460.烈火
暗闇の中　光る星
暗闇の中の夜光灯
夜光灯　深海魚
暗闇　星
風　泣き声
寂しさ　悲しさ
そして　烈火・・・・・

459.僕の弱さ
僕の弱さ
君の弱さ
半分　半分
重ねてみれば
重なり合った
僕の弱さ
君の強さ
僕の強さ
君の弱さ
重ねてみれば
重なり合った・・・・・

458.花
花が咲いていた
アスファルトの隙間に
小さく　力なく　寂し気に
誰も気づかない
気づこうとしない
気づいているのに・・・・・

457.ほのか
すすきが揺れていた
昔　遊んだ土手がある
地下鉄が街を揺らしてく
ダンボールの切れ端は　もうない
寝転んだ青草も
あの時の青空も
何処かへ消えていた
でも　ほのかに薫る風だけは
まだ　あるかも知れない
新しい風が・・・・・

456.片翼の天使／頬杖
今日も飛べない鳥は
コンクリートの壁の中
カタカナだらけの街を歩いてた
片翼の天使はビルの上から
見つめてた
柵のあるビルの上から
見つめてた
鉄の箱の中
ギュウギュウ詰めの箱の中
夢だけが独り歩きしていた・・・・・

455.水際
いつの間にか無くしてた
いつの間にか消えていた
水際
遠くなった水際には
水鳥がいた
はばたき　うつむき
水面に映る雲
水面に映る空
水際
いつの間にか無くしてた・・・・・

454.赤い鳥　青い鳥
赤い鳥　燃えた
夕日の中を飛んでいた
青い鳥　沈んだ
海の上を渡ってる
赤い鳥　青い鳥
各々が各々を知らなかった
カゴの鳥　泣いた
何も知らなかった・・・・・

453.溜め息
寒い季節が溜め息を白くしていた
凍った街路樹は　何も話さない
雀は足下で踊ってた
見上げた空には
いつもより　ほんの少し明るい
青があった・・・・・

452.崩れる
積んである本　崩れそう
順番がいけないんだね
積んである本　崩れそう
使う順番なんだけど
積んである本　崩れそう
大丈夫じゃないかな
積んである本　崩れそう
そのうち順番は変わるさ・・・・・

451.ステレオ
昔　ステレオからは蛙の鳴き声や
セミの声
川のせせらぎが聞こえてた
今　ステレオからは機械音
クラクション
人々の足音が聞こえてる
僕のステレオ　君のステレオ
皆のステレオ
何が聞こえますか・・・・・