340.一時停止
赤いランプが点ってた
ビデオデッキが　うまく動作しない
テープが絡んでた
テープを変えた
うまく動作しない
デッキが悪いんだな
デッキが・・・・・

339.赤い火
意味の無い赤い火
動かない　動けない
それでも気にしていた
赤い火
何故だろう
暗闇にモニターだけが
点っていた・・・・・

338.虹
最近　虹を見ていない
いつ頃からだろうか
アスファルトの街並が
支配していた
空は灰色に染まり
わずかな青さえ　届かない
最近　虹を見ていない
七色の虹を・・・・・

337.画用紙
真っ白い画用紙
心にあててみた
真っ白い画用紙
心に敷いてみた
寂しいね・・・・・

336.雨
雨が降っている
ぽつり　ぽつり
灰色の街は　軽く揺らいでいた
ネオンの無い部分は
まるで　何処までも続くかのような
闇だった
地下鉄が街を揺るがしていた
街灯が寂しく独りで
歌ってた・・・・・

335.片翼の天使／鳴き声
誰かが鳴いていた
かすれた声が耳に届いた
片翼の天使は
耳を澄ませていた
一度　一度しか聞こえなかった
探していた
辺りを探していた
見つからなかった・・・・・

334.月曇
オレンジの雲がいた
月の光に照らされて
ほんのわずかに触れている
動かしてみた
雲は首をもたげていた
長くたなびいていた
やがて　深い眠りに付いた・・・・・

333.幻影
ふと見ると黒い犬がいた
いつの間にか
ふと見ると黒い犬は消えていた
鳴いていた
記憶があった
背景は波打っていた
戻らない影
幻影の中・・・・・

332.片翼の天使／城壁
闇夜の月が歌ってる
片翼の天使は耳を澄ませていた
聞こえる
聞こえない
城壁には蔦が絡まっていた
僕に翼があるのなら
僕に力があるのなら
城壁は目の前で
佇んでいた・・・・・

331.凛
白い花が咲いていた
その凛とした姿が目に焼き付いていた
穏やかな　優し気な陽射しが
降り注いでいた
凛とした花は　目に焼き付いていた
その裏の　幼気な花が
心に焼き付いた・・・・・