|
脈々と花の
息吹の神田
川
水音の昂ぶ
り花の神田
川
花万朶ふり
かぶる橋弾
みをり
都会に住みながら
あらためて神田
川の四季折々の
姿を再発見する
思いだった。
都心にかくも美し
い 花の岸が連な
っていることを知ら
なかった。
縦の隅田川 横の
神田川は都会の
水脈なのだ。
|
|
|
|
|
|
太古の化石と云われる この樹
木の芽吹きは遅い。
色合いはまさに太古のおもかげと
古格のやどる木である。
空高く凛と立つおおらかさは 時空
間を忘れさせる。
日向ぼこの猫が幹に身体を摺り
寄せていた。
|
|
|
|
|
|
この大仏に何度会
いに来たことか。
気品と風格を具え
た姿を眺めていると
現世のせせこまし
さを思わずにはいら
れない。
季節のたびに 会
いに来ているような
気がする。
|
|
|
|
|
|
削ぐものを削ぎ 冬空に凛
と立つ冬木に心を惹かれる
のは何故だろう。
一切を身にまとわず 一切を
飾らず 一切を隠さず 一切
を顕わしている。
それは 私たちの生き方その
ものだから 共感するのだと
思う。
誰でもが やがて行くべき道
を示している。
|
|
|
|
|
|
晩秋の日差の中に 吊るし柿が連
なっていた。
まさに簾のようであった。日に晒し
甘味を増した
干し柿は、 ものの無い時代の、
文字どうり
最高の菓子である。
古里の郷愁の味であり、少年時代
を思い起す味でもある。
|
|
|
|
|
|
水戸光圀の隠居所を訪
ねた。
この突き上げ丸窓の書斎
に篭り、大日本史を
編さんした。
天下の副将軍の終の屋敷
としては実に質素で
ある。水戸の質実剛健の精
神と気質を象徴して
いるかのようだった。
萩の風突き上げ窓の
明り採り
|
|
|
|
|
|
水戸藩の名君 斉昭公の
肝いりで建てられた。
広く藩内の人材を楽しませ
寛がせるための館である。
この父にして人物 徳川慶
喜を世に輩出したのだろ
う。
偕楽園は たわわな萩の花
群に満たされていた。
|
|
|
|