610.暗闇の黒い猫
黒い猫 部屋の片隅で丸まっていた
瞳だけが光ってた
動き出す闇の中
その存在は 猫だけが知っていた
明かりの下 黒い猫は
目を細めた・・・・・

609.けだるい風
機械的な風の中に僕はいた
冷たいような暖かいような風の中
自然に吹く風は それなりに良いもので
熱さや寒さを帯びていた
難しい質問は 弧を描いて
足下に落ちて行く
追い付かない何かが
背中でくすぶっていた・・・・・

608.光の矢
天に登って行く 光の矢
特別な時にしか見えない
雲間にきらめく 何万本の矢
尊気に眺めてた
何時の間にか 星が降りしきる空
何時の間にか 月の瞳が潤んでる空
いつまでも いつまでも
僕には光の矢が見えていた・・・・・

607.今日書いた詩
今日書いた詩 忘れた
どこかに置き忘れて来たみたい
今日書いた詩は
今日 その時に浮かんだもの
今は思い出せない
今日書いた詩
その時間に忘れて来たのかもね・・・・・

606.片翼の天使/陽炎
陽炎揺れてた 夏の午後
さとうきび畑の その向こう
片翼の天使が眠ってた
月の涙の枯れる頃
太陽 眩しい 夏の頃
陽炎揺れてた 夏の午後・・・・・

605.すだれ
窓の すだれ 涼しそう
ちょっと違う気もするけど
気にしない気にしない
独特で良いと思う
窓の すだれ 涼しそう
昔の香りが漂ってる
蝉の声が聞こえてた
ちょっとした
タイムスリップだね・・・・・

604.風の行方
僕の背中に風が吹いていた
陽が差し込んだ窓辺のすみ
三角の光が弾いていた
少しうつむいた 風が暑かった
僕は しばらく風の行方を見ていた・・・・・

603.片翼の天使/斜
斜めの空 見上げてた
青空はビルにさえぎられていた
片翼の天使は 青空を眺めてた
季節外れの赤とんぼが
目の前を横切っていった
君も 独りぼっちだね・・・・・

602.積乱雲
今日も遠くに白い雲が見えていた
街の風景に似合わない
とても大きな
真っ白な雲
昔見た雲と変わらない
変わったのは街の方だね・・・・・

601.ひざこぞう
あのころ すりむいた
ひざこぞう
とっても いたかった
あのころ まっくろにして
あそびまわっていた
ひざこぞう
いまでも おぼえていますか
なつのあついひ
なつのゆうぐれ
おぼえていますか・・・・・

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