230.改札
いつもの改札に僕はいた
いつもと同じ
いつもと変らない
無造作に切符を流してみる
自動改札は何も言わず
仕事をこなすだけ
立ち止まってみた
人の流れを感じてみた
ほんの少し変った
ほんの少し
違った風景が見えた
僕は安心した・・・・・

229.歪み
いつからだろう 歪んでいたのは
アスファルトには昔見えなかった
陽炎が舞っていた
いつからだろう 歪んでいたのは
グレーの空は 今日も僕に
覆いかぶさっていた
突き抜けるような青い空
砂利道の草の匂い
いつからだろう
幾何学模様の街並
いつからだろう
ガラスだらけの街並
いつからだろう・・・・・

228.音程
君には聞こえているかい
街角の音程
海原の音程
草原の音程
山々の音程
各々に各々の音程があるように
人にも各々の音程がある
僕の音程は君の音程と
重なるのかな・・・・・

227.水面下
ユラユラと
ユラユラと
波紋が広がって行く
ユラユラと
ユラユラと
心が漂っている
水面にはキラキラと光が反射している
湖の岸辺には
名も無き花が咲いている
薄い雲間から太陽が乱反射を従えていた
水面下には・・・・・

226.コントラスト
僕の中には動かない空がある
緑と青のコントラスト
陽射しの中の雨粒のような
光と影のコントラスト
空の上の飛行機雲
深海魚の淋しい夜光灯
細波の微熱
新緑の香り
砂漠のキャラバン
戯れる熱帯魚
緑色の珊瑚礁
僕の中には動かない空がある・・・・・

225.架空の虚空
そこには色とりどりの光が舞っていた
暗闇の中には人間が作り上げた美しさがあった
光の中には人間が作り上げた闇があった
僕は時々 空を見上げる
あの頃と同じ空
あの頃と違う空
変るもの
変らないもの
人間が作り上げた物は美しい様に造ってある
それは人間が作り上げた物だから
本当の美しさは なに
どんな夜景でもかなわない美しさって なに
虚しい空に また人間が造り上げた
帯が浮かんでる
僕は架空の中にいた・・・・・

224.おこりんぼ
街には おこりんぼがいっぱい
ほら 街角に
ほら 駅のホームに
夕暮れの駅にも おこりんぼ
別れを導き出した 恋人達
おこりんぼ
仕事がうまくいかなくて
おこりんぼ
ほら 路上に
ほら ここにも そこにも
おこりんぼ
一人になってごらんよ
おこりんぼも いなくなるよ
どうして おこれるの
考えてみてよ・・・・・

223.片翼の天使/翼
片翼の天使が踊ってる
何もかも隠す様に
片翼の天使が歌ってる
何もかも忘れる様に
片翼の天使は今日もカゴの中
片翼の天使は深海魚
どう思う
べつに どうも思わないよ
あの頃より 少し痛いかな
あの頃より 少し幸せかな
片翼の天使は相変わらず
こんな所にいる・・・・・

222.各々の風景
僕には見えない風景がある
速度
速度の中の 水の中
カラフルな熱帯魚
何処にでもあるような風景
ここにしか無い風景
君には見えている風景がある
僕と違った視点 意見
僕に見える風景
君と同じ風景 違う風景
波の中に漂う 気泡
ユラユラと漂う 静寂
瞬間が瞬間で無い時の瞬間
視線の先にあるべき 無のもの
なんだったのかな・・・・・

221.公園の中の鳩
陽射しが降り注いでいた
生きているのか死んでいるのか
分らない窓
動きが感じられない
全ての時が
各々の人の中で
別々に動いてる
果てしない空間
僕は初めて
そこにいた

僕の中の時はここにあるのか
緑は太陽光線によって
さらなる緑を生み出していた
僕が見上げると 鳩が飛んでいた
僕は挨拶した
一瞬話しかけた
鳩は言った
君の話し相手は僕じゃないはずと・・・・・

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