30.翼
あの時 空に星があった
あの時 澄んだ水は どこまでも 流れていた
緑の木々たちの間で 鳥がさざめいていた
豊かな大地には 平和があふれ
皆が幸せだった
あの時 空には月があった
あの時 海はとめどなく深く 優しかった
イルカたちは うたい あそんでいた
あの時
誰の背中にも翼があった・・・・・
29.紫
紫色が泳いでいる
緑が叫んでいた
水は沸騰しはじめていた
紫は問題を抱えていた
待っているものは 来ない
寒いのかい
紫は色を選んでいる
小さな色々な色は動きはじめていた
紫は緑を選び オレンジは寝ていた
色は色々な動きをしていた
止まる事なく・・・・・
28.夕焼け
空は赤かった
地平線は見えない
作り出された 無機質さは
赤に混ざらなかった
航海は後悔を生んだのだろうか
ただ 風だけが吹いている
空は赤かった
どこまでも 赤かった
一筋の雲が 白くたなびいていた
雲は赤に混ざっていた・・・・・
27.MISS
それは 突然現われた
1人の男が叫んでいた
渦まいていたのは 逃れる言葉か 戦う意志か
男に近づいた
瞳は天を仰いでいた
指は数字を追っている
男は 何も言わず 黙って こちらを見ていた
漆黒の闇の中に 真紅の星がまたたいていた
そして けたたましく ベルが鳴り
男は去った・・・・・
26.月
月がでていた
ぼんやり ぼんやり
月を見ていた
ぼんやり ぼんやり
人は流れていた
僕は止まっていた
白い月は 何も言わなかった
僕も 何も言わなかった
月がでていた
ぼんやり ぼんやり・・・・・
25.SABAKU
茶色い砂が波うっている
細長い植物は 黄色に染まっていた
太陽は いつも真上にある
砂はいつ消えるのだろう
砂が消えてしまうと 植物も消えてしまう
毎日 砂は入れ替えられ
植物は ある一定の法則に従い 色や形を変えていく
砂は植物が消えてからも そこにある
共存していない 共存が そこにある・・・・・
24.羅列
青い箱が並んでいた
小さな小さな箱
開けてみようか
中には 数字が入っていた
色が塗ってあった
数字は バラバラに並んでいた
出してみようか
箱の中から 数字を取り出すと
ちょっと泳いで止まった
なんだろう
数字は僕に語りかけていた
なんだろう
数字は寂しそうだった・・・・・
23.矛盾な色
色々な色の球があった
誰かが僕に話しかけていた
そこの透明な球を取ってくれないか
透明な球だね
そう 透明な球だよ
僕は透明な球を探した
何をしているんだい
探してるのさ
ほら 目の前にある 透明なビニールのだよ
これが 透明なのかい
透明じゃないか
僕は こう言った
君には透明が見えるのかい・・・・・
22.if...
雲が低く明るかった
自動販売機でコーヒーを買った
もしも 君が隣にいるのなら何を買うのだろう
月の光りが包んでいた
細く長い光りは 僕に 君に 降り注いでいた
街はテールで溢れていた
クラクションは闇を切り裂いていた
泳いでいる 泳いでいる
色々な色の魚たちが
もしも 君の笑顔が雲に隠れているのなら
僕は翼を広げて君の元へ 飛んでいこう．．．．．
21.君がいる景色
あの時 君がいた
僕は はしゃいでいた
そして 今 君は ここにいる
言葉は いらない
あの時の君と 今の君と
景色は君と同化して
景色いろの君と
君色の景色と
両方が両方を引き立てていた
あの場所の思い出は
君と共にある
風がふいていた
そして 明日の君が ここにいる．．．．．
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