついたまま。 「ったく」 「へ?きゃ!」 正樹さんは私を強引に引っぺがし、抱き上げてベッドに私を寝かせようとする。 とすん。と軽い音をたてて、私はベッドに横たわる。 目を開けるとすでに識別出来ないほど近くに何かがあって、 唇に当たる感触。 私達にとって、初めてのキスだった。 風邪と恥ずかしいので顔は真っ赤。 「早く治せよ。全部、もらってやるから。」 そう言うと、正樹さんは私にキスを繰り返す。 時々ちゅっと音をたてて、 私は幸せに浸る。 そしてしばらくして、彼はキスをとめて、私を抱きしめる。 「逢いたかった。不安にさせんなよ。お前。」 「…ハイ。ゴメンなさい。。それと、おかえりなさい。」 風邪でモウロウとしつつも、私は笑顔を送る。 彼はにっこりという効果音がつきそうな笑顔を私に向ける。 「ただいま。」 —おまけ— 次の日、風邪はすっかり治っていました。 Day...へ (プラウザバックでもOK。)