電脳椅子探偵 名探偵コナン殺人事件(事件編)
登場人物
電脳椅子探偵(コンピュータチェアディテクティブ):瀬広井 亜美 セビロイアミ 24歳
その助手:丹後 健作 タンゴケンサク 21歳
被害者:テュポーン
関係者:リヴァイアサン・エキドナ・パズス・ダゴン
ある日、亜美が3日ぶりに掲示板を見ていると事件解決を依頼するカキコがあった。
直ちに現場に急行。
亜美「カキコをしてくれたのはあなたですね。」
? 「はい、リヴァイアサンといいます。弟のテュポーンが殺されたんです。」(以下リ)
亜美「は?いってる意味がわからないんですが。
健作。リヴァイアサンとテュポーン検索かけて。」
リ 「ちょっとしたハンドルネームですよ。」
亜美「あー。なるほどわかりました。」
健作「被害者はテュポーンさん18歳。身長185センチ。体重95キロ
非常に大柄で、その名のとおりといったところですね。」
亜美「自宅のダイニングでおやつを食べながら読書中に後ろからグサリ。
これは、明らかに顔見知りの犯行ね。
この日に、このうちに来たのは誰?」
リ 「弟のクラブの仲間が。3人です。弟は高校でカード部の部長をしているんです。」
亜美「それで、悪魔の名を冠したハンドルネームなのね」
リ 「私も今年卒業するまではその部に所属していたんです。」
健作「兄弟で同じ部だったんですね。」
亜美「3人って言うのは?」
リ 「エキドナ、パズス、ダゴンです。」
亜美「健作。エキドナ、パズス、ダゴン検索かけて。」
健作「みんな悪魔の名前ですね。トレカやゲームにもよく出てくるみたいです。」
亜美「話しをきくと、アリバイがなく、3人ともチャンスはあったみたいね。
動機もたぶん、レアカードが欲しかったとかそんなんでしょ。
一般人なら意味不明単語続出でお手上げだわ。」
リ 「だからあなたにカキコしたんです。」
健作「まだタイトルのコナンが出てきませんね。」
亜美「あなたは黙ってなさい。これからなんだから。」
リ 「弟の死に姿に違和感があるんです。何か引っかかるものが。」
亜美「だったらダイイングメッセージね。
たぶんそうだわ。そーに決まった。」
健作「被害者はおやつ&読書中に襲われています。」
亜美「そうね、おやつのドーナツは床に落ちてるし、本も左右の手に一冊ずつ持ってるし。
左手が名探偵コナンの2巻、右手が3巻ね。」
健作「3巻はカバーもはずれてて、被害者は相当苦しんだようですね。」
亜美「即死じゃないということね。ますますダイイングメッセージだわ。」
健作「現場はダイニングですけどね。」
亜美「あなたは黙ってなさい。」
亜美「何かおかしい所は…
なんでこの人両方の手に本持ってるの?読みづらいじゃない。」
リ 「それがメッセージなんじゃ…」
亜美「そ、そうね。今、言おうとしてたのに。
メッセージはコナンに決まり。はい、決まったわ。」
健作「しかし、コナンということは?」
亜美「ぜんぜんわからな… そんなことはないわ。
健作、コナンで検索かけてみて。」
健作「コナン・ドイルはホームズの作者です。」
亜美「わかったわ。犯人は、ダゴンよ。だってドイルとダゴンどっちもDで始まるじゃない。」
リ 「マンガのコナンは江戸川コナンですよ。違うんじゃないですか。」
亜美「そうね、そうかもしれないわね。
他にないの健作?」
健作「未来少年コナンがあるです。」
亜美「それで検索もう一度かけてみて。登場人物名とかが関係あるかも知れない。」
健作「エキドナもパズスもダゴンも出てこないですねえ。」
亜美「じゃあ関係ないのかしら。」
健作「アーノルドシュワルツェネッガー主演の映画があるです。」
亜美「コナン・ザ・グレートね。シリーズ化されてるし、おもしろかったわ。
ファンタジーのクリーチャーとかも出てくるし。」
リ 「それが関係あるんじゃ…」
亜美「コナン・ザ・グレートは関係ないと思うわ。こんなマイナー作品、誰も知らないもの
西洋ファンタジーの入り口としては最適なのにね。」
リ 「さいですか。」
亜美「わかったわ。容疑者のうちで誰かコーナンに勤めてる人いないの?
ほら、ホームセンターの。その人が犯人よ。私って天才。」
リ 「みんな高校生です。
エキドナは部の紅一点。副部長のしっかり者。3年生
パズスは部の頭脳。2年生ながら予算をまかせられている
ダゴンは部の期待の新人。1年生ながら大会でいい所までいく。」
亜美「またまたナイスアイデア。だったらダゴンは犯人じゃないわ。
だって、コナンの巻数は2巻と3巻だったでしょ。だから、1年生は違うの。」
リ 「そんな乱暴な。」
亜美「だったら。2と3だから、ニーサンであなたが犯人ね。リヴァイアサンさん。」
リ 「違いますって。弟はおやつ&読書中に襲われたんでしょう?
だったら、1万5千冊もある我が家の蔵書の中からその2冊を選び出したんじゃなくて、
たまたまその時手元にある本を手に取ったんでしょう。」
亜美「そ、そんなことわかってるわよ。」
健作「だったら、名探偵コナンは関係ないんですね。」
亜美「こんどこそわかったわ。
被害者は立ち上がったりはできなかった。しかし、手元にあるものなら何とかできた。
食べている途中だったおやつのドーナツ。
読んでいる途中だった名探偵コナン。
それらを使ってダイイングメッセージを残したのよ。
このダイニングでね。」
電脳椅子探偵 瀬広井 亜美はネットの世界を駆使し(笑)、真相に辿り着いたようです。
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