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Book Review

ここでは、シュンが何気に書評のようなものを紹介します。
でも、あまり当てにはならないかも(^^;





霧のむこうの不思議な町
著者
柏葉幸子
出版
講談社
これまた古い作品で申し訳ないです。
初版は確か1975年ですね。
でもこちらはわりと入手しやすい……ハズ(^^;
私が知ったのは、つい5、6年前ですしね。
あらすじはリナという少女が、父親の勧めで不思議な町の屋敷
に下宿する事になり、愉快で不思議な住人と暮らし、様々な体
験を経て帰っていくというもの。
……最近あった「千と千尋の神隠し」に似てる?
と思ったら宮崎監督もこの作品をご存知で言及してましたね。
聞くところによると、スタジオジブリの作品「耳をすませば」
にこの本が登場したとかしないとか。
私は真相を知らないのでご存知の方は教えてね!



武将列伝 全六巻
著者
海音寺潮五郎
出版
文芸春秋
海音寺潮五郎氏は歴史小説というより史伝の大家で、司馬遼太
郎氏以前の大作家…と私が勝手に思ってる方です。
内容は云わば古今の武将に対するエッセイみたいなものです。
僭越な表現をすれば、私の「古今名将録」に似た感じかな。
私の拙作と引比べるなんて、本当に恐れ多いですけど(^^;
紹介される武将の幅は広く「平将門」から下って「西郷隆盛」
あたりまで、非常に詳しく書かれています。
海音寺潮五郎氏は非常に広範な知識を有していらして、日本史
のみならず中国史にまで詳しく、数々の秀逸な作品を残してお
られます。
ちなみに司馬遼太郎氏との対談などもしてましたね。
歴史好きには何をおいてもお勧めします(^^)
ただ、もう二十数年前に亡くなられた方の作品なので、大きな
書店でないと見つからないかも知れません。
ただ最近短編を集めた物が出版されましたので、あるいは今だ
と見つけやすいかも?



星界の紋章Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ
著者
森岡浩之
出版
早川書房
近年話題になったスペースオペラです。
恐らくご存知の方も多いと思いますが、人間社会の半数を占め
る大帝国の王女と、しがない少年の小さな冒険ドラマです。
続編に「星界の戦旗」というものがありますが、私はこちらの
方が好きですね。
実は私がこの作品を知ったのはTVアニメの方が先なんです。
読んだのは原作のほうが先なんですが。
どういう事かというと作品の存在自体を知ったのはアニメ(ビ
デオ版)の宣伝だったんですよ。
それで興味を持ってまず原作から読んだ……と。
アニメの方はつまらなくはないという程度でしたね。
私的にですけど。
これはSFファンじゃなくても楽しめますので、ご興味があれ
ば是非どうぞ(^^)



友情
著者
武者小路実篤
出版
岩波書店
うーんと、時には文学作品も入れようかなと思って、よりにも
よってコレです。概略は青春時代の友情と恋の物語かな。
あらすじ言っちゃうと、ある男とその友人が同じ女性に好意を
寄せ、友人は男の気持ちを知って身を引くが、結局女性が思い
を寄せたのは・・・というようなお話です。
まあ、随分と昔の作品(大正八年の)なんですが、今読んでも
中々感慨深いものがありますね。
ちなみにこれ読んで夏目漱石の「こころ」を思い出したのって
私だけですか?



桃花源奇譚
著者
井上裕美子
出版
中央公論社
井上裕美子珠玉のチャイニーズファンタジー。全四巻で完結。
中国物が好きな方にはお勧めです。歴史上の登場人物も多く、
知ってる人はニヤリとさせられること間違いなし(^^)
あらすじは市井の不良少年を装う皇帝の皇子が、ふとしたこと
で知り合った少女を助け、スケさんカクさん連れて陰謀・活劇
ありの大冒険!といったところでしょうか?(笑)
個人的には狄青のキャラクターが随分イメージと違ったけど…
最近文庫で再出版されたので、今なら入手しやすいハズ
ちなみに狄青については古今名将録で取り上げる予定です。



魔剣伝説
著者
P・フィッシャー
出版
社会思想社
私の好きなファンタジー小説の草分け的作品。古い作品なので
今日的な感覚とはズレるかも知れませんが、中々の良作です。
タイトルの通り魔剣がキーとなるお話で、ココに登場する魔剣
は、知性を持ち話すことが出来る上、善い心と悪い心を持ち合
わせているという面白い設定になっています。
この魔剣を手にした少年たちの一行が苦難を乗り越えて冒険
を…というお定まりの展開になりますが、和製のファンタジー
小説とは多少趣の違った雰囲気が味わえると思います。
続編に「魔女復活」と「魔法城塞」が有り、全三巻で完結。



自叙・精神分析
著者
ジークムント・フロイト
出版
みすず書房
「精神分析」の創始者フロイトが、その生涯の経験を織り交ぜ
「精神分析」とは何かを述べた作品です。
こう書くと小難しいモノに思うかもしれませんが、本書はむし
ろフロイトの人格や経歴などを基点に、フロイトの精神分析に
ついてのエッセイに近いとも言える内容になっています。
なかには思わぬ失敗談も載っており、現代まで連綿と伝わる偉
大な学者による生涯の自叙に、あなたも何がしかの感銘を受け
る事は間違いありません。



46番目の密室
著者
有栖川有栖
出版
講談社
えーと書名は46番目の密室ですが、紹介したいのは有栖川有
栖氏のミステリ・火村英生シリーズというやつです。
シリーズ内訳は
「ダリの繭」角川文庫
「海のある奈良に死す」角川文庫
「朱色の研究」角川文庫
「スウェーデン館の謎」講談社文庫
「ロシア紅茶の謎」講談社文庫
「ブラジル蝶の謎」講談社文庫
「英国庭園の謎」講談社文庫
「ペルシャ猫の謎」講談社
と以上でしょうか。
有栖川有栖さんのミステリはなんと言っても読後の安堵感とい
うか、ほっと一息つくような作品ばかりで面白いです。
火村英生シリーズとは、劇中人物の作家・有栖川有栖とその友
人で犯罪心理学者の火村英生の名コンビが、ホームズとワトソ
ンの様に紆余曲折して事件を解決するというものです。
ミステリが好きな方には特にお勧めしますよ(^^)
聞くところによると、ファンの中には火村に激ラブな女性読者
も多いとか(笑)