全てを拒否して自分を守ろうとした始まり



揺れる電車と、沈黙
私が笑顔で、どんなに口を開いても
君は下を向いているだけだった

君と私の間には、絆なんてなかったのだろうか
今にも溢れそうな涙。
必死に堪える私を
心配そうに見つめる乗客のひとり。

大丈夫。

この人たちが表参道で降りるまで、
私は我慢できるから


ドアが閉まって
すぐに、震えだした手と、漏れそうな嗚咽

近くにいたもうあいさつもしない先輩に

泣きつきたかった


そのまま。

そのまま。

視野がだんだんせまくなって
かすんでゆく景色は

私をなぐさめてはくれなかった



2000年、11月



全てを拒否して自分を守ろうとした始まり@琉紗

2003.7.24*

詩じゃなくて文章だったのをリメイク。

実話ですね、いたーいいたーい。
今の自分なら、登校拒否予備軍になるほど傷つかなかったなぁ。だって、あの人とはその程度の仲だったし。
だけどそれ以来、沈黙と電車の音は特別なものになった。あのことがなかったら今の自分にはならなかったし。そう思っても、あの傷はなかなか消えないなぁ。あの人を見ると、全身が拒否する。なんだかんだ、十代の間は忘れられない傷だと思う。






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