「証拠は語る」に続き、マイクル・イネスの作品を購入。こうして考えてみると、イネスの作品はトータルでけっこう集まってきたように思える。著作一覧を作ることも考えなければ。
内容とは関係なく、この河出書房新社の“KAWADE MYSTERY”について一つ言いたいことがある。それは、カバー裏のバーコードシールは止めてもらいたいということ。たぶんこれは色々なところで不評なのではないかと思う。普通はカバーにバーコードが印刷されているのだが、この“KAWADE MYSTERY”は何故か後からシールでバーコードを貼り付けている。これによって、トレードマークのフクロウのマークが一部隠れてしまっている。せっかく良いカバーを作ったとしてもこれでは台無しとしか言いようがない。
「贄の夜会」は各種ランキングで評判がよかったので購入してみた本。別に文庫化を待っても良かったのだが、香納氏の本については一度失敗をしたことがあるので、つい購入してしまった。失敗というのは、今までの香納氏の代表作といえば「幻の女」であり、当時のランキングでもベスト10に入った。しかし、私はすぐには買わずに文庫化を待てばいいやと思い、その後入手できたのが・・・・・・なんと5年も後。当時評判になり、売れていたはずの本なのですぐに文庫化されるという思いがあまかった。この作品はさすがに文庫になるまで5年も待つことはないだろうとは思ったが、そんなこんなで結局購入してしまった。
「本格ミステリ・ベスト10」「週刊文春」「このミステリーがすごい!」と年末の各種ランキングが出揃った。今回のランキングの特徴はというと“本命なし”ということ。その結果、国内ランキングについては3つのランキング全て異なる作品が1位になっていた。ただ、このような結果が出たことによってそれぞれのランキングの特徴や意味合いというものを感じ取る事ができた。
そういった中で今回強かったのは“大極宮”の三人。良い作品を出していたということは確かであるが、軒並み10位から20位の中に入っていたというのはすごい事である。しかも既にベテランであると考えれば、なおさらすごい事であろう。
また、新人では米澤氏(夏期トロピカル)、道尾氏(シャドウ)、海堂氏(バチスタ)が目立っていた。この3人は来年もさらなる期待ができそうであり、新作が出るのが楽しみである。
海外編に関しては、こちらも本命がないようでありながらも、「週刊文春」と「このミス」では似たり寄ったりのランキング内容となっていた。特に強さが目立ったのは前半期から評判高かった「あなたに不利な証拠として」。
また新人(?)ではアダム・ファウアー氏の「数学的にありえない」(←新人と言っていいのかはわからないがこれが処女作)が「ダヴィンチ・コード」のブームに続いて人気を得たようである。
あと、三つのランキングで全てでベスト10内に入っていた作品は一作だけであり、どのランキングでも7位となっていた「奇術師の密室」(リチャード・マシスン)が印象に残るところである。
これらランキングを参考に、自分で読み逃していて購入したいと考えている作品は、
「贄の夜会」 香納諒一
「制服捜査」 佐々木譲
「わたしを離さないで」 カズオ・イシグロ
「オックスフォード連続殺人事件」 ギジェルモ・マルティネス
既にもう購入した本もある。また、もう少しこれらのランキング本を熟読して面白そうな作品が埋もれていないか検証してみたいと思っている。
本日の購入本
「大庭武年 探偵小説選Ⅰ」(論創ミステリ叢書第21回配本)
「戯曲アルセーヌ・ルパン」 モーリス・ルブラン(論創海外ミステリ58)
「証拠は語る」 マイケル・イネス(長崎出版)
「制服捜査」 佐々木譲(新潮社)
2006年12月8日 色々買うつもりではあったが
本日の購入本
「失われた時間」 クリストファー・ブッシュ(論創社:論創海外ミステリ59)
「わたしを離さないで」 カズオ・イシグロ(早川書房)
論創海外ミステリは、もう一冊ルブランの作品が出ているはずなのだが、こちらは見つからなかった。週末にでも捜しに行こう。ということで、今日は「失われた時間」だけを買ってきた。帯の文句では大絶賛しているのだが、果たしてどのような内容なのか。
年末のランキングを見て、さっそく買ってきたのがカズオ・イシグロ氏の「わたしを離さないで」。厳密なミステリとはいえないようではあるが、小説として面白そうではあるので買ってきた。たぶん読むのは来年になるであろう。
昨日、今日とで「週刊文春」と「このミステリーがすごい!」を買ってきたので、それらについては明日くらいにでも触れてみたいと考えている。
2006年12月6日 年末だというのに気になる作品がどんどん
本日の購入本
「ぼくのキャノン」 池上永一(文春文庫)
「デス・コレクターズ」 ジャック・カーリイ(文春文庫)
「ブルックリンの八月」 スティーヴン・キング(文春文庫)
「使命と魂のリミット」 東野圭吾(新潮社)
「レキオス」に続いて池上氏の本を買うのは2作目。これも単行本が発売されていたときから気になっていた本。早く読みたくてしょうがない。
「百番目の男」に続くジャック・カーリイの本が出てしまった。すごく面白い本、というよりは何かくだらない大掛かりなことをやってくれそうな作家なので、そういう意味で楽しみな本。
「ブルックリンの八月」がどうたらこうたらではなく、<ナイトメアズ&ドリームスケープス>の短編を全然読んでいないということよりも、キングの短編に全然手を付けていない。来年こそは何とかしなければ、と毎年そう思っている。
こんな年の迫った時期に東野氏の面白そうな本がでるなんて・・・・・・。今回は医学サスペンスとのこと。相変わらず幅が広い。今年中に読むべきか、読まざるべきか・・・・・
2006年12月4日 2007本格ミステリ・ベスト10
本日、家に「2007本格ミステリ・ベスト10」が届いていた。届いていたというのは、去年に続きアンケートに答えたからであり、そうそうたるメンバーの中で場違いに“ugnol”という意味不明の文字がさんさんと輝いている(というか浮いている)。
と、まぁ自分のことは置いといて、この本を一目見てびっくりしたのが今年の国内ベスト1の作品。著者には申し訳ないが、もらしそうになるくらい驚いてしまった。えぇーーっ、そうくるかという感じ。ただし、今回のランキングはパッと見たところでは、これといった本命がなく全体的にばらけていたというようにもとれる。その中で、多くの人が抑えていた作品が一位になってしまったのかなと。いやいや、もちろん一番にあげていた人も多かったので、これが選ばれた作品であるということは間違いないことであろう。ただ、自分が推している作品ではなかったのでびっくりしてしまったということ。
あとは、道尾氏の躍進振りがすごすぎるということくらい。詳細はまたゆっくりと読むことにしよう。
2006年12月2日 11月分はこれにて
本日の購入本
「密室と奇蹟」 J・D・カー生誕百周年記念アンソロジー(東京創元社)
芦辺拓・加賀美雅之・小林泰三・桜庭一樹・田中啓文・柄刀一・鳥飼否宇・二階堂黎人。全編書き下ろし
「螺鈿迷宮」 海堂尊(角川書店)
「すべては死にゆく」 ローレンス・ブロック(二見書房)
カー生誕百周年記念の作品が登場。かなり、豪華なラインナップであると思われる。どこまでカーに関連して、どこまでそれぞれの作家がカーに思い入れがあるのかはわからないが、全編書下ろしということなので、楽しんで読めることは間違いないであろう。
なんと海堂氏の新作が早くも・・・・・・今年デビューして早くも3冊目。この作品は角川から出ているのだが、今までの2作のシリーズに関連した本となっているらしい。というのも、何度も作中に名前が出てきていた“氷姫”が登場し、しかも舞台はこれも名前だけは何度も登場している“桜宮病院”とのこと。これは今までの作品を読んでいるものとしては読まずにはいられなくなる作品である。果たして今年中に読めるかどうか。ちなみに読み方は螺鈿(らでん)とのこと。
ローレンス・ブロックのマット・スカダー・シリーズが久々の登場。しかもこれは四年前に出版された「死への祈り」の続編になっているとのこと・・・・・・って四年ぶりに続編が出てもおぼえてないって。前作を読んでいない人はちょうど文庫が出たところなので、合わせて読んでみてはいかがか。