150.雨
雨が降り出した
見上げる瞳に降り注いでいる
雨が降り出した
見つめる先には君がいた
傘をさしていた
雨は街灯に いくつかの水晶を作り出してゆく
雨が降り出した
見つめる瞳に
雨が降り出した
見上げたビルに
雨が降り出した
僕の瞳に・・・・・

149.水色の炎
薄暗い湖のほとりに 彼は立っていた
水色の炎が立ちこめていた
灰色の雲は 時を待っていた
森は何処までも緑に 生きていた
二匹の蛇が手を振っていた
彼は独りで 歌っていた
いつでも
いつまでも
水色の炎が立ちこめていた・・・・・

148.遥かなる闇
仮面をつけたピエロが踊っていた
草原は森となり山となった
一人の戦士がピエロに問いかけていた
ピエロは黙ったまま 指さした
遥かなる光の中に闇があった
戦士は それ以上何も言わなかった
ピエロは独りで踊っていた
戦士は寂しく見つめていた
いつの間にか 海になっていた・・・・・

147.残り・・・・・
残りが少なくなって来た
残り香が まだ残っていた
誰もいない空間に
僕は いつも待っていた
来るはずのない空を
来るはずのない物を
来るはずのない夢を
来るはずのない翼を
来るはずのない時を
来るはずのない影を
来るはずのない雲を
来るはずのない水を
来てほしい君を・・・・・

146.架空の道
いくつかの星が一箇所に集まっていた
星々は各々の輝きを持っていた
各々は各々が一番であるかのごとく
輝き 競っていた
刻は止りもせず ゆっくりと流れていた
波のゆらぎのような
川の流れのような
各々の光は さらなる光を求めていた
山の頂上は静かに待っていた
そして 瞬間が始まる・・・・・

145.空駆けるもの
軽いめまいの中 記憶していない記憶が蘇る
人は昔 その背中に翼があったらしい
そんな話を思い出した
誰からともなく聞いた話だった
いつの間にか 無くした翼は
静かに羽ばたき始めていた
天空に向け 羽ばたき出した
翼 記憶 幻想 夢・・・・・

144.陽射し
春の暖かな陽射しが 緩やかに弧を描いていた
湖の影が ふわりと音もたてずに 揺らいでいた
青は いつまでも青く
静かにたたずんでいた
鳥はゆっくりと 空を舞っている
僕は誰かの呼ぶ声に 振り向いた
草原が広がっていた・・・・・

143.龍が呼ぶ日
たまには空でも飛ぼうか
片翼の天使が言った
僕は うん と答えた
でも うまく飛べるかな
片翼の天使が心配そうに
空をみつめていた
そうだね
僕も心配して 空を見上げた
何かが足りない時に
何かが足りた時に
何かが足りなくなる
何かが足りる
そして 僕達を呼んでいた龍がいた
知らないはずの 名を呼んでいた・・・・・

142.眠る星
茜色の深く眠りについた その星は そっと
ため息をついた僕に話しかけていた
刻はさんざめいた波のように
宇宙の道標を 歌っていた
心の奥の砂漠に埋もれた優しさは
人が思い出を埋めて行った 記憶の断片なのだろうか
再び戻る時 この眠る星は 封印を解き
僕に微笑むのだろうか・・・・・

141.孤独
白い風の中 暗い闇の中
さわやかな朝の光
涼し気な月の雲間
交差点のざわめき
踏み切りの音
誰かのクラクション
ビルの窓明かり
孤独・・・・・

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