沈む陽
落ちこんで
下ばかりを見て
気づかなかった
見上げてみれば
赤く染まる雲
落ちる陽(ひ)はまるで
跡を残すかのように
焼き付けるかのように
泣いてもいい
心から
悲しみは流れないけれど
少しずつ
熱く痛いものを
冷やしてくれる
私の歴史は
私にしか変えられない
人の記憶に残らなくても
せめて
自分の記憶に残るくらい
焼き付けるように
明日になれば
消え逝く今日を
忘れ逝く今日を
刻印するかのように
私は私を歩いてゆく