心に残る風景 1

2002.3.24

花の神田川
脈々と花の
息吹の神田

水音の昂ぶ
り花の神田

花万朶ふり
かぶる橋弾
みをり

都会に住みながら
 あらためて神田
川の四季折々の
姿を再発見する
思いだった。
都心にかくも美し
い 花の岸が連な
っていることを知ら
なかった。
縦の隅田川 横の
神田川は都会の
水脈なのだ。

2002.3.3

メタセコイア(あけぼの杉)
 太古の化石と云われる この樹
木の芽吹きは遅い。
色合いはまさに太古のおもかげと
 古格のやどる木である。
空高く凛と立つおおらかさは 時空
間を忘れさせる。
 日向ぼこの猫が幹に身体を摺り
寄せていた。

2002.2

鎌倉大仏
この大仏に何度会
いに来たことか。
気品と風格を具え
た姿を眺めていると
 現世のせせこまし
さを思わずにはいら
れない。
季節のたびに 会
いに来ているような
気がする。


2001.12

冬木
 削ぐものを削ぎ 冬空に凛
と立つ冬木に心を惹かれる
のは何故だろう。
一切を身にまとわず 一切を
飾らず 一切を隠さず 一切
を顕わしている。
それは 私たちの生き方その
ものだから 共感するのだと
思う。
誰でもが やがて行くべき道
を示している。

2001.11

柿簾
晩秋の日差の中に 吊るし柿が連
なっていた。
まさに簾のようであった。日に晒し
 甘味を増した
干し柿は、 ものの無い時代の、 
文字どうり
最高の菓子である。
古里の郷愁の味であり、少年時代
を思い起す味でもある。

001.915

西山荘
 水戸光圀の隠居所を訪
ねた。
この突き上げ丸窓の書斎
に篭り、大日本史を
編さんした。
天下の副将軍の終の屋敷
としては実に質素で
ある。水戸の質実剛健の精
神と気質を象徴して
いるかのようだった。

萩の風突き上げ窓の
明り採り

2001.9.15

水戸 偕楽園 好文亭
 水戸藩の名君 斉昭公の
肝いりで建てられた。
広く藩内の人材を楽しませ
寛がせるための館である。
この父にして人物 徳川慶
喜を世に輩出したのだろ
う。
偕楽園は たわわな萩の花
群に満たされていた。



トップへ
トップへ
戻る
戻る