昼なお薄暗い土蔵の中から、男の呻き声が土蔵の厚い壁から漏れ、
傍を偶然通りかかった隊士達の顔を曇らせる。

「あの男はまだ吐かないのか?」
「先ほど幹部の先生達が土蔵の中に入るの見たが。あの詰問して居る所を見ると、かなり重用な情報を持っているらしい。敵ながらあの面々の拷問を耐えるとは・・・・」
「しかし、もう長くは続くまい、副局長が堪忍袋の緒は長くないからな。あの鬼が直々に拷問に加わって、何処まで持つか。」
隊士の一人が口にした「あの鬼」と言う言葉に、他の隊士は冷や汗を流した。

たおやかな外見で、想像を超えた非道な行為をする鬼。
そして、それに従順な部下達。
今壁を隔てた土蔵の中、数尺しか離れていない所で、
いかに残虐な行為が行われているかと思うと、猛者で知れ渡った新選組の隊士達も身震いがする思いであった。


数刻前
風通りの悪い土蔵の中は、熱気がこもり外の日差しの中以上の暑さを作っていた。
隊士の人は、汗を飛ばしながら、目の前の男を割れた竹刀で殴っていた。
何度殴り、気を失おうとも、決して質問には答えず、隊士のイライラは絶頂に達していた。
先ほどもつい力加減を忘れ、相手を気絶させてしまった。
生かさず、殺さず、が拷問の鉄則だと言うのを忘れてしまったのは、一重に強情な囚人の所為でなく、
このまま情報が得られなければ、自分の身に起こるであろう罰則の事を思い、理性を失ってしまった結果だ。







「お前さんじゃ、こいつの相手は無理だ。俺達が代わってやるから、部屋で休みな」

軽いノリの声が、風と光と共に扉の方から聞こえてきた。
隊士達が今一番会いたくないと思っていた人物達が勢ぞろいで、開けはなれた扉に立っていた

沖田、永倉、斉藤、藤堂、原田、山崎、島田、そして土方。
唯一の救いは、隊の良心とも言える存在の近藤と、山南も居る事だ。

「しっ、しかし・・・」
自分の職務怠慢を責められている気がして、
隊士は震えた。すると、山南が柔らかく微笑むと
「大丈夫、別に貴方方を休ませてあげたいのと、この方は思った以上に重用な情報を持っているらしいので、
私達が直接情報を聞き出した方が言いと思いましてね。ですから、気にせずに休んできてください。お役目ご苦労さまでした。」


口調は優しかったが、有無も言わせない力があり、
隊士達は恐る恐る土蔵を出ていった。
後に残される桝屋に多少の同情をしながら。









「フン、誰が聞こうと、答えは一緒だ。 私は何も知らない。知っていても誰がお前達なぞに・・・・」

弱弱しいながらも、しっかりとした口調で、桝屋は新たな拷問者たちに言い放った。
新選組みの幹部達は、互いを見詰めると、ひそひそと何か話し始め。
それが終わると、集団の塊から、一番体の大きな男が桝屋に近づいてきた。


「枡屋さん、腹が減っただろう?」

そう言って、木の椀を桝屋の口元に持ってきた。

毒か?

一瞬そう思ったが、この土蔵に来てから、何も口にしていない、桝屋は
食欲と言う本能にはかなわず、
目の前の椀に入って居るを貪る様に口に入れると・・・・・・・・・・














「ぐっは!」











地獄の様に甘い、汁粉だった。 夏の暑いなか、唯でさえ蒸し暑い土蔵の中で、

ねっとりと熱く甘い物体は、溶岩を呑まされる様な地獄だった。

「さぁ、私の自信作です。 もっと食べますか?」



目の前の巨大な男は、嬉しそうに汁粉の椀を桝屋に近づけてきた。

彼の心は、純粋に敵ながら武士の鑑の様な男を多少は責め苦から逃れさせたいと言うものだった。


そして、純粋な心の小さな親切は、悪意の拷問より苦しいものであった。


桝屋は、断る事も出来ず、ただひたすらくそ甘い液体を流しこまれた、
爽やかで、優しい笑顔と共に。


斉藤『・・・・。土方さんも人が悪い。あれなら普通に拷問した方がまだましです。』

沖田『確かに甘いもの好きの僕でさえ、あの汁粉は簡便ですよ。


山崎『しかし、当の島田はんが、拷問と思ってないところにも問題ありですな。』




地獄の食事が済むと、

「じゃぁ、そろそろ吐いて貰いましょうか?」

と言いながらへらへらと大柄のいい男が近づいてきた。

拷問事態は、他隊士たちの物とさほど代わりは無かった。 




割れた竹刀で打つ、気絶、水をかける。


このサイクルの繰り返しだ。



しかし、しかし、




「この汚いメス豚!いい加減に素直におなりなさい!」



先ほどまで普通に縛られていた体も、何故か
亀甲縛りになり、

天井の梁から吊るされていたのが、床に転がらせられ、

綺麗な顔の細身の男に一本歯の
高下駄で踏みつけれれていた




原田「こんな歳さん、久しぶりに見るぜ。(興奮)」





山崎「副長にこんな面があったなんて。わてちっともしりまへんでしたわ。」






沖田「歳さんは、吉原のえすえむくらぶじゃ、知らない人が居ないほどの拷問の達人だったんですよ。
生かさず、殺さず














いかさず、萎えさせずってね」

























近藤「ははは。よく金がなくなると、二人で




















美人局ごっこ
をやったもんだ。歳は顔だけはいいしなぁ〜」


















斉藤「桝屋も気の毒に、隊士の拷問で吐いていれば。











生きている内に極楽と地獄を同時に体験せずにすんだのに(同情)」












藤堂「あの歳さんの技を一度味わうと、もう男としては無理でしょうね。ほら何処の旗本の息子だったっけ? 歳さんにちょっかいかけて、



























もう
使い物にならなくなっちゃったのって?














永倉「使い物というか、




















もう人格破壊だろう、


あれは?大通りで、●●に○○○を××して、#〜!★すれば、ご乱心のかどで、廃嫡にもされるだろう。」











山南「いや、旗本の地位を捨ててでも
土方君との思いをとったのであれば、それはそれで幸せだったのでは?」





沖田「あははは〜、山南さんって本当に真面目なんだから。」



藤堂「山南さん、それって・・・・・・(複雑)」



原田「それにしても、桝屋の奴もよくもつぜ。歳さんの十八番の鞭と言葉攻めのこんとらすとが決め手の
吉原の女王様すぺしゃるを食らってまだ奴隷になってないぜ。」




近藤「まぁ、それも時間の問題だろう。歳の技を食らって、落ちなかった奴なんぞ、俺はしらんからなぁ〜」








土方「そろそろすっきりしたいでしょ?」可愛く微笑みながら桝屋の頬を優しくさすってやる






その優しい仕草と言葉に、桝屋はついコクコクと首を頷かせてしまった。







土方「でも、歳の言う事聞いてくれない意地悪さんには、歳も言う事聞いてあげない」(可愛らしく拗ねた表情で桝屋の目を覗き込む)




そして、土方の柔らかく優しげに上がっていた口の端が、徐々に角度を増していった。





多摩一同「おぉ〜、ついに出るか? 歳さん必殺技、天使と女王の笑顔のこんとらすと」



監察二名「//////////////」(うっとり)



土方「じゃぁ、女王様の言う事を素直に聞きなさい!そうすれば、すっきり極楽を味あわせてあげるから」


先ほどまで優しく、頬を撫ぜていた手が有無も言わせず、桝屋の顎をつかんだ。





桝屋「じょ、じょ、女王様ぁ〜。私を奴隷にしてください〜」





一同「落ちたぁ〜」


新選組最大の功績とも言える
池田屋事件が起こるのは、また後の話である。


言い訳:
復活第一弾がこれかい?
自分、死んでよし! 桝屋も皆もただのアホじゃないですかぁ〜。
桝屋さんは、結局吐かなかったって所まで書きたかたんですが、
ちょっと上の話の流れ上、吐いた事にさせて頂きます。
えっ?捏造反対? 
それは無理な話です。このサイトに居る限り諦めてください

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