最近、カッパ・ノベルスでミステリ作品がでない。今年購入するのはこれが初めてで、昨年も1冊くらいしか購入していない。さらにその前となると、今回購入した作品のシリーズとして前に書かれた作品「舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵」と「新本格もどき」あたりとなってしまう。
ここ最近はミステリ作品が出ないどころか、カッパ・ノベルス自体が刊行されない月もしばしばある。光文社はハードカバーではミステリ作品を数多く出しているが、それとは別にカッパ・ノベルスとしてもどんどん良質のミステリ作品をだしてもらいたいものだ。
今回、感想にUPした「第三面の殺人」をもってアジア本格リーグは全6巻を持って完結とあいなった・・・・・・のだが、この作品集はいったい何だったのであろう。
アジアのミステリ作品を紹介するということで、台湾、タイ、韓国、中国、インドネシア、インドの作品が紹介された。これらを読み終えたものの、このラインナップは何だったのだろうと感じずにはいられなかった。
最初の「錯誤配置」はやや期待ができた。序盤は少なくとも本格ミステリを感じられる内容であった。ただ、後半トーンダウンしてしまったのが残念なところ。それでもこれを読んだ時はだんだんとより良い内容のものが出てくるのだろうと期待を持つことはできた。しかし、その後の作品はごく普通のサスペンス小説、もしくはそれ以下の作品ばかりが続き、何を紹介したかったのかがわからなくなる始末であった。
少なくとも、それぞれの国から1冊を紹介するということであるのだから、ある程度レベルの高い作品を読むことができると期待してもいいはず。それがこういった作品を並べられてしまうとアジアのミステリってそれほど面白いものはないのかなと悪いイメージを持ってしまう。
そう思っていると、これまた島田荘司氏の監修による“第1回島田荘司推理小説賞”というものがあり、その受賞作が台湾の作家による「虚擬街頭漂流記」という作品。これ1作のみで与えたインパクトのほうがアジア本格リーグよりも強いと感じられた。いや、むしろ「虚擬街頭漂流記」だけでも良かったと思えるほど。
この企画が読者全体でどのくらいの評価を得ているのかはわからないが、なんとなくこの後の展開はなさそうな気がする。むしろこれ以後、アジアのミステリが紹介されないということになれば、それはそれで残念なことであろう。
2010年10月16日 バークリーの新刊
本日の購入本
「パニック・パーティ」 アントニイ・バークリー(原書房:ヴィンテージ・ミステリ)
「夜よ泣かないで」 香納諒一(ハルキ文庫)
久々にバークリーの作品が翻訳された。探偵シェリンガムが登場する作品としては最後の作品。また、これが訳されたことによってバークリーの作品もA・B・コックス名義のものを除けば、ほぼ翻訳されたことになるのではないだろうか。
元々、ミステリ作家としては異色作家といってもよいようなバークリーであるが、そういったなかで本書は異色作との噂を耳にしたのだが・・・・・・さて、どのような内容になっていることやら。
2010年10月14日 たまる、都筑コレクション
本日の購入本
「なぜ絵版師に頼まなかったのか」 北森鴻(光文社文庫)
「積木の搭 鬼貫警部事件簿」 鮎川哲也(光文社文庫)
「なめくじ長屋捕物さわぎ1 ちみどろ砂絵 くらやみ砂絵」 都筑道夫(光文社文庫)
「フランケンシュタイン」 メアリ・シェリー(光文社古典新訳文庫)
光文社文庫と光文社古典新訳文庫から4冊。
ふと思ったのだが、以前、都筑道夫氏の本で同じく光文社文庫から“都筑道夫コレクション”という全10巻ほどの作品集が出ていた。それを購入しているのだが、全て積読。それにもかかわらず「なめくじ長屋捕物さわぎ」を購入。こちらは全6巻が予定されている。たまるぞ、たまるぞ、都筑道夫コレクション。いつか段ボール1箱分に達したりして。
2010年10月10日 ようやく出た、今年のアルテ
本日の購入本
「殺す手紙」 ポール・アルテ(ハヤカワミステリ1840)
「太陽が死んだ夜」 月原渉(東京創元社:第20回鮎川哲也賞受賞作)
「ボディ・メッセージ」 安萬純一(東京創元社:第20回鮎川哲也賞受賞作)
前作のあとがきでは早めに出そうなことが書いてあったのだが、いつもよりも長めの期間をおいて、ようやく新刊が出ることとなった。ハヤカワミステリが2作くらい前から表紙のリニューアルを行い、それにともなったのかどうかわからないが、今作は従来の2段組みではなく1段組み。段組みは変わっても面白さは変わらないと思うので期待して読むこととしよう。
それと鮎川哲也賞の受賞作を2冊とも買ってしまった。最近、本格ミステリらしい作品が少なくなってきたので、この2冊に期待してみた。あらすじをパッと見た感じでは本格ミステリを堪能できそうな気がしたのだが、実際のところはどうだろう。とりあえず、これも読むのが楽しみ。
2010年10月9日 実業之日本社文庫
今週の購入本
「おやすみラフマニノフ」 中山七里(宝島社)
「白銀ジャック」 東野圭吾(実業之日本社文庫)
「オリュンポス2」 ダン・シモンズ(ハヤカワ文庫SF)
そういえば実業之日本社って文庫は出していなかったのか。今更ながらに気づく。単行本やノベルスは今まで普通に読んでいたのだが。
刊行記念として東野圭吾氏の新刊が実業之日本社文庫で登場。スキー場が舞台ということで、東野氏の趣味と実益を兼ね備えた作品のようだ。
それと、今年このミス大賞を受賞した中山七里氏の2作目が刊行されたので購入。受賞作の「さよならドビュッシー」が良かったのでこちらも期待。2作連続の秀作となるかどうか。
2010年10月3日 復刊フェアの残りを
本日の購入本
「イシャーの武器店」 A・E・ヴァン・ヴォークト(創元SF文庫)
「武器製造業者」 A・E・ヴァン・ヴォークト(創元SF文庫)
「狂風世界」 J・G・バラード(創元SF文庫)
「レッド・プラネット」 ロバート・A・ハインライン(創元SF文庫)
結局、復刊フェアのSF関連の作品を全部買ってきてしまった。ファンタジーっぽいのと、幻想小説っぽいのは購入せず。
というかんじで、毎回復刊フェアの作品を購入しているのだが、SF関連の書籍がずいぶんとたまってきた。ミステリ関連の本はボチボチよんでいるのだが、SFの本はたまる一方。来年こそはもう少し読みこなさねば・・・・・・といいつつ、2011年の復刊フェアのときも同じことを言ってそうなきがする。
2010年10月2日 ようやく9月分の購入終了
本日の購入本
「水谷準探偵小説選」 (論創ミステリ叢書)
「ジークフリートの剣」 深水黎一郎(講談社)
「なぎなた」 倉知淳(東京創元社)
「こめぐら」 倉知淳(東京創元社)
「完全・犯罪」 小林泰三(東京創元社)
論創ミステリ叢書はネットで購入。他はなんとか本屋で見つけることができた。
それにしても、意外と「ジークフリートの剣」が見つからなくて探すのに苦労した。講談社という出版社なのでメジャーではあると思うのだが、まだまだ世間的には深水氏の名前は知れていないせいか、本が置かれる冊数が格段に少ないような気がする。これならば、講談社ノベルスで出してくれた方が買いやすい気がするのだが。
あと倉知氏が久しぶりの新刊。といっても、最近の作品ではなく、今までの集大成的な短編集なのでそこが残念なところ。そろそろ新しい作品を出版してもらいたいところなのだが。
2010年10月1日 あぁ、復刊フェアがあったんだ
本日の購入本
「理想的な容疑者」 カトリーヌ・アルレー(創元推理文庫)
「フレンチ警部とチェインの謎」 F・W・クロフツ(創元推理文庫)
「魔術ミステリ傑作選」 オットー・ペンズラー編(創元推理文庫)
危うく忘れるところだった。9月の残りものに、創元社2010復刊フェアがあることを。興味付けてきたので、ミステリ作品を3つ購入。
あと、SF作品も吟味してから購入することとしよう。