波打ち際


思ったより
時間の波は激しくて
気づけば
足元の砂はさらわれていた

そしてその波は
私の足を洗い
新しい砂を連れてくる

あなたのいない
あなたのいた場所は
いつしか
新しい砂に覆われるけれど

過去のあなたと過去の場所は
さらわれないまま
覆われないまま
過去に在る

もう決して触れられない
もう決して戻れない

過去の波打ち際に在る