僕は葉っぱ。
大きな大きな木の一部、
その中の小さな小さな存在のボク。
それでもボクは自身を誇りに思うんだ。
大きな木の一部のちっぽけなボク。
みんなが大好きな一部のボク。
小鳥たちは旅の休憩場に。
人々は憩いの場所に。
木は小鳥たちに安らぎの場を提供し、
木は人々に為に新鮮な空気を提供する。
皆に愛される木、、
皆の癒しになれる木、、
・・・ボクはそんな木の一部。
それだけで・・・幸せなんだ。
ある日のことだ。
強い強い風が木にむかって
吹きつけた。
びゅおー。
ひゅるりらー。
ひゅるりらー。
ボクは、、
飛ばされてしまった。。。
さようなら、、大好きな木。
さようなら、、ボクの故郷。
もう、永遠に逢うことが出来ない。
もう、戻ることの出来ない場所。
さようなら、、
・・・もう、随分と遠くまで来たようだ。
もう、木が見えない。
あんなに大きかった木が、
あんなに大きかった存在が、
もう影も形もない。。。
さみしいよ。。。
かけがえのない「存在」だったんだ。
ボクの唯一の支えだったんだ。
「ボクはこれからどうしていけばいいんだい?!」
不安でしょうがなかった。
そんなボクを風は、、
川の上に落とした。
小さな小さな川の上。
はらりと舞い降りた川の上。
とても静かな場所だった。
楽しそうな笑い声も
美しいさえずりも、、。
物音さえも聞こえない。
なんてさみしいところなんだろう、、
暗闇の中を手探りで進んでいく。
誰も助けてはくれない。
たった一人で。
「僕は行かなきゃならないの?」
もう泣きそうだよ。。。
するとどこからか声が聞こえてきました。
「君は一人ではない。私がいつも見守っている。
ずっとそばにいるよ。だから心配しないで。
君なら大丈夫。迷わず進むんだ。」
、、、。
「あなたは一体誰ですか?」
「君は気づいていないかもしれない。
でも私は君のことを見守ってきたんだ。
ずーっとずーっと前からね。」
暗闇の中に一筋の明かりがが灯った。
あたたかな灯。
見上げたら、、、
まんまるなお月様がやさしくほほえんでた。
そうか、、。
一人だと思ってたよ。
このままずっと暗い夜のままかと思ってた。
でも、、違った。
夜は終わる。
やがて陽はのぼる。
永遠の闇なんてないんだね。
ぼくの表情に笑顔が戻る。
あれ?なんだかとてもまぶしいや。
もう陽がのぼってきたみたい。
「おひさまおはよう!」
ずっとずっと流れて、、、
細い川をずっとずっと流れると、
大きな海に出た。
大きな海。
広い海。
ここがボクの
新しい故郷