今回の目玉商品は、なんといってもハヤカワミステリ「天外消失−世界短篇傑作集」。そのなかでも表題になっている「天外消失」は、評判は何度も聞いていたのに、今まで入手することができなかった作品。ようやく念願かなって読む事ができるしだいである。
・・・・・・それにしても、最近読書も更新もやや滞りがち。もう少し、気合を入れて読書にのぞまねば。そういえば、ランキング総括の海外編がまだなので、なるべく土日にはアップしようと思っている。
国内ランキングについては、“思っていたよりも伊坂氏が強かった”というのが一番の印象。
この「ゴールデンスランバー」という作品は去年の11月に出版されたもので、あまり今年の作品という気がしていなかった。にもかかわらず、これが軒並み1位、もしくは上位にくいこんだというのは、それだけ良い作品であるということなのだろう。これで伊坂氏に残されているのは、直木賞をとることくらいか。
新人賞としては「告白」の湊かなえ氏。今年一番の話題作であり、本屋の店頭をにぎわせた作品である。
また、大いなる話題・・・・・・といってもミステリ界の一部かもしれないが、牧薩次氏の「完全恋愛」も色々な意味で話題を提供したといってよいであろう。私はまだ読んでいないので、年末年始の楽しみにしておきたいと考えている。
健闘賞ともいえるのが三津田信三氏と道尾秀介氏。まだまだ一般的な知名度は低いと思われるが、新進のミステリの書き手としてがんばってくれているのはうれしいことだ。
ダークホース賞、はたまた、今年のブレイク賞としては柳広司氏があげられるだろう。どのミステリランキングでも「ジョーカー・ゲーム」がとりあげられているのはご承知の通り。ようやく氏の代表作といえるものが出たと言ってよいのだろう。
あと、個人的なことだが、私は毎年恒例の「本格ミステリベスト10」に投票したのだが、そのなかで法月氏の作品はかなり上位にくいこむだろうなと思っていたのだがそうでもなかった。これは、いろいろなアンソロジーで小出しにしすぎたせいか、または珍しく2冊も作品を出したため、票がばらけてしまったのかもしれない。
また、貴志祐介氏の「狐火の家」も思っていたより票が伸びなかったような気がする。これもまた、怪作「新世界」が出て、票がばらけてしまったということなのだろう。
結果としては、ほぼ10位から20位以内が固定されているように感じられるが、そのなかでひときわ飛びぬけたものというのはなかったように思える。ゆえに、今年の作品で強烈な印象を残すというものは少なかったようにも思える(「新世界」あたりはある意味非常に強い印象を残しているが)。
だからといって、決して不作の年というようには思えなかったので、佳作が量産(よい意味で)された年というのが今年のミステリ界を振り返っての印象である。
2008年12月6日 今年気になったランキング本
今日、「2009本格ミステリ・ベスト10」が届いた。今年も引き続き、投票したので、献本としていただく事ができた。
やはり、ジャンルを絞っているゆえに、他のランキングとは異なる結果になっている。
これで、各種ランキング本もそろったということで、気になる本を一気に紹介。
「告 白」 湊かなえ(双葉社)
今年は、これといった本命がいなかったせいか、全体的にばらけた結果となったように思える。そんななかで、今年一番の注目といってもよい本はこれであろう。全国の本屋も年末はこの本を売ることに力を入れてゆくのではないだろうか。
「ジョーカー・ゲーム」 柳広司(角川書店)
柳氏といえばミステリ界ではそこそこ名がしれている作家だと思うが(私自身は2冊くらいしか読んでいない)、この本によりブレイクを果たしたといえるだろう。今後も、もっともっとミステリ系の良作を書いてもらえればと期待したい。
「完全恋愛」 牧薩次(マガジンハウス)
今年、全くのノーマーク本。とある有名作家が別名義で出している本ということであるのだが・・・・・・各種ランキング本では名前を伏せているのだが、これって伏せる必要があるのだろうか。一応、本の後ろのほうのページに、その有名作家の名前がきちんと出ている。
実は私自身は、この作家の本はそれほど好みではないのだが、ここまで絶賛されているのなら読んでみようと思い、今日購入してきた。
「20世紀の幽霊たち」 ジョー・ヒル(小学館文庫
最初は、色々な作家のアンソロジーかと思っていたのだが、ジョー・ヒルという一人の作家のホラー作品集とのこと。実はなんとこの作家、スティーブン・キングの息子だとのこと。作家という職業についていたことすら知らなかった。
といった、さまざまな要素により、これも本日買ってきた。
「狂犬は眠らない」 ジェイムズ・グレイディ(ハヤカワ文庫)
昨年末に出た本のようだが、密かなブームになっているらしい。あらすじを読んだ限りでは、ランキング上、この本こそが2009年海外ミステリ界のバカミスNo.1というようだ。これは既に購入してるのだが、今すぐにでも読みたい本。
2008年12月5日 ランキング本、続々
今週の購入本
「Classical Fantasy Within 第二部 第六話 ポルタトーリの壺」 島田荘司(講談社BOX)
「このミステリーがすごい!2009」(宝島社)
「週刊文春 12月11日号」
「告 白」 湊かなえ(双葉社)
年に一度の「週刊文春」と「このミステリーがすごい!」をさっそく買ってきた。この両者は近年、似たり寄ったりのランキングになりつつあるので、ひとくくりにしてもよいくらい。詳細はまた後日。
そして、さっそくランキング本を見て、買ってきたのが「告白」と「ジョーカー・ゲーム」の2冊。これらが今年一番の話題の国内ミステリランキング本と言ってよいであろう。
また、ミステリとは別物だが、ライトノベルスのランキングと漫画のランキングも出ているので、ますます出費がかさみそうだ。