590.片翼の天使／明るい夜
街の中　明るい夜は眠らない
今日も片翼の天使は　眠れない
人々の群れの中
しかめっ面の片翼の天使が
歩いてく
何処までも続く道
すぐそこで終わる道
いつまでも　明るい夜は
続いているようだった・・・・・

589.回転
忘れていた回転
自然では無い風の中
うっすら暖かい風が混ざってる
箱の中　小さな猫が眠ってる
夢を見ている
小さな猫　眠ってる・・・・・

588.音程
背中の後ろの方で
まるで整わない音程が
流れていた
聞き返してみると
まるで整わない音程が
聞こえなくなった
微妙にずれていた音程
いつの間にかブラウン管に
飲まれてた・・・・・

587.片翼の天使／波音
貝殻が記憶していた　波音
耳を近付けると　自然に聞こえてた
片翼の天使は　波打ち際を歩いてた
無数の貝殻が　波を作り出していた
波音は静かに　そこにあった
鳴き声は届かなかった
波音が全てを消していた
無数の波音が・・・・・

586.灰色の紋白蝶
ひらひら舞っていた　紋白蝶
しばらく追い掛けていた
赤トンボの夕暮れは
少しだけ寂しかった
太陽と反対側は月がやって来ていた
追い掛けた紋白蝶
闇に溶けて行った・・・・・

585.しずかなよる
なにもない
くらやみが　みつめてるだけ
しずかなよる
なにもない
てれびは　あいかわらず
わからない　どらまを　うつしだしている
ひとみは　みつめてた
ただ　みつめてた
ないようなんか　しらない
しずかなよる
なにもない・・・・・

584.水音
肩の上で水音鳴った
軽く響いた
一瞬で消えた
水音　軽く
水音　早く
セピアの昔が蘇ると
田畑が浮かんだ
赤とんぼが飛んでいた
蝉が鳴いていた
川のせせらぎが聞こえてた
一瞬で消えた
水音・・・・・

583.丸まる猫
丸まる猫　独り
白と茶色の模様
ゴロゴロ　ゴロゴロ
目を細めていた
丸まる猫　丸くなる
眠ってる
目を細めて眠ってる
丸まる猫　幸せかい・・・・・

582.片翼の天使／故郷
片翼の天使が歩いていた
今日も独り
ふと気が付くと元の場所に
戻っていた
森が眠る海の中
空が目を閉じた空の上
山が囁いていた月の影
夜光灯が灯る海の底
また　戻って来たね
ここに・・・・・

581.KIZUNA
僕には試したい事があった
ふと考えると不思議な気がした
僕の中には不思議な感覚が生まれていた
どこからともなく聞こえる声は
導いていた
僕には　どうしても
試さなくては　いけない
こと　が　あった・・・・・