570.窓側の雨
暗闇に雨が降っている
少しの光を与えると
キラキラ 輝いた
乱反射の中の闇は
闇で無くなっていた
少しの光を与えると
キラキラ キラキラ 輝いた
光の中の雨は 雨だった
暗闇の中の雨は
少しの光で輝いた・・・・・

569.ため息
コンピューターの音がかすかに聞こえていた
キーボードの音は以前より聞こえなくなっていた
静かな夜が僕を包んでいた
暗闇の中のモニターの光だけが
僕を包んでいた
ため息を一つついた
少し疲れた意識は
流れる川のように緩やかに
待ち続けていた・・・・・

568.寝不足
寝不足の蝶が踊ってる
FUWAFURA
水たまりで顔を洗ってる
KOKKURI
蝶はしばらく休んでた
僕もしばらく休んでた
寝不足の蝶が飛び立つと
今度は僕が寝不足だね・・・・・

567.影武者
ふと振り返ると
同じ視線 同じ角度
一本の線を辿ると
幾重にも別れていた
影と光 光と影
両者の存在は
両者がいてこと成り立っていた
影武者
そんな言葉が浮かんだ・・・・・

566.片翼の天使/銀貨
人ごみの中
空間の時が止まっていた
騒々しい街が一瞬 音を無くす
振り向くと鳩の群れが羽ばたいた
羽音だけが耳に残った
片翼の天使は半透明な瞳をしていた
見上げた空に鳩の群れが飛んでいた・・・・・

565.鳥かご
昔こんな事があった
昔こんな詩を書いた
探してごらん
たぶん あるはずだよ
皆 鳥かごの中
皆 眠ってる
自分で作った鳥かご
どうするの・・・・・

564.黒の刻
モニターが闇の中 光ってる
音を無くした部屋の中
小さな機械音だけが
妙に耳に焼き付く
小さな灯は いつも灯っていた
薄暗闇の中
モニターだけが 光ってる・・・・・

563.片翼の天使/足音 足跡
片翼の天使 休んでる
鉄筋の塔の上 空の中
片翼の天使 眠ってる
木の上 海の中
深海魚は独りぼっち
僕はここだよと
夜行灯を放ってる
片翼の天使は見つめてた
足音を 足跡を・・・・・

562.影踏み
夕焼けの中の長い影
遠い記憶の中
夢中で影を追っていた
僕がいた
いつも捕まらず
時だけが過ぎた
いつしか影は見えなくなっていた
闇に溶け込むかのように・・・・・

561.軽さの中に
風がシャツを翻して行った午後
気温は感じない
体温と近い所にあった
風だけが風として感じられていた
電車の騒音も
車のクラクションも
遠くに感じていた
軽さの中に
少しの眩しさがあった・・・・・

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