400.赤
赤いランプが点っていた
視線が捕らえていた
いつまでも輝くように思えていた
赤いランプは何も言わない
いつまでも輝くように思えていた
視線をはずした
視界には入っていた
いつしか消えていた
あの 雪のように・・・・・

399.物忘れ
すっかり忘れてた
遠い記憶の中に置き去りにした
瞬間の空間がざわめいていた
あの時の空は まだあるかい
君に忘れ物はないかい
僕は 幼い頃に忘れて来たよ
いつか 思い出せるかな・・・・・

398.道草
あの空の あの雲の向こうに
答えがあった
群れを成して飛んで行く
渡り鳥には友達がいた
僕は見上げていた
渡り鳥を見上げていた
そこに何か見えた
見えた気がするよ・・・・・

397.翼あるもの
僕は探していた
あの頃の感覚を
いつのまにか失っていた
あの感覚を
僕には何も言わなかった
僕は何も知らなかった
多分 何か変わっていた
それは 幼い頃の記憶
封印されし記憶・・・・・

396.U・TSU・RO
再び闇が覆っていた
僕は空を探した
あの時のように
空は見えなかった
水槽の中の人が囁いた
君も来るかい
僕はしばらく考えた
いいよ
僕は もう少し ここにいる
寂しさの中では
寂しさは感じない
楽しさの中にこそ
寂しさがあるんだよ・・・・・

395.片翼の天使/白い影
全てが止まっていたはずだった
全てが微妙にずれているはずだった
形を成しているものには
微妙なずれが生じていた
片翼の天使は時の狭間で
うなだれていた
しばらく休もうか
音のない空間で
スイッチ一つで動き出す街が待っている
全てが凍った街が待っている
戻ろうか
また あの場所へ・・・・・

394.雷
雷が遠くの方で鳴っていた
猫は唸っていた
雷の光が見えた
雨が降り出すと
時間が少しだけ
早くなった 遅くなった
傘の花が咲き出した街は
音を無くして行った・・・・・

393.条件
僕は聞いていた
白の中で白は見えないと
僕は聞いていた
黒の中で黒は見えないと
そうかな
僕は思った
条件さえ揃えば
見えるよ きっと・・・・・

392.二つめの月
太陽と月の間に
二つめの月があった
僕には見えていた
太陽は少し遠離っていた
月は密やかに佇んでいた
二つめの月は
朧げに浮かんでいた
漆黒の闇の中で・・・・・

391.静
なんとなく見つめていた空が
いつの間にか無くなりかけていた
なんとなく見つめていた街が
崩れ出していた
瞳の中
なんとなく忘れていた言葉
思い出そうとしていた
なんとなく忘れていた・・・・・

BACK

GeoCities Japan

メイン / コミュニティ / アベニュー / E-List / 街角広場
インフォメーションセンター / 検索 / ヘルプ / ガイドライン