280.紅い華
紅い華が水面を乱す
ゆっくり 行き過ぎる 人の波
コンクリートの丘の上
鳩がうずくまり
遠く 遠く
眺めて 泣いていた
何処に行こうか
ゆるい坂の上
ここにおいで
ゆるい空の上
紅い華が流されて
夕日に染まる 海の色
遠く見える 波間には
あの日の記憶だけが
浮かんでる・・・・・

279.流波
流れを持つものは
やがて流れに飲まれるか
やがて流れを支配するか
悲しみの淵には
いくつかの花が咲いていた
流れる 流れる
ゆっくりと ささやかに
いずれ 流れは止まるのだろうか
それとも・・・・・

278.静かな朝
静かな朝には目覚めない
静かな朝には目覚めない
にわとり 鳴こうが
猫が騒ごうが
静かな朝には目覚めない
目覚まし鳴ろうが
ステレオ鳴ろうが
静かな朝には目覚めない
わずかな 心で
目覚めるかもね・・・・・

277.怪奇音
わずかな音の中に
わずかな音が聞こえた
箱の中にうごめいていた
地響きのような音
いつのまにか響いてた
いつまで響くのかわからない
今にも消えそうな音
永遠に続きそうな音
消えては戻り
戻っては消える
わずかな音・・・・・

276.風 舞い散る
坂の向こうに町がみえる
真っ白なガードレールが
瞳に眩しかった
子供達が横を通り過ぎて行く
虫取り網が懐かしかった
麦わら帽子が懐かしかった
子供達は消えていた
ガードレールは消えていた
町が消えていた・・・・・

275.こびん
回ってる回ってる
扉から扉
壁から壁
飛び回る飛び回る
歌ってる
メロディー響いてる
振り向いた 背中
流れてる街
埋もれてる こびん・・・・・

274.炎天下
陽炎がゆらいでいた
夏の昼下がり
湖は涼し気に輝いている
誰かの鐘が聞こえる
さわやかな風が舞っていた
こんな炎天下に
見えなくなった
こんな炎天下に
鐘の音が草原に響いていた
こんな炎天下に
僕は・・・・・

273.銀の橋
ふらら ふらら
銀の橋
渡ってみようか
銀の橋
ふらら ふらら
銀の橋
歩いてみようか
銀の橋
向こう側には
どんな町
こちら側には
どんな町
渡ってみようか
銀の橋
ふらら ふらら
銀の橋・・・・・

272.片翼の天使/召喚
水 水を探してる
海の中 風の中
片翼の天使が休んでる
木々は微笑みかけていた
ガラス玉の瞳が にこりと微笑んだ
鳴いている猫
痩せている猫
片翼の天使は 話し掛けた
逃げて行った 逃げて行った
片翼の天使は 羽を休めていた
いつか 召喚されるまで・・・・・

271.探せない景色
僕の中には 探せない景色がある
遠い記憶の断片に閉じ込められている
僕には見えない景色がある
多分 君には見えているのだろう
電線に鳩が止まっていた
夕日は鮮やかだった
モノクロームの瞳は じっと見た
緩やかな 穏やかな風が吹いていた
僕は 微笑んでみた
少し・・・・・

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