560.涼し気な風
ちょっとした温度差があった
僕の周りには いつも風がふいていた
シャツが翻る
駅の改札は 今日も何も言わない
足音は明るかった 暗かった
少しだけ涼し気な風が
そこにあった・・・・・

559.暇つぶし
ある朝 僕は気がついた
カーテン越しの空は曇っていた
オセロの数が合ってない
チェスの駒が足りていなかった
暇つぶしに トランプを並べてみた
スペードのエースが
歪んだ表情で 僕を見ていた・・・・・

558.片翼の天使/水際
歩いてゆく片翼の天使
見つめてた湖は
静かに佇んでいた
見上げる空には
両翼の天使が笑っていた
片翼の天使は
湖を見つめていた
ずっと ずっと・・・・・

557.時季
この時季 雨が降っている
いつものように降っている
傘がない
いつも傘がない
走らない
僕は走らない
同じ事
結局は同じ事
この時季 雨が降っている
いつものように降っている
少しの感覚で
少しの感覚は変わるものさ・・・・・

556.ほととぎす
僕はみた事がない
ほととぎす
僕はみた事があるのかも
ほととぎす
どれが ほととぎす
ほととぎすを知らない僕は
ほととぎすを見ても
それが ほととぎすかどうか
わからない
いつまで待つの ほととぎす
ずっと待ってる ほととぎす・・・・・

555.水滴
水滴 するする するりんこ
傘の群れが踊ってる
水滴 きらきら きらりんりん
くるくるくるくる 回ってる
きらきら街並 滲んでる
くるくる人ごみ かわしてる
水滴 きらきら歌ってる・・・・・

554.枠
枠にはまっていた 三本の線
龍の羽が薄く白い線を描いてゆく
大空の翼をゆっくりと開いてゆく
三本の線は いつしか弧を描いていた
窓からは 暗闇だけが
手を振っていた・・・・・

553.螺旋階段
登ってる下ってる螺旋階段
回ってる止まってる螺旋階段
螺旋階段登ったら太陽が見えた
螺旋階段下ったら月が見えた
螺旋階段
登ってるの 降りてるの・・・・・

552.黒
今日も闇の中 カラスが眠ってる
合間の空間が ゆっくりと歪んで行く
届かない悲鳴が聞こえていた 叫んでいた
空しさだけが漂い始める
黒の中
少しの光だけが頼りだった
少しの光だけが・・・・・

551.鳩
眠っていた鳩 独り
路上に眠っていた
高圧線の電線の空が唸っていた
小さな雀が足下に歩いてた
木に登ろうとしていた
鳩 眠っていた
僕 見つめているだけだった・・・・・

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