臨終の詩 (2003/03/29 YOSHIKI)
人は死ぬ間際になると

不思議な美しいものを見る。

宝石のように輝くコップや

金色に映えるベッドカバー。



人は死ぬ間際になると

不思議なこの世の風景を見る。

明滅する光の微粒子で出来た街角や

道を行き交う人々の神よりも神々しい姿。



身体の中を吹き上げる

激しい風の音を聞きながら、

人は天の高みに上って行き、

この世が実は天国であったことを知って愕然とする。



そして永い間この世を蔑ろにし、

自分を蔑ろにしてきたことを後悔する。

人生は卑俗な営みではない。

それは聖なる生業である。



人は死ぬ間際になって初めて知る。

天国に行くのに何も死ぬ必要はない。

天国は何処か遠い空の彼方にあるのではない。

目を覚ましてよく見てごらん、

ほら天国は今此処に在る。

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