一言、二言

過去の一言、二言
 2006年12月28日  今年最後の更新
 年末恒例、Grand U-gnol ミステリランキング発表。

(年末恒例でよかったっけ? 年始にやっていたような気も・・・・・・まぁいいや)


 今年は今日が最後の更新となるので、感想も早めにUP。
 というわけで、次回更新は1月の3日か4日になる予定。

 それでは皆さんよいお年を。

 2006年12月27日  復活!? 昭和ミステリ秘宝
 本日の購入本
 「幻を追う男」 ジョン・ディクスン・カー(論創海外ミステリ60)
 「横溝正史コレクション 鍾乳洞殺人事件/二輪馬車の秘密」(扶桑社文庫:昭和ミステリ秘宝)

 2006年の最後の論創海外ミステリは、なんとカーの作品集。といってもラジオドラマ集ではあるのだけれども。「だれがマシュー・コービンを殺したか?」「あずまやの悪魔」「幻を追う男」の三本。

 なんと久々に“昭和ミステリ秘宝”の新刊が・・・・・・というか、まさか今になって続刊が出てくるとは・・・・・・。まぁ、タイトルの通り横溝正史の作品そのものではなく、横溝正史が翻訳した作品集とのこと。ウィップルの「鍾乳洞殺人事件」とヒュームの「二輪馬車の秘密」を収録。これを気に昭和ミステリ秘宝が復活してくれればなぁ。論創社もがんばっていることだし。

 2006年12月26日  雨がやんだら
 どうやら論創海外ミステリからディクスン・カーのラジオドラマ集「幻を追う男」が出ているらしい。絶対、来月になると思っていたのに・・・・・・。
 というわけで、購入しに行こうと思ったのだが、あいにくの豪雨。すっかり本屋に行く気をなくしてしまい、明日にもちこすことに。とりあえず、私にとっては今年最後の新刊かなと。

 年末にもなり、今年中に読みたい本が色々とあったのだがどうにもこうにも読みきれない。なんとかそろそろメドをつけて自分ランキングを完成させねば。などと考えているうちに年を越しそう・・・・・・

 2006年12月23日  今月最後?
 本日の購入本
 「最後のウィネベーゴ」 コニー・ウィリス(河出書房新社〈奇想コレクション〉)
 「ハンプティ・ダンプティは塀の中」 蒼井上鷹(東京創元社:ミステリ・フロンティア)
 「ダーク・タワーⅦ 暗黒の塔 下」 スティーヴン・キング(新潮文庫)

 忘れた頃に刊行される(個人的にはこのくらいの刊行ペースが助かる)<奇想コレクション>。きっちりと有名どころを抑えたセレクション・・・・・・といいつつも、コノー・ウィリスの作品って代表的な2、3作しか知らないような・・・・・・

 2006年最後のミステリ・フロンティアは蒼井上鷹氏の新刊。蒼井氏の作品は「九杯目には早すぎる」を読んだきり。それを読んだときにはライトな軽いミステリという感じであったので、その後の作品は読んでいなかったのだが、今作ではそれとは違った感触を味わう事になるのだろうか!? 本書の内容如何によっては今まで出た作品全部を集めるという事も??

 ついに“ダーク・タワー”が完結。今回の新潮社文庫から読み始めた人にとってはさほど長くはないことであろうが、角川書店の単行本のときから追っていた人にとっては、かなり長かったというイメージがあるのではないだろうか。私は今、第4巻の中巻に入ったところ。来年中には是非とも最後まで読み干したいと思っている。


 ということで、今年購入する新刊はこれでほぼ終わりになるかも。一応、今月中に論創海外ミステリの最新作でディクスン・カーの作品が出るということなのだが、こちらは実際に出るのかどうかよくわからない。また、東京創元社で桜庭一樹氏の新刊が来週に出るのだが、こちらは購入するかどうか未定。来年になってからでも遅くはない。
 と、そんなところでそろそろ自分ランキングベスト10をまとめなければ。

 2006年12月19日  まだまだ年を越せない
 もう今年もあと10日ほどしか残っていない。積読は星の数ほどあるけれど、どうしても今年中に読んでおきたい本というのは何冊かある。現実的に、無理のないところで数冊挙げてみると、
 「美しき罠」 ビル・S・バリンジャー(ハヤカワミステリ)
 「夏の魔法」 北國浩二(ミステリ・フロンティア)
 「時を巡る肖像」 柄刀一(実業之日本社)
 「絞首人の一ダース」 デイヴィッド・アリクサンダー(論創海外ミステリ)

と、こんなところ。特に「美しき罠」あたりは、今のうちに読んでおかなければいつ読むことになるかわからない(それだけポケミスは積読が多い)。とりあえず、まだ日もあるので、このくらいは読めるのではないかと思っている。(ちなみに現在は関田涙氏の「時計仕掛けのイヴ」を読んでいる最中)

 と、がんばって積読を消化して・・・・・・年始には、また心新たに積読の山に着手していこう。

 2006年12月16日  変わった二品
 本日の購入本
 「ひとりっ子」 グレッグ・イーガン(ハヤカワ文庫)
 「天使の眠り」 岸田るり子(徳間書店)

 近年、SF界の代名詞ともいえるグレッグ・イーガン。その第3短編集が「ひとりっ子」。ちょうど、第2短編集「しあわせの理由」を読んだばかりであり、今後もイーガンの作品は読み続けたいと思っていたので、私的にはタイムリーな時期に出たといえよう(だからといってすぐに読むとは限らない)。とはいえ、結局これで積読がひとつ減って、ひとつ増えただけという・・・・・・プラスマイナス0。

 鮎川賞受賞者、岸田氏の三作目が「天使の眠り」。帯には“ノン・ストップ・ラブ・サスペンス”と書いてある。この著者はデビュー作から端正な文章で作品を書いているので、本書もある一定の水準には達している事は間違いなかろうと思っている。どれだけの作品に仕上がっているか期待大である。

 2006年12月15日  文庫文庫文庫
 本日の購入本
 「クレオパトラの夢」 恩田陸(双葉文庫)
 「仮面の島 建築探偵桜井京介の事件簿」 篠田真由美(講談社文庫)
 「死の開幕」 ジェフリー・ディーヴァー(講談社文庫)

「クレオパトラの夢」は先に出ている「MAZE」という作品の続編。前作は確か面白かったような気がする。確かSF的な趣向だったような気がする。なんだかんだでこの作品も面白いような気がする。

 建築探偵の事件簿はお馴染みのシリーズ作品。いつものメンバーが海外での殺人事件に挑むらしい。今回の舞台はヴェネツィア。

 そしてディーヴァーの新刊は1990年に出版された作品が初公開。私は未読だが以前ハヤカワ文庫から出版された「汚れた町のシンデレラ」に続く作品だとのこと。しかもこの後にもう一作あり、三部作(主人公が同じというだけであろうが)という体裁になっているらしい。そちらも今後訳されるに違いない。というか、ディーヴァーの作品は全部訳してしまえばいい。

 2006年12月14日  勝手に“マイケル問題”
 最近買った2冊の本・・・・・・同じ著者なのに表記が違う。
 「証拠は語る」 マイケル・イネス
 「アララテのアプルビイ」 マイクル・イネス

というようなことは海外の作家の名前を表記する場合にはよくあること。しかし、本を買う側の立場からしてみると検索をするときの不便さ等、なかなかやっかいな問題である。

 こういった状況に危機感を抱いている私は、代表的でありかつポピュラーな名前の“マイケル”の変換系から名前をいただき、この一連の問題を
 “マイクル問題”とここに提言したい!!

 この“マイクル問題”は非常に重要な事項であり、この問題にかかれば、かの有名なアガサ・クリスティーでさえ、“クリスティー”と“クリスティ”に2分されてしまう恐れがある。同様な有名例では他に“エラリー”と“エラリィ”もある。

 もしくは“デニス・レヘイン”と“デニス・ルヘイン”という表記の違いにいたっては、別人であると誤解する人が出てくる恐れもあるだろう。

 また、現在理系の専門用語でよくみられるところで、“ルーター”を“ルータ”と呼ぶように、単語の最後における伸ばす発音を省略する傾向に気づくことができる。よって、今後の作家の表記が将来同じように変換されることも考えられないことではない。


 そこで、“マイケル問題”に関わる文字表記について、いくつかの事項を提案したい。

1.原則として著者の名前は日本で最初に訳された作品の表記に順じ、その訳者もしくは編集者に優先権が与えられる。

2.1のように海外の著者が日本で発表されてから10年が経った後には、時代経過を考慮し、表記を変えることが適当であると判断した場合には、最初に発表したものの了解を得ることによって、表記を変更してもよい。

3.ただし、2で表記の変更の了解を得たものは、表記を変更することを世間一般に知らしめなくてはならない。

4.2で表記を変更したものが1で発表したものに変わって、次の代表者となる。


という事項を提案し、今後迫り来る“マイクル問題”に対応していきたいと考えている。



<上記はあくまでもフィクションであり、現実の行われていることとはなんら関わりはありません>

 2006年12月12日  残念なカバー
 本日の購入本
 「アララテのアプルビイ」 マイクル・イネス(河出書房新社:KAWADE MYSTERY)
 「贄の夜会」 香納諒一(文藝春秋)

「証拠は語る」に続き、マイクル・イネスの作品を購入。こうして考えてみると、イネスの作品はトータルでけっこう集まってきたように思える。著作一覧を作ることも考えなければ。
 内容とは関係なく、この河出書房新社の“KAWADE MYSTERY”について一つ言いたいことがある。それは、カバー裏のバーコードシールは止めてもらいたいということ。たぶんこれは色々なところで不評なのではないかと思う。普通はカバーにバーコードが印刷されているのだが、この“KAWADE MYSTERY”は何故か後からシールでバーコードを貼り付けている。これによって、トレードマークのフクロウのマークが一部隠れてしまっている。せっかく良いカバーを作ったとしてもこれでは台無しとしか言いようがない。

「贄の夜会」は各種ランキングで評判がよかったので購入してみた本。別に文庫化を待っても良かったのだが、香納氏の本については一度失敗をしたことがあるので、つい購入してしまった。失敗というのは、今までの香納氏の代表作といえば「幻の女」であり、当時のランキングでもベスト10に入った。しかし、私はすぐには買わずに文庫化を待てばいいやと思い、その後入手できたのが・・・・・・なんと5年も後。当時評判になり、売れていたはずの本なのですぐに文庫化されるという思いがあまかった。この作品はさすがに文庫になるまで5年も待つことはないだろうとは思ったが、そんなこんなで結局購入してしまった。

 2006年12月9日  年末ミステリ・ランキング
「本格ミステリ・ベスト10」「週刊文春」「このミステリーがすごい!」と年末の各種ランキングが出揃った。今回のランキングの特徴はというと“本命なし”ということ。その結果、国内ランキングについては3つのランキング全て異なる作品が1位になっていた。ただ、このような結果が出たことによってそれぞれのランキングの特徴や意味合いというものを感じ取る事ができた。

 そういった中で今回強かったのは“大極宮”の三人。良い作品を出していたということは確かであるが、軒並み10位から20位の中に入っていたというのはすごい事である。しかも既にベテランであると考えれば、なおさらすごい事であろう。
 また、新人では米澤氏(夏期トロピカル)、道尾氏(シャドウ)、海堂氏(バチスタ)が目立っていた。この3人は来年もさらなる期待ができそうであり、新作が出るのが楽しみである。

 海外編に関しては、こちらも本命がないようでありながらも、「週刊文春」と「このミス」では似たり寄ったりのランキング内容となっていた。特に強さが目立ったのは前半期から評判高かった「あなたに不利な証拠として」。
 また新人(?)ではアダム・ファウアー氏の「数学的にありえない」(←新人と言っていいのかはわからないがこれが処女作)が「ダヴィンチ・コード」のブームに続いて人気を得たようである。
 あと、三つのランキングで全てでベスト10内に入っていた作品は一作だけであり、どのランキングでも7位となっていた「奇術師の密室」(リチャード・マシスン)が印象に残るところである。

 これらランキングを参考に、自分で読み逃していて購入したいと考えている作品は、
 「贄の夜会」 香納諒一
 「制服捜査」 佐々木譲
 「わたしを離さないで」 カズオ・イシグロ
 「オックスフォード連続殺人事件」 ギジェルモ・マルティネス

既にもう購入した本もある。また、もう少しこれらのランキング本を熟読して面白そうな作品が埋もれていないか検証してみたいと思っている。


 本日の購入本
 「大庭武年 探偵小説選Ⅰ」(論創ミステリ叢書第21回配本)
 「戯曲アルセーヌ・ルパン」 モーリス・ルブラン(論創海外ミステリ58)
 「証拠は語る」 マイケル・イネス(長崎出版)
 「制服捜査」 佐々木譲(新潮社)

 2006年12月8日  色々買うつもりではあったが
 本日の購入本
 「失われた時間」 クリストファー・ブッシュ(論創社:論創海外ミステリ59)
 「わたしを離さないで」 カズオ・イシグロ(早川書房)

 論創海外ミステリは、もう一冊ルブランの作品が出ているはずなのだが、こちらは見つからなかった。週末にでも捜しに行こう。ということで、今日は「失われた時間」だけを買ってきた。帯の文句では大絶賛しているのだが、果たしてどのような内容なのか。

 年末のランキングを見て、さっそく買ってきたのがカズオ・イシグロ氏の「わたしを離さないで」。厳密なミステリとはいえないようではあるが、小説として面白そうではあるので買ってきた。たぶん読むのは来年になるであろう。


 昨日、今日とで「週刊文春」と「このミステリーがすごい!」を買ってきたので、それらについては明日くらいにでも触れてみたいと考えている。

 2006年12月6日  年末だというのに気になる作品がどんどん
 本日の購入本
 「ぼくのキャノン」 池上永一(文春文庫)
 「デス・コレクターズ」 ジャック・カーリイ(文春文庫)
 「ブルックリンの八月」 スティーヴン・キング(文春文庫)
 「使命と魂のリミット」 東野圭吾(新潮社)

「レキオス」に続いて池上氏の本を買うのは2作目。これも単行本が発売されていたときから気になっていた本。早く読みたくてしょうがない。

「百番目の男」に続くジャック・カーリイの本が出てしまった。すごく面白い本、というよりは何かくだらない大掛かりなことをやってくれそうな作家なので、そういう意味で楽しみな本。

「ブルックリンの八月」がどうたらこうたらではなく、<ナイトメアズ&ドリームスケープス>の短編を全然読んでいないということよりも、キングの短編に全然手を付けていない。来年こそは何とかしなければ、と毎年そう思っている。

 こんな年の迫った時期に東野氏の面白そうな本がでるなんて・・・・・・。今回は医学サスペンスとのこと。相変わらず幅が広い。今年中に読むべきか、読まざるべきか・・・・・

 2006年12月4日  2007本格ミステリ・ベスト10
 本日、家に「2007本格ミステリ・ベスト10」が届いていた。届いていたというのは、去年に続きアンケートに答えたからであり、そうそうたるメンバーの中で場違いに“ugnol”という意味不明の文字がさんさんと輝いている(というか浮いている)。

 と、まぁ自分のことは置いといて、この本を一目見てびっくりしたのが今年の国内ベスト1の作品。著者には申し訳ないが、もらしそうになるくらい驚いてしまった。えぇーーっ、そうくるかという感じ。ただし、今回のランキングはパッと見たところでは、これといった本命がなく全体的にばらけていたというようにもとれる。その中で、多くの人が抑えていた作品が一位になってしまったのかなと。いやいや、もちろん一番にあげていた人も多かったので、これが選ばれた作品であるということは間違いないことであろう。ただ、自分が推している作品ではなかったのでびっくりしてしまったということ。

 あとは、道尾氏の躍進振りがすごすぎるということくらい。詳細はまたゆっくりと読むことにしよう。

 2006年12月2日  11月分はこれにて
 本日の購入本
 「密室と奇蹟」 J・D・カー生誕百周年記念アンソロジー(東京創元社)
    芦辺拓・加賀美雅之・小林泰三・桜庭一樹・田中啓文・柄刀一・鳥飼否宇・二階堂黎人。全編書き下ろし
 「螺鈿迷宮」 海堂尊(角川書店)
 「すべては死にゆく」 ローレンス・ブロック(二見書房)

 カー生誕百周年記念の作品が登場。かなり、豪華なラインナップであると思われる。どこまでカーに関連して、どこまでそれぞれの作家がカーに思い入れがあるのかはわからないが、全編書下ろしということなので、楽しんで読めることは間違いないであろう。

 なんと海堂氏の新作が早くも・・・・・・今年デビューして早くも3冊目。この作品は角川から出ているのだが、今までの2作のシリーズに関連した本となっているらしい。というのも、何度も作中に名前が出てきていた“氷姫”が登場し、しかも舞台はこれも名前だけは何度も登場している“桜宮病院”とのこと。これは今までの作品を読んでいるものとしては読まずにはいられなくなる作品である。果たして今年中に読めるかどうか。ちなみに読み方は螺鈿(らでん)とのこと。

 ローレンス・ブロックのマット・スカダー・シリーズが久々の登場。しかもこれは四年前に出版された「死への祈り」の続編になっているとのこと・・・・・・って四年ぶりに続編が出てもおぼえてないって。前作を読んでいない人はちょうど文庫が出たところなので、合わせて読んでみてはいかがか。