190.珊瑚礁
薄紅の君がいた
木枯らしの中
僕は止まっていた
ホームに電車が入って来る
轟音の中に君はいた
街の中に君はいた
人々は同じ方向に歩いていく
君は一人
今も一人
別の方向を向いている
僕は君を見ていた
珊瑚礁はいつまでも
漂っていた・・・・・

189.タイトル
タイトルが思い付かないね
良いんじゃない
タイトルが思い付かないよ
良いと思うけど
物事にタイトルを付けるのは 難しい事だよ
なんにしてもね・・・・・

188.光の雨
人々の上に降りしきる光の雨
今夜いくつの願いごとが叶えられる
一瞬の輝きに どれほどの願いを託すのか
そして たてがみをなびかせた獅子は
どれほどの願いを受け入れるのか
僕の願いは
再び来ておくれ
獅子座流星群よ・・・・・

187.Hi/To/Ri/Go/To
一人の男性が
黒いスーツの男性が
かん高い声を上げて なにか叫んでいる
僕には判らない
皆には分かっているのだろうか
ブラウン官は いつも独り言
鏡はいつも真似事
黒いスーツの男性は僕を指さして
何か言っている
僕には判らない
字を読むのかい
字を見るのかい
電柱は今日も何も言わなかった
ただ淋しそうに僕を見下ろしていた
僕が見上げると 少しだけ手を振った
いつに間にか
黒いスーツの男性は消えていた
ブラウン官は いつも独り言・・・・・

186.無限
必ず そこにあるもの
絶対 そこにはあり得ないもの
そんな言葉をくり返す
あり得る あり得ない
無限は最大なるゼロであり
ゼロはまた 最大なる無限である
僕が言う
空間はどうなっている
空間は何処へ繋がっている
君の空間は
例えば 二人が同じ空間
同じ時間
そして 隣にいても
二人の空間が同じとは限らない
感覚
見えているものを信じるのかい
見えないものは信じないのかい
だったら愛は信じないよね
見えないものすら壊れる時代
君の中の無限は何を見ている
無限はそこにある
ほら わかるでしょう・・・・・

185.城の兵隊
城の兵隊がこちらを見ている
眼差しは真直ぐに僕に注がれていた
逃げ出す
逃げ込む
向きを変える
兵隊は追っては来ない
城から動けないのだろう
僕は城には入れない
兵隊を動かさないと
兵隊を・・・・・

184.独り
緑の洋服のピエロが独り
時計をぶらさげている
時計の歯車は急ぎ足で動いている
右 左
行く 戻る
ピエロは気ままに歯車を回している
宙に浮かんだ様々な色は
やがて 一つになるのだろうか
数字は進んで行く
最果ては まだ見えない・・・・・

183.ねぇ
ねぇ 僕と君が逢ったのはいつだっけ
ねぇ 君と初めてお話したのはいつだっけ
ねぇ 僕と君が出会ったのは偶然かな
ねぇ 君と僕が出会う確立っていくつだと思う
ねぇ 時代 時間 地球上の人 考えると
ねぇ 凄い確立だよね
ねぇ だから何でも相談してよ
ねぇ だから いつでも相談してよ
ねぇ くだらない事なんてないよ
ねぇ 一緒に考えるからさ
ねぇ いつでも言ってよ
ねぇ・・・・・

182.赤い家
赤い家が 3つあった
赤い家は 3階建て
赤い家は 今にも崩れそう
赤い家には 入り口が無い
赤い家には 出口が無い
赤い家は 白い窓
赤い家は 白い線
赤い家は 淋しそう
赤い家は・・・・・

181.波音
僕は波の音の中にいた
囁くような
ざわめくような
僕は波の音の中にたたずんでいた
橙色の 赤の
何処ででも聞こえるような
波の音
何処にも無い
波の音
街の騒音にかき消される
波の音
しばらく 歩こう
木々達の波の音を聞きながら・・・・・

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