今日は、昨日の続きで海外編のBest3を! ということで、選ぶはこれらの作品!!
1.「魔王の足跡」 ノーマン・ベロウ(国書刊行会:世界探偵小説全集)
2.「ローリング邸の殺人」 ロジャー・スカーレット(論創社:論創海外ミステリ 2005/12)
3.「狼の帝国」 ジャン=クリストフ・グランジェ(創元推理文庫 2005/12)
まず1位に選んだのはオーソドックスにノーマン・ベロウの「魔王の足跡」。これはこの2006年に読むと、少々古臭かったりとか、ありがちのネタと思えないこともないのだけれど、とにかくその雰囲気が良い。これこそ本格ミステリの古典であり、語り継がれるべき本であると思う。
2位、3位に選んだのはどちらも昨年の12月の出版なのだけれども、あまりにも外すには惜しい作品なので選んでしまった。
2位に選んだのは「ローリング邸の殺人」ロジャー・スカーレット。スカーレットの作品というと「エンジェル家の殺人」が江戸川乱歩に紹介されて有名になったが、これ以外となるとほとんど知られていない。そしてようやく訳された「ローリング邸」であるが、これがすばらしいミステリであった。論創海外ミステリというと、既に40冊ばかり出ていて、今更手を出しにくいと思うのだが、ミステリファンであればこの一冊は読んでおいてもらいたい本である。
論創海外ミステリも第2期に入って、質が高くなってきたような気がする。いまだ読んでいない本の中に名作が埋もれていそうで怖いところである。
打って変わって、現代ミステリとなるのだが3位に選んだのは「狼の帝国」。グランジェの作品はこれまではずれがなく、現在期待できる作家のひとりといえよう。内容は本格ミステリではなく、サスペンス・アクションという感じではあるのだが、そのジャンルの中でも一級品。本の存在を知らないという人はぜひとも探してでも読んでもらいたい。
2006年6月21日 ネタがないので、2006上半期Best3
早いもので、今年も半分が過ぎようとしている。そんな中、他のHPにて既に大々的にやっていたけれど、ここで個人的に“Grand U-gnol”上半期Best3を紹介! ・・・・・・ネタがないので、こんなことをやって間を持たせたいと・・・・・・
では、今日は国内編を。ずばり、今まで読んだ中での2006年上半期Best3はこの作品!!
1.「厭魅の如き憑くもの」 三津田信三(原書房:ミステリー・リーグ)
2.「出口のない部屋」 岸田るり子(東京創元社:ミステリ・フロンティア)
3.「殺意は必ず三度ある」 東川篤哉(実業之日本社:ジョイ・ノベルス)
1位に推すのはミステリ・ホラー作家三津田氏の「厭魅の如き憑くもの」。これは正直言って、序盤はかなりとっつきにくい。しかし、それでも最後まで読み通す価値が十二分にある作品。できれば、このまま1位を守りきってもらいたい作品である。
「出口のない部屋」は先週読み終えたばかり(感想は次の日曜UP予定)。まだ2作目とは信じられない洗練された作品。前作の「密室の鎮魂歌」もよかったが、それとはまた違う雰囲気の良さがにじみでているのを感じてもらいたい。これこそまさに大人のミステリ。
そして、バカミスのようで、それだけには終わらない。学園系コメディでありながら、ガチガチのミステリを味わう事の出来る「殺意は必ず三度ある」。ありそうで、なさそうなミステリではあるのだが、登場人物たちと一緒に体験してみたいミステリでもある。
といったところが“Grand U-gnol”が選ぶ、今年のミステリBest3。今のところ、世間的には「夏期限定トロピカルパフェ」が強いのかもしれないが、マニアックなところでは「厭魅の如き」に人気が集まってくれればと思っている。果たして、これから年末までに、どれだけこれらの作品を超えるものが出てくるのであろうか?
ということで、明日は海外編をお届け。
2006年6月17日 日本推理作家協会賞、残りの一冊
本日の購入本
「北米探偵小説論」 野崎六助(双葉文庫日本推理作家協会賞受賞作全集69)
別の本屋で見つけることができた。これでここまでのところは全て、コンプリート(読んだか読まないかは別として)。
この「北米探偵小説論」は実物はかなり長大なものらしく、こんかいの文庫版は簡易的なものらしい。であるからこそ逆にとっつきやすいといえるであろう。こういった評論なども常々読んでみたいとは思っているのだが、そういった本もかなり積読になっていて・・・・・・
2006年6月15日 日本推理作家協会賞から
本日の購入本
「龍は眠る」 宮部みゆき(双葉文庫:日本推理作家協会賞受賞作全集67)
「時計館の殺人」 綾辻行人(双葉文庫:日本推理作家協会賞受賞作全集68)
今日買ったのは、この2冊。どちらも推理作家協会賞受賞作であり、当然のことながら既読。とはいえ、両方とも著者が初期の頃に書いた作品であり、読んでからもうだいぶ経ったので、ここで再読するのもちょうど良いかもしれない。さらには、私自身が国内のミステリ・ベスト1に挙げる作品こそが「時計館」なので、すぐにでも読みたい気持ちはある。実は「時計館」、最初に読んでからまだ一度も読み直してない。当時受けたインパクトが再読する事によって消えてしまうのではないかと恐れ、読むことができないでいるのである。そんな呪縛から解き放たれるべく、やはり読んでみるべきであろうとも考えてはいるのだが・・・・・・
ちなみにもう一冊の全集作品「北米探偵小説論」は買えなかったので、また後日別の本屋へ。
2006年6月13日 魚を
本日の購入本
「さようなら、今まで魚をありがとう」 ダグラス・アダムズ(河出文庫)
「砂漠の惑星」 スタニスワフ・レム(ハヤカワ文庫)
「破戒裁判 <新装版>」 高木彬光(光文社文庫)
「銀河ヒッチハイク・ガイド」シリーズの四作目がついに出た! しかもタイトルがすごい。今度はラブストーリーと書いてあるのだが、果たしてどんなバカ騒ぎを起こしてくれるのやら。
レムの作品が徐々に復刊されつつあったなかで、当の本人が亡くなってしまったのは残念な事。そして皮肉な事に、それが復刊や未訳作品の発表に環をかけることになるのだろう。読者としては、ただただ、ありがたく読みふけるのみ!! (レムの積読、これで4冊・・・・・・)
買っているけど、全然手をつけてないシリーズのひとつ。高木彬光コレクション。でも、いつか読む、きっと読む。そして、高木氏の作品をまとめて、このHP上にUPしたいと・・・・・・思ってはいる。
2006年6月10日 今日も新刊を
本日の購入本
「ドランのキャデラック」 スティーヴン・キング(文春文庫)
「セカイのスキマ」 田代裕彦(富士見ミステリー文庫)
「ドランのキャデラック」は以前、“ナイトメアズ&ドリムスケープス”というタイトルで文藝春秋から単行本2分冊で発売されたものの文庫版。文庫化になるにいたっては、全部で4分冊となるようである。ちなみに2冊目は8月に発売予定。
とのことであるが、キングは積読があまりにもたくさんあるので、ゆーくりと出てもらって全然かまわない。「ダークタワー」もようやく第3巻の上巻に入ったところだし・・・・・・
田代裕彦氏の新作ということで何も考えずに買ったのだが、こんかいの作品はあまりミステリーっぽくないような・・・・・・。この作品は以前に書いた短編を一冊の長編にしたとのこと。まぁ、とりあえず読んで見なけりゃわからない、と。
2006年6月8日 ようやく更新
いやー、書くことがなくて、なかなか更新ができなかった。そんな中、本日の事件。「ザレゴトディクショナル」を買うか買わないかは書店で実物を見て決めようと思っていたのだが、その実物を見たら全ページが袋とじとなっていた!! ・・・・・・絶対買ってやるものかと心に決めた。
そんなこんなで本日の購入本
「上手なミステリの書き方教えます」 浦賀和宏(講談社ノベルス)
「少女は踊る暗い腹の中踊る」 岡崎隼人(講談社ノベルス)
「M.G.H. 楽園の鏡像」 三雲岳斗 徳間デュアル文庫
知る人ぞ知る、浦賀氏の“八木剛士シリーズ”の第三作。いや、シリーズというほどではないのだが・・・・・・。それにしてもこのシリーズ、続刊が出るほど話題になっているのだろうか?? 今作は感動もの(?)らしい。どんな内容になっているのやら。次回作は「八木剛士 史上最大の事件」とのこと。
「少女は踊る暗い腹の中踊る」は第34回メフィスト賞受賞作。帯には青春ノワールと書いているのだがミステリーという感じではないのだろうか。なんとなく“舞城っぽさ”がタイトルに出ていて嫌なのだが、とりあえずデビュー作くらいは読んでみよう。
「M.G.H.」は2000年の第1回日本SF新人賞受賞作の文庫化。もうすでに三雲氏の名前は有名になっているが、私自身は長編を読んだ事はなく、短編をいくつか読んだくらいである。本書はSFミステリーとうことで話題になった作品であったので、いつか読みたいと思っていた。その念願がようやくかないそうである。
2006年6月3日 とりあえず、何か書いてみる
特に書くネタもないのだが、最近の事を徒然と
□宮部みゆき氏の「ブレイブ・ストーリー」が何故か同時期に角川文庫(三分冊)と角川スニーカー文庫(四分冊)の両方から出版されていた。両者とも内容は変わらなく、スニーカー文庫のほうがイラストが付いているのと、送り仮名が加えられているというくらいの違いだそうだ。映画になったからということであろうけれども、ずいぶんと豪勢なことだ。どちらかに絞ったほうが売れ行きは上がるような気もするが、これも大々的な宣伝の一貫ということなのだろうか。
□「殺意は必ず三度ある」東川篤哉がなかなか面白かった。
□西村健の大作「劫火」の下巻がとうとう残り100ページを切った。ようやくこれで読み終えることができそうだ。
□次は「ハイドゥナン」の下巻に着手するか。
□と、言いつつ「デス博士の島 その他の物語」に着手し始めた。これもけっこう、手間取りそうだ。
□でも、「銃とチョコレート」乙一、も捨てがたい。
□とかなんとか言いながら、「シャーロック・ホームズの回想」を少しずつ読み進めている。
□残念ながら乱歩全集は第三巻で足踏み状態。
2006年6月1日 6月も最初はH・R から
H・R: どうもー、ハード・リーダーでーす。皆さん元気にしてますか
ugnol:なんか久しぶりだな
H・R: 久しぶりって、ugnolさんが呼んでくれなきゃ、登場できないじゃないですか
ugnol:・・・・・・まぁ、そういうものなのかな
H・R: おっ、この本は「気分は名探偵」じゃないですか。どうです、どのくらい当てられましたか?
ugnol:・・・・・・
H・R: まさか一つも当てることができなかったとか・・・・・・
ugnol:・・・・・・うん
H・R: あのー、お言葉ですけど、もう何年推理小説を読み続けているんです
ugnol:・・・・・・いや、その考え方は違うな!
H・R: な、なんです突然
ugnol:じゃぁ、聞くが、真相が途中でわかってしまった本とわからなかった本、どちらが面白く読める
H・R: そ、それは確かに真相がわからないほうがドキドキして読むことができますけど
ugnol:そう! それなんだよ!!
H・R: なんです大げさな
ugnol:推理小説というのは、ある種の犯人当てや犯行方法を当てるなどという要素を兼ね備えてはいるが、実際にはそれらのトリックなどによって驚かされたいと願う人が読むべき本なんだよ
H・R: ・・・・・・
ugnol:例えば手品のタネがわかっていたら、その手品を見ても面白くない。それと同じ事で、真相がわからないからこそ推理小説というものは人一倍楽しめるものなのさ
H・R: はぁ
ugnol:だから「気分は名探偵」で真相がひとつも解けなかった私は、誰よりもこの作品を堪能したと言えるであろう
H・R: (そうかー??)
ugnol:というわけで、真相に達しなかったからといってひとつも恥じる事はないんだよ
H・R: 私は結構わかりましたよ
ugnol:・・・・・・
H・R: や、やめてください首を絞めるのは
ugnol:新しい犯人当てのネタにしてやろうか! この野郎め!!
H・R: そんなこんなで6月も、フゥーーー