gentle flow
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耐えることのできる人間になる、
自分の力この手でできること以外になにも望むことのない、
表現を必要としない、
生きる、過ぎる、終わる、
まだ終わらない
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青く青く、覚めるような藍色のそらは
いつもより遠くて、どこか他人行儀だった。
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楽しい。
夕方の、熱の名残の中を自転車で行く。
風は生き物の体の温度で、ぬるぬるとすり抜ける。
本当に真っ白に燃えた雲、その縁どりからのぞく太陽。
もしかして、本当に?
私は私だけで、きっと、本当に
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閉じ込まれていた、
空が曇っていたって眩しかった。
体の毛穴から私の中にうねりこんで来た、ひかり
吹き荒れる木々、
散り散りに飛ばされていく緑色のはっぱ
水いっぱいの空気、
口に含むと空気はほんのりと甘い
台風が来る
これからもこれからも
見えるものが減っていくのだと知っている
生まれ出でた時からこの土を踏みしめる今まで
零れ落ちて風化された沢山の私を思う
人間に生まれた、願う、人間に愛されたい
全てが欲しい、緑色のはっぱをあつめて
腕を広げて大気をかき抱く
雨粒は私の体に吸い込まれる
ひどくつまらない、時々苦しい、たまに
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孤独ははまだら模様の炎。
橙色の揺らめきと黒色の煤がうねる、
うねる炎の渦の中で苦しみとさようならを知る。
炎は消えた、悲しみは手放された、
消えたまだら模様の炎は、孤独。
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