360.砂時計
時を刻む砂時計が心で回転している
行き 戻り
戻り 行く
砂はどちらへ向かうか悩んでいた
差し伸べた白い指先が消えかかっていた
もう一度 砂時計を返してみた
今度は止まるのか
心の中の砂時計・・・・・

359.夕映えの勲章
見えていたかい あの夕映えが
見えていなかったろう あの夕映えが
今なら見えるかい
今だから見えるだろう
時間は各々の空間で動いていた
いつか重なる時まで
時は各々の空間で生き続けていた
いつか同じ瞬間が来る日まで・・・・・

358.片翼の天使/可能性
空 天高く蒼し
片翼の天使は今日も見上げてる
海 何処までも優しく
片翼の天使は今日も沈んでる
山 力強く佇み
片翼の天使は今日も動けない
川 淀まず流れ
片翼の天使は今日も歌ってる
寂し気な歌を 心で
両翼 可能性 無限大・・・・・

357.時雨
軽い雨が肩をはじいた
昼下がりの時雨
相変わらず 傘は無い
灰色の空が低く見つめていた
ゆっくり歩き出すと
時が追いこして行った
サイレンが遠くに響いていた
ショーウィンドウが笑っていた・・・・・

356.ビーズ
色とりどりのビーズが並んでいた
キラキラ 水面に漂っていた
何処に流れてゆくのか
何処に辿り着くのか
波は銀河のごとく
静かにうねっていた
ビーズは やがて消えてゆく・・・・・

355.黒鳥
湖に黒鳥がいた
白鳥達が笑ってた
黒鳥は いつも独りぼっち
心を持たない黒鳥は
いつも誰かに従っていた
そろそろ飛ばないかい
それとも 沈むかい
波が問い掛けた・・・・・

354.黒炎
明かりが見えていた
街のあちこちに幸せの明かりが点っていた
冬が近付いている
長袖のシャツが寒かった
青 赤 各々の色があった
公園のベンチを見下ろしていた
木々が何か話してる
公園を横切ると
何もかもが変わっていた・・・・・

353.壁の陽射し
白い壁の陽射しに 目を細めていた
乱反射するガラス越しの
刹那な空間に 相対していた
アスファルトの陽炎は
目の前に立ち尽くしていた
風は静かにすり抜けて行った・・・・・

352.太陽の傷
暗闇の中 虚ろに影を見ていた
ほのかな明かりが映っていた
太陽の傷は 軽く刻まれていた
闇の中の ほんのわずかな光が囁いた
君は幸せかと・・・・・

351.海岸
遥かに水平線が見えた
物憂気な夏の日
日射しは照り付けていた
空は何処までも青かった
海の向こうには何かが見えていた
寂しさは箱舟とともに
やって来た・・・・・

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