310.片翼の天使／疑問符
そこに空間があるじゃないか
誰かが　呟いた
それは分からない事さ
どうしてさ
どうしてだろうね
困るよね
困るかな
片翼の天使は　考えていた
空間を使わないのかい・・・・・

309.アンバランス
妙な音が鳴っていた
二回
離した音
置いた音
聞きなれない音だった
不安定な音だった
これ　消えないのかな
試してみた
調べてみた
消えなかった・・・・・

308.WA/KA/RU
涼し気な公園の中　君はいた
僕は何も言えなかった
暑い公園の中　君はいた
僕は嬉しかった
そして　君は
どこにいる・・・・・

307.何も無い影
ここにいた
僕は　ここにいた
何故
わからない
色とりどりの風船が
天を目指して飛んでいた
窓ガラス越し　見つめてた
ビルの谷間に飛んでいた
光を失っていた
影を失っていた・・・・・

306.闇夜の空間
闇夜に輝く星がある
星は優しく輝いていた
自動販売機の影達が
乱雑に飛んでいた
ヘッドライトは空しく響く
テールライトは悲しく歌う
星は何も語りかけなかった
僕は待っていた
ここで・・・・・

305.宝石箱
宝石箱　無くなった
宝石箱　無くなった
何処へ行ったの
いつから
どうして
宝石箱　無くなった
初めから持っていなかったのかもね・・・・・

304.ひまわりのたね
ひまわりのたね　ひとつ
りすが　たべていた
ひまわりのたね　ふたつ
りすが　たべていた
ひまわりのたね　みっつ
りすが　たべていた
ひまわりのたね　いっぱい
りすが　たべていた
ひまわりは　かなしげに
みていた・・・・・

303.回る
目の前で水晶玉が回ってる
ゆらゆら　ゆらゆら
陽射しは乱反射している
昔聞いた　懐かしい音達が蘇る
あの時　僕は何処にいたんだろう
あの時　僕は何をしていたんだろう
扉がゆっくりと開いて行く
向こう側には昔見たはずの
懐かしく　寂しい　記憶が眠っている
少し手を伸ばしてみた・・・・・

302.動けない・・・・・
僕は見ていた
僕は動けなかった
瞳は空を見ていた
こんな　騒がしい街では
何もかも響き過ぎて
僕は動けなかった
動いたと同時に
崩れて行くものに気が付いていたから
僕は動いた
そして崩れて行った
地下鉄の風は・・・・・

301.長さ
長さ
それは微妙に移り変わっていた
短さからの長さ
長さからの長さ
僕がいる所
君がいる所
長さ
どう見る
長さ
どう測る
どこからの長さ・・・・・