140.絡まった糸
普通に暮らしていると
一時期 普通が難しく感じないかい
普通
余りにも単純である この言葉は
無限大の複雑さを持っている
少しでも考えれば
それは無機質のなかに 曖昧さを生んだように
絵の具が重なり合ってゆくように
銀河は 今でも絡まった糸を
解こうとしていた・・・・・

139.何気ない・・・・・
何気ない日々と
何気ない会話
歩んでいた
何気ない陽射しに
何気ない風
たたずんでいた
何気ない風景は
何気なく
そこにあった
何気ない記憶は
何気なく
優しかった・・・・・

139.騒音の消音
部屋の中に いくつもの音が散乱していた
それは 自分が発生させているものであった
そこには 騒音の定義は無かった
いろいろに混ざった音は
いろいろに伝えていた
優しく 厳しく 悲しく 寂しく
音は重なりあっていた
思い出のなかの思い出す記憶のように
そう あの時のように・・・・・

138.アスファルト
アスファルトの向こうに 陽炎が揺れていた
黄色い蝶が 踊っていた
排気ガスが立ちこめていた
タバコの火は徐々に上ってくる
太陽は いつまでも僕達を照らしていた
アスファルトを焼き尽くさんとする輝きで
麦わら帽子の子供が 虫取りあみを片手に走ってゆく
太陽に目を細めた僕がいた・・・・・

137.モノクロ
二人の人が座っていた
どうやら友人らしい
白と黒
各々が同じ様なジャケットを着ていた
モノクロ
そんな言葉が浮かんだ瞬間に
街のパステル カラフルが飛び込んで来た
落ち着いた とても落ち着いた二人は
何処へ行ったのだろう
いつの間にか風だけが吹いていた・・・・・

136.空き缶
風の中を空き缶が泣きながら走っていた
車道には車が終わる事無く繋がっていた
僕は しばらく空き缶を眺めていた
空き缶は泣きながら走っていた
意志を持たないものに意志を与えるならば
それは 無意識の中の封じられた存在が示す所なのだろうか
空き缶は風に流されていた
風は無意識の中の意識を
呼び出そうとしていた・・・・・

135.ブルーインパクト
そこには無意味な空間が漂っていた
無数の光は 無数の心を導いていた
空は青く 白い筋が幾重にも重なり
何かを伝えようとしていた
心が動き出す瞬間の微妙なささやきが
全てを見透し せせら笑っていた
青白い炎は いつまでも そこにあるとさえ感じていた
いつの間に無くしたのだろう
ブルーインパクト・・・・・

134.刃
天使は羽を傷めていた
何処へ行こうとしていたのか
僕には届かなかった
花は色とりどりに咲いていた
天使は立ち上がると 天を見つめていた
声をかけた僕の言葉は
無意味なものだった
そして・・・・・

133.何処へ・・・・・
何処へ行くのか
何処へ行こうとしていたのか
今となっては 分らないであろう
流れのままに
流れの中に
呟いた・・・・・
何処へ・・・・・

132.飛行機雲
青の中に 一筋の飛行機雲が浮いていた
僕は しばらく立ち止まり ながめていた
ふと 幼い頃の記憶が蘇った
空って こんなに狭かったかな
空って こんなに低かったかな
空って こんなにグレーだったかな
僕は 陽射しに目を細めながら
あの頃の空を探していた
かすかにジェットエンジンの音だけが
聴こえていた・・・・・

131.ブラウンカンのウサギ
ウサギが跳ねていた
ブラウンカンの中で
ウサギが跳ねていた
白い中で
頬はピンクに染まっていた
誰に恋しているの
誰が好きなの
ウサギは答えずに跳ねていた
雪の中を 跳ね回っていた
僕は 黙って その姿を見ていた
春よ 今暫く・・・・・

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