160.霧雨
紫の街に 霧雨が降り始めていた
ふと 足をとめる僕
ふと 足を早める人
わずかな木の葉から雫が揺れる
足を止めたものにしかわからない
光景がそこにあった
緑の 遥かに緑の
繊細な 遥かに繊細な
時は 僕に何を語っているのか
雲間から 光がのぞき始めた
雫はいっせいに輝き出す
光が話し掛ける
ありがとう・・・・・

159.レースのカーテン
それは時とともにやって来た
白いカーテンが揺れていた
数頭の馬はメリーゴーランドの輝きに
舞っていた
光は遠く
カーテンのすき間からもれていた
黄金のメリーゴーランドが
待っている
黒い瞳の娘が歌っていた
白いカーテンとメリーゴーランド・・・・・

158.窓枠
外を見ていた 電車の中から
外を見ていた
空を見ていた 小さな空を
四角い空を
淋しい顔をした 仮面の男性がいた
続く 続かない
続く 続かない
遠い空は 小さな 僕を見ていた
僕は 小さな空を見ていた
オレンジだった・・・・・

157.ささやきの合間
ささやきの ささやきの
空間の合間に
星が輝き またたく
さざなみの ゆらめきは
宝石のように
手のひらの 涙は いつしか
水晶のように
変わり 変らず
そこにあった
ささやきの合間に・・・・・

156.一瞬の雷鳴
悲しみよ ここへおいで
淋しさよ ここへおいで
君の傍にいるから
あどけない仕草に
心を盗まれ
君は 何処にいるの
僕の心の草原は
今でも緑に輝いている
いつしか 旅人は雲を渡り
永遠を見つけるのだろうか
一瞬の雷鳴は はかなく淋しく
でも
君の悲しみよ ここへおいで
君の淋しさよ ここへおいで
僕の傍においで・・・・・

155.夜
夜は夜
刻む針は 幻想の世界を映し出し
夢は夢
眠りを忘れ 彷徨う
再び会う時まで
悪魔と天使を誘う
赤い月は 雲間に
赤い風は 唇に
輝きは輝きのまま
きらめきはきらめきのまま
またたく・・・・・

154.獣達の宴
永遠なる 草原で
獣達が意気揚々としていた
僕は遠くから その光景を見ていた
草原の陽炎がゆっくりと立ちこめている
女神達は 上空から
その光景を見ていた
ほんのわずかな休息は
獣達の宴に水もさせなかった
再び宴が始まる
僕は いつしか眠っていた・・・・・

153.同じ・・・・
いつもと同じ
誰もいない部屋でモニターと会話していた
渇いていたけど
楽しく過ごせた
ギターの音色は 淋しく奏で
時を刻む針は 心の鼓動を
かき消した
もしも 僕の
ほんの少しでも
君がいるならば
僕は 何を求め
何を壊すのだろうか
書きなぐった文字は
あの頃と同じ
好き・・・・・

152.探し物
誰かが呟いていた
僕は探してみた
見つからなかった
どうでも良い様なもの
どうでも良く無いもの
僕にとっては どちらなのか
僕にとっては 探すべきものなのか
考えていた
ふと
考えていた
いつしか 埋まっていた・・・・・

151.鋼鉄の狼
炎は天高く舞い上がり
地は割れ 木々は震え上がっていた
戦火の静けさは 心の奥底にあった
誰もいない静かな道に
今 新たなる鼓動が始まっていた
真紅の馬は 鋼鉄の狼を
鋼鉄の狼は 真紅の馬を
それぞれライバルだと考えていた
そして 伝説が始まる・・・・・

BACK

GeoCities Japan

メイン / コミュニティ / アベニュー / E-List / 街角広場
インフォメーションセンター / 検索 / ヘルプ / ガイドライン