130.ユニコーンへ
ユニコーンには 人を幸せにする力がある
神秘的な風格に 悲しい運命
おおらかな心に ゆるやかな瞳
ユニコーンは 幸せになった人の傍にはいられない
不幸な人を 探すから
ユニコーンよ
僕は君といるのが 幸せなんだよ
ユニコーンよ
僕が そう言ったら 君は困るんだろうね
ユニコーンよ・・・・・

129.紫
紫の夕闇がせまっていた
電車の窓の瞳に映っていた
僕は空を見つめていた
風の気持ち良い午後は
自転車のペダルも軽く感じた
そろそろ春が来る
君と 出会った春が・・・・・

128.黒猫
今日も黒猫がみていた
小さな声に 小さな瞳で
黒猫は 皆から愛されない
いつからか不吉な前触れとされてしまったから
でも 誰が決めたんだい
誰が言ったんだい
人間の言葉を話せないものに
そんな掟をなすりつけたのは 誰なんだい
黒猫は僕に言った
淋しいよ・・・・・

127.無造作の中の偶然
気がつけば いつから僕はここにいるのだろう
昔からいたようにも ついさっきからのようにも感じる
孤独の連鎖反応が さらなる連鎖を生んでゆく
君は まだ元気かい
僕は なんとなく元気だよ
花は無造作に並んでいた
出会いは 低い確立の偶然を生んだ
翼は・・・・・

126.狭間
朝靄の中に 僕はいた
始発電車がホームに入って来る
昼間よりも 大きく聞こえるはずの音は
逆に小さく感じた
雨が降り始めているせいなのか
空間は その狭間に音を吸収しているかのようだった
僕は電車に乗った
時間と空間の狭間に・・・・・

125.連なる
橋の上に人々が並んでいた
各々に行き先を抱えていた
僕はビルの窓から見つめていた
色の群れが
まるでパズルのピースのようだった
流れてゆく 時間は
この瞬間の時間は
この瞬間にしか 存在していなかった
僕もピースになるかな・・・・・

124.静かな騒音
それは月明かりだった
それは 乱反射していた
無意識の中の意識に
何かが舞い降りた
音もたてずに
月明かりの闇は
闇の中に闇を映していた
やがて 来るであろう
静かな騒音が・・・・・

123.SMSSNMGM
壁に落書きがあった
SMSSNMGM
僕には分からない何かが そこに存在していた
僕がそれを口にすると 誰かが肩に触れた気がした
懐かしさの中に 淋しさがあり
淋しさの中に 色があった
全ての色が まとまると
1つの色が生まれた
僕は落書きを読んでいた
S M S S N M G M・・・・・

122.星屑の歌が聴こえる
哀しみの橋を渡りきった時
僕は振り向いた
向こう側には 渡れずに
戸惑っている 僕がいた
封印された光は 光を切り裂いてゆく
いつの頃からか 橋が増えていった
星屑はなにも言わず 歌っていた
また ここにも橋があった
今度は どうやって渡ろうか・・・・・

121.勇気よ・・・・・
僕は ここにいる
あの日と同じように
僕は ここにいる
訳も無く
霧雨がまとわりつくように 降っている
霧雨が 音もなく降っている
テールランプは遠くに 音もなく流れていた
闇のなかの 輝きのなかに溶け込んでいった
君が振り向くのなら
勇気よ・・・・・

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