180.炎
各々の色がある様に
各々に各々の宇宙があるように
星々は語り合い 輝き合い
いつしか消え行く
街の人ごみの中
ゆらゆらと彷徨い
ゆらゆらと彷徨う
行き先は
車掌が聞いた
ちょっと休んだら
信号機が囁いた
聞いていない
聞こえない
花々は燃えていた
空は燃えていた
炎は いつしか消えていた・・・・・

179.モノクローム
モノクローム
この詩って 前に書かなかったかな
誰かが囁いていた
別にタイトルが重なるのは
良いと想うけど
そうかな
紛らわしくなると想うけど
そうかな
紛らわしいと想うから
紛らわしいんだと想うけど
大体 モノクロームって何さ
白黒でしょう
どうかな
僕の中のモノクロームは
セピアに近いかもね・・・・・

178.ヒレ
大きな黄色いヒレが手招きしていた
瞳が輝いている
僕は見た事も無い ヒレの前にいた
その深海魚のような不思議な形を見ていた
何となく気になっていた
そして勘違いしていた
全てを手に入れると
全てが崩れる事を知った
その事を知っていたかの様に
ヒレは走り去った
そう 僕は間違っていた・・・・・

177.2
小さな猫がいた
雨の中に
どうしたんだろう
誰が捨てたのだろう
名前はあるのかな
小さな猫はダンボ−ルの中で
うずくまっている
かたわらのメモには 走り書きがあった
小さな猫は僕に気が付くと
僕の名を呼んだ
嬉しそうに
とても 嬉しそうに
どうしてなんだろう
君を捨てたのは
人間なのに・・・・・

176.透明な陽射し
灯が点っていた
昼間に灯台の灯が見えた
白い闇の中 行き場を無くした船が彷徨っている
小さな光は暗闇の中の
さらに小さな光を捕らえていた
矢印はいつも下を向いていた
繋がる無数の四角が
無限の形を生み出していた
やがて 小さな光は
光を失う・・・・・

175.宇宙の涙
暗闇の中に 深海魚の光が
淋し気に輝いていた
大きな獅子は そこにいるべくして いた
まさに 百獣の王といった風格だった
赤い閃光を放つ星は サソリの心臓を意味していた
乙女は琴を奏で
オリオンはアルテミスに 恋をして
ペガサスはアポロンの名に従い
アクエリアスは水瓶を抱いていた
そして 一瞬
宇宙の涙が輝いた・・・・・

174.夕雲
横たわる 不安定な雲が遠くにたなびいている
夕暮れの 不安定な時刻の雲は
オレンジに ムラサキに
色や形を変えてゆく
まるで川の流れのような
いや それよりもっとゆっくり
空に溶け込んで行くようだった
淋し気な鳥たちは
今日も巣へ戻ってゆく
僕は窓越しに流れる風景を
流れのまま見つめていた・・・・・

173.風景
電光掲示板が 闇の中に
悲しく輝いている
列車は音も無く 駆け抜けてゆく
灰色の人々は 瞳を動かさない
マネキンに心があった
信号は見る度に 顔色を変えていた
横断歩道はつり橋に変わる
冒険者は落ちている
クラクションは無意味な響きを
奏でていた
カモメは涼し気に飛んでゆく
僕は 振り返った・・・・・

172.坂
あの時 陽炎の向こうに見えたのは
確かに君だった
白いワンピースにスニーカー
麦わら帽子をかぶっていた
空にはぽっかりと雲が浮かんでいた
かすかに海の香りがしていた
蝉が鳴いていた
さわやかな君の微笑みは
僕の空間の時を一瞬止める
あの時 陽炎の向こうに見えたのは
確かに君だった
手を振る君だった・・・・・

171.蒼い炎の道標
遠くに 遥か遠くに
人々は立っていた
眼下に 遥か眼下に
鏡達が並んでいた
複数の炎の中から 選んだのは
道標を示す道標だった
白い 遥かに白い青
雄叫びは やがて静寂へと変る
その時 本当の道標が僕には見えるだろうか
永遠への道標が・・・・・

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