勝 手 に 新 企 画
注:これはあくまでもフィクションです








 近年ミステリー界がにぎわっている要因の一つとして、各出版社それぞれが行っているミステリー企画というものを挙げることができる。本格ミステリーにおいて最近の代表的なものといえば、「ミステリー・リーグ」原書房と「本格ミステリ・マスターズ」文藝春秋 の二つだろうか。そしてさらに今年から始まった、講談社による「ミステリーランド」、東京創元社による「ミステリ・フロンティア」などもこれらに追従していくことになるだろう。これら以外にもいくつか挙げることができるであろうし、または新人のための企画や復刊本の企画なども挙げていけばきりがない。










 そこでこの場では、よりマニアックな読者が求める一風変わったミステリーレーベルを立ち上げてみたい。趣旨はズバリ“やおいミステリー”。これをテーマにして多くの有名本格推理作家達に集ってもらい、より充実した“やおいチック”な本格推理小説を読者の手元にお届けしたいと思っている。



 そしてその気になる企画名とは!




これぞ“愛・本格”推理

「本格推理801」

堂々創刊






 すでに第1期の配本予定の10冊が決まっているのでぜひともそのラインナップを見てもらいたい。
 本格ミステリ界の代表メンバーともいえる顔ぶれが“やおい”を書くために集まった!









第1回配本
「男性術殺人事件」○田 荘司

 怪事件は、ひとりの男の遺書から始まった。その内容は、6人のプロレスラーから肉体各部を切り取り、リングネームに合わせて新しい人体を合成し、最強のレスラー「アゾート・猪馬」を創るというものだった。そして実際に6人のプロレスラーが行方不明になるという事件が起こる。果たして最強の肉体を持ったプロレスラーとはいったい?
 事件の謎を看破した御手洗は、石岡の静止をもろともせず、バトルロイヤルのリングへと上がる。肉体と肉体がぶつかり合う熱き格闘のさなか、リングサイドから石岡が見た事件の真相とは!?






第2回配本
「裸人館の殺人」○辻 行人

 霧の中、道に迷った五人の目の前に現れたのは、 建築家・中村青司の弟・中村性蔵の非業の建築物“裸人館”!
 彼らを熱く迎えたのは、筋肉質の執事と顔には仮面をまとい身体はふんどし一丁の館の主人。まさにその瞬間、熱い肉体美の饗宴の開始を告げる鐘が鳴り響いたのであった。五人を次々と襲う、“裸・裸・裸・LOVE SONG” 。歓喜におののく五人が昇天の際に目にした驚愕の事実とは? 彼らは主人のふんどしの裏側に隠された秘密を見破ることができるのか!?






第3回配本
「モロッコ男の謎」○栖川 有栖

 閉ざされた部屋の中で発見されたのは美女の惨殺体であった。しかし司法解剖の結果、被害者はモロッコで性転換手術を受けた男性であることが判明。被害者が死の間際にとったポーズは果たしてダイイングメッセージなのか?
 関係者一同の前で真相のすべてを悟った火村がとった絶頂ポーズに有栖川が歓喜する。モロッコ男とダイイングメッセージが表す二つの真の意味が融合したとき、その解決は比類なき肉々しいものへと昇天する。






第4回配本
「良雄のために」○月 綸太郎

「良雄が死んだ」。愛人を殺されたゲイボーイは、通り魔事件で片づけようとする警察に疑念を抱く。彼はひそかに犯人をつきとめようと、教室から机を運び、雪の上の足跡を消し、地上80メートルから脱出し、自らを誘拐しようとしたあげく、死体となって発見される。しかし、彼が残した手記には良雄との性生活があからさまに描かれているだけであった。父親との関係に悩み続ける綸太郎が明かす驚愕の真相とはいったい!?






第5回配本
「あっ」○耶 雄嵩

 忌まわしい事件の後遺症で記憶喪失になった如月は本当の自分を取り戻そうと夜の街を徘徊し始める。たまたま見つけたスナック「和音」にて飲み始めた如月だったが、そこで一時的に記憶がとぎれる・・・。朝、自分の部屋で目覚めた如月は一通の手紙を握り締めていた。「今度は僕に火をつけるつもりかい?」 この不快な感触はいったい? 頭痛と尻の痛みは二日酔いによるものだけなのか? 上半身にだけ正装を整えたメルカトル鮎が如月に・・・いや、真相に迫る。






第6回配本
「う・ぶ・め のウフ」○極 夏彦

 東京のとある産婦人科医院に奇怪な噂がながれる。その医院の息子が妊娠したと! さらにはその相手は同じ医院の医者であり、鍵のしまった和式便所から突如消えうせ失踪したという。戦争時に暗躍したと噂される医院の過去、地下での人体実験の噂、そして夜毎ポージングをとる筋肉模型の真相とは?
 関口、木場、榎木津らがくんずほぐれつ暴れる中、京極堂の“スキモノ落とし”が始まる。






第7回配本
「童貞宣言」○辺 拓

 その女性が起こした痴話喧嘩による犯罪は序章にすぎなかった。飛翔する女性、逃走する女性、ニタニタしながら血文字を描く女性、殺し合う女性たちなど、狂気に満ちた女性が起こす犯罪に森江春策の女性不信は強まるばかり。不可能犯罪を次々と解き明かしながら男達の熱い視線を一心に浴びているうちに森江の(性)世界観は一変する??






第8回配本
「薔薇(族)迷宮」○階堂 黎人

 大音響と共に突然、街中に現れた男はなぜか全裸であった「ストリーキングな怪人」
 断崖に建つ雪の日の洋館にて起こる節操なき破廉恥事件「変態の家」
 被害者の少年は服を脱がされ、必ずお持ち帰りされてしまうという「少年喰い鬼」
 しまった、限定品がなくなる! あせりにあせった収集家のとる行動とは「やおい蒐集家の死」
 人気のない部屋の中で一人熱くなり、萌えはじめ、そそり立つ「肉○の魔」
 毒々しい男達が繰り広げる、圧倒的な妄想と痴態「薔薇族の人々」
圧倒的な男・男・男と繰り広げられる事件の中で蘭子は黎人の貞操を守ることができるのか!?






第9回配本
「天使はボディビルダー」○井 潔

 八又村営スキー場で作家・矩巻の前で起こる数々の事件。リフトからのバンジージャンプの謎。ゲレンデにて繰り広げられる悩殺ポーズ。雪山の山荘でのボディービルコンテスト。死体を掘る・・・(自主規制)。八又村にはびこる筋肉教団の信者達がからむ奇妙な事件。それを解き明かすのは冬でもタンクトップ一枚の男性スキーインストラクターの白鳥光。白鳥の人間を超えた肉体は、つかんでは投げと教団信者達を翻弄する。白鳥の豪腕によって暴き出される教団の真実とは!?






第10回配本
「すべてがMになる」○ 博嗣

 孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才少女漫画家・M賀田四季。彼女の部屋からボンテージをまとった男が突如皆の前に現れた。次々と集まってくるボンテージ姿の戦闘員。M賀田四季の想像がとうとう現実にまで影響を及ぼしたのか。偶然、島を訪れていたM大学助教授・犀川と男子学生・西之園萌瑠(もえる)。この不可思議な島にて犀川の隠された性癖が萌えあがる。犀川の痴態を目の当たりした西之園がとった行動とは?










以下、「本格推理801 第2期」続々刊行予定

「キッド・ピストルズのはずかしい妄想」 ○口雅也
「人形は三角木馬で推理する」 ○孫子武丸
「腋臭審問官ウーサー」 ○刀 一
「さわられたい男」 ○野晶午
「倒錯のマンボ」 ○原 一
「七回イッタ男」 ○澤保彦
「おれは三角筋」 ○野圭吾
「男囮捜査官 悩殺」 ○田正紀
「スワップ、イヤーン、コルセット」(愛の三部作) ○村 薫




注:もう一度ことわっておきますが、これはあくまでもフィクションです



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