440.答えのない答え
夕暮れに消えかかっていた
雲が優しく横たわっていた
オレンジと紫が交わる所
鮮やかなコントラストが
目に焼き付いていた
少し首を傾げた影が
答えのない答えを
導いていた・・・・・

439.喚び声
僕を喚ぶのは誰
空間を超えた場所で
風渡る草原で
僕を喚ぶのは誰
喚び声が聞こえた気がした
僕を喚ぶのは
もしかして・・・・・

438.片翼の天使／面影
僕が片翼の天使に出会ったのは
高校の時だった
寂し気な
虚ろ気な
瞳が僕を見つめた
僕はもっと前から気がついていた
存在・・・・・

437.ハ　カ　ナ　キ　ウ　タ
僕の言葉は意味がない
僕の存在は意味がない
蝶は羽根を休めてる
僕の記憶の中で休めてる
僕の言葉に意味がある
僕の存在に意味がある
ねえ・・・・・

436.片翼の天使／片翼の悪魔
中間点
堕ちる夢を見ていた者はいずこへ
中間点
飛べない夢を見ていた者はいずこへ
中間点
灰色の壁の中　悲鳴をあげていた者はいずこへ
中間点
アスファルトに佇んでいた者はいずこへ
片翼の天使
片翼の悪魔
いずこへ・・・・・

435.ミラーハウス
鏡が並んでる
数は分からない
出口も分からない
右かな
左かな
鏡が並んでる
僕がいっぱい
君がいっぱい
どれが僕
どれが君・・・・・

434.草原の風
僕は　いつの間にか
ここにいた
そして　いつの間にか
消えていた
読み返してごらん
いつの間にか
消えていた
皆の心から消えていた
いつの間にか無くしている
各々の草原・・・・・

433.並んだ
眼下の手元に並んだメタリック
並んだ　並んだ
煙りが浮かんでる
闇の中
空の中
消えて行く　消えて行く
色々　並んでる
並んだ　並んだ・・・・・

432.片翼の天使／夜景
知らない内に数が減っていた
街の夜景はやけに明るかった
幸せがある
孤独がある
そんな風景を全て隠した
夜景があった
軽く振り向いてみた
大地の星々は寒々と
語りかけていた
片翼の天使よ
何処へ行くのかと・・・・・

431.聞き慣れない音
背後から聞き慣れない音が
聞こえていた
いつの間にか忘れていた音
次の瞬間には思い出していた
機械的な音
冷たい音
聞き慣れない音は
記憶と混ざり
聞き慣れた音へと
変化して行った・・・・・