瀬戸内寂聴 現代語訳による白石加代子の「源氏物語」 
   
   
 ・・行ってまいりました7月10日、瀬戸内寂聴原作
 白石加代子の「源氏物語」第二夜「須磨・明石」。
 なんで第二夜のみなのかといいますと、前日の「六条」の回は
 体調不良が原因でどうしても行けなかった為・・。
 ああ、六条なんて白石さんの真骨頂じゃないか・・・とどれだけ悔し涙に
 くれたことか。ファン失格だおれは・・・(泣)

 言い訳はこのへんにしておいて・・・
 いやーさすが白石さん!(&鴨下さん笹部さん!)
 百物語の番外編と位置付けられているようなこの公演、
 普通朗読劇で「源氏」となるとイコール睡魔との戦いみたいになりますが、
 ところがどっこい、やっぱりやってくれた・・
 なんてったって、源氏でこんなに笑わせてもらえるとは・・・思わなかったよ。
 私は瀬戸内訳の源氏を読んだことはないのですが、多分そちらの方も
 上品かつユーモアもある文章なんでしょう、きっと。
 頭中将との関係性を笑いに持っていっていたのが面白かった。
 (原作でもそれは若干あるのかな?)
 明石の、緊張感のある場面ではきっちりしめて、笑えるところはわらかすという
 緩急も心地よく。しめるところは白石さん、
 ビリッ・・と空気が緊張するような感じで場面を転換させます。
 いつもの如く、この、舞台上の空気を一変させる気迫にも似た・・なにか。
 鮮やかでいつも唸ってしまいます。
 源氏の朗読劇でこれだけ「動き」のある舞台もあまりないでしょう。

 演出の鴨下さんが言ってらっしゃったのが、
 「朗読こそが、源氏を演じるのに一番適した手段かもしれない」
 ということなんですが、これは、今回の舞台を見る限りでは頷ける話です。
 とにかく、百物語とスタイルは同じくしつつまた違ったアプローチをとっている
 この公演、・・・・続きます!乞うご期待って感じです!
 もうこれは見にいくしかないっす。新しい源氏がみれます。

 追記:今回、漢詩を引用して、源氏に白楽天の詩がどのように影響しているかを
 わかるようにする仕掛け・・をしてある、と鴨下さん仰られてたんですが・・
 あほな私にはわからんかったという・・がくっ・・(泣)

 2002.07.27

 

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