■嫁に行くということ2■

 

 同棲生活も3年目に突入。新しく越してきたアパートは前の家とは比べ物にならないくらい住み心

地がよい。日中は日がさんさんと照り、風通しも最高。夜も騒音が聞こえずに快適だ。洗面所やキ

ッチンに窓がないのは痛いが、3DKで7万しない。なによりも何かとつけて文句を言ってきた隣の

クソジジィが居ないのだ!ここならずっと暮らしても大丈夫。

 あれよあれよという間に親同士の話し合いで結婚式の日取りからなんやら全て決まってしまった

私なんて旦那からのプロポーズの言葉すら聞いていない!なんとなく、そろそろどうでしょう?って

ことになって、はっきり言って私はかなり動揺した。そう、あの旦那の親戚たちと一生付き合わなけ

ればならないのだ!まだ23歳、されど23歳。友達で結婚しているのはホンの一握り、遊びたい盛

りなのに、私はもう恐怖の親戚付き合いをしなければならんなんてぇ〜!それでのまだしたくないと

と言えず結婚。式も親戚だけの簡単なもので、新婚旅行なんてものには行かない。何も変わらない

生活が待っている。

 結婚して間もなく旦那の祖母が他界。葬式は私にとって最初の試練だ。あったことも無かったオバ

サンたちにペコペコし、お茶くみマシーンと化し、愛想を振り撒く。

一番の問題は私たちと風習が違うということ。

そう、旦那の家系は朝鮮の血をひいている。旦那の両親も無くなった祖母も朝鮮人、勿論旦那も。

国籍は結婚する前に変えたのだが、冠婚葬祭は全て向こうのやり方だ。私には理解できない・・・。男

はそういうときは一切手伝いをしない。座って女が世話しなく動いているのをみているだけなんだ。料

理ももちろん向こうの伝統料理?みたいなので、辛いもの苦手な私には合わない。

もう、本当に地獄。告別式のあった日の晩、私は耐え切れなくなってこっそり外で泣きました。旦那に

は夜風に当たってくると言って・・・・・。30分も外をうろついて帰宅。旦那は何も疑いもせず、遅かった

ねと一言。皆で昔の写真みて盛り上がってたらしく、私のことなんて何も気にかけてはくれなかった。

 中に入れない疎外感・・・・・・これからも続くという絶望の幕開け。

 

嫁に行くって何だ?

自分の家族まで蔑ろにしなきゃならんのか?会いたいときに会っちゃ行けないのか?

何かあれば長男の嫁だからって、言われる。

嫁、嫁、嫁って!あたしゃ、嫁に行ったのじゃない、期待されても困る。お義母様はそういうことを口に出して

言うことは無いけれど、周りの圧力は大きい。子供だって私の子になるんだあって後継ぎではない。けして、

墓守なんかにはさせない。絶対に、だ。

 

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