あの木 (2003/01/05 by 未夜)
大地と草原の中で
ひとり立ってる木

ぼくが子供の頃から
ずぅっと立ってる木

夏になったら木陰で眠り
秋になったら焼き芋やって
冬になったら鎌倉つくり
春になったらお花見してた

あの団子の味・・・



太陽と大気の中で
風に揺られてる木

何年か知らないのだけど
けっこうでっかい木

夏になったら葉をしげらせて
秋になったら色づかせ
冬になったらツリーになって
春になったら新芽と花の・・
あの匂い・・・



遠い日のあの日のように
そこに立ってる木

たくさんの子供が遊んでる
あの日と同じ時間(トキ)

あの時ぼくは恋をしてた
故郷を離れるあの頃に
ぼくはここで花を散らせた
満開の桜の下で・・・
失恋の匂い・・・



大地と草原の中で
ひとり立ってる木

ただいまと言って幹撫でた
ぼくの大きな手

夏になったら木陰で眠ろう
秋になったら家族で焼き芋
冬になったら雪だるまつくり
春になったらお花見しよう

故郷のあの木

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