早くも鳥飼氏の新刊が登場。最近の鳥飼氏の作品はどうも奇妙な内容のものが多い。思い返せば2003年に出た「変態的」ならぬ「本格的」。そして今年の「痙攣的」。さらには今回出版された「逆説探偵」。タイトルを見る限りではチェスタトンを意識したものになっているようなのだが、中身はどうだろう。読むのが楽しみなような怖いような。
というところで、8月の上半期の本はだいたい出揃ったみたいである。これから世間は盆休みに突入するので、次に新刊が出るのは早くて来週末、本格的には再来週といったところか。とりあえず、この新刊が出ない時期に積読をなんとか・・・・・・と毎年のように同じ事を言っている。
本日の購入本
「老ヴォールの惑星」 小川一水(ハヤカワ文庫JA)
「空高く」 マイクル・ギルバート(ハヤカワ文庫HM)
「平井骸惚此中ニ有リ 其伍」 田代裕彦(富士見ミステリー文庫)
「地獄の道化師 江戸川乱歩全集第13巻」 (光文社文庫)
まずは小川氏初の短編作品集「老ヴォールの惑星」。読んで見なければどんな内容かはわからないが、今が旬の作家なので面白い事は間違いないであろう。楽しみに読むとしよう。
「空高く」はクラッシック・セレクションという事で復刊作品。1955年の作品。どこかで名前を聞いた事があると思いきや「捕虜収容所の死」を書いた人。これも楽しめそうな気配。
平井骸惚シリーズは早くも5作目。4作目が6月に出て、やけに早いお目見えと思いきや、なんと今回で完結との事。せめて10作くらい出てもいいと思ったんだけどなぁ。もったいないと思いつつも早めに読んでおこう。
江戸川乱歩全集の第13巻は「暗黒星」「地獄の道化師」「幽鬼の塔」「大金塊」の4本。
2005年8月9日 1冊だけ
本日の購入本
「ヤーンの朝 グイン・サーガ103巻」 栗本薫(ハヤカワ文庫)
今日はハヤカワ文庫が色々と出ているだろうと思って本屋に行ってみたら・・・・・・グインだけだった。たぶん、他の地域では色々と出ているところもあるだろう。明日、また仕切りなおしに行こう。
それから、買いはしなかったが今年の江戸川乱歩賞の受賞作が発売されていた。選考委員絶賛(いつものことか)とあって、面白そうな予感もしたのだが今回は見送り。ちなみにタイトルは「天使のナイフ」薬丸岳とのこと。
2005年8月7日 インターネットで選ぶ本格ミステリ短編ベスト
「正宗九の視点」“2005年インターネットで選ぶ本格ミステリ短編ベスト”での結果が発表された。
例によって投票させていただいたので、今回も結果が気になるところであったのだが・・・・・・何と順位は違うものの私が選んだ3作がベスト3となっていた。だから何だと言われそうであるが、それはそれでなんかうれしかったりする。
ちなみに私が1位に選んだのは柄刀氏の「光る棺の中の密室」。ただ、これは私好みではあるものの、人によって好き嫌いが出そうだなと思っていたので1位は難しいだろうと思っていた。とはいえ、2位に選ばれているのだからたいしたものである。
でも今回の「本格ミステリ05」は3本選ぶのは難しかった。全体に低調であり、掲載作品数も少なかったように感じられた。とはいうものの、それなりに楽しめた事も事実なので、また来年も「本格ミステリ06」を読むことができればと思っている。そして、このインタネット投票にも参加しようと思っている。
最後に、集計された正宗さま、ご苦労様でした。
2005年8月5日 テラン新作
本日の購入本
「凶器の貴公子」 ボストン・テラン(文春文庫)
「朽ちた花びら 病葉流れてⅡ」 白川道(幻冬舎文庫)
前作が日本で発表されてから2年が経ち、正直言ってその存在を忘れかけていたとき(オイ!)、ついにテランの新作が発売された! その名も「凶器の貴公子」。文庫で550ページを超える、なかなかの大作となっている。これは海外作品が今年不審続きであるという印象を払拭する事ができるのか!?
「病葉流れて」が文庫化されるのに、かなり長い年月がかかった事もあり、この「朽ちた花びら」が文庫化されたのはやけに早く感じられる。早いと言っても去年単行本で発売されたばかりだから確かに早い。といっても、前作がすごく面白かったので早々に続きを読みたかったところ。なるべく早めにとりかかりたい一冊である。
2005年8月3日 今月の目玉は
8月という月の事情もあって、今月は出版点数が軒並み少なめになっているようだ。そんな事もあってか、これといった目玉作品と言うものも全体的に見れば少なめだ。
そういった中、盆休みなどにはあまり関係なく出版点数が多いのは、早川書房と東京創元社。早川の作品ではミステリーではないが、小川氏の短編集が期待の一冊である。創元社のほうは剣持鷹士氏の「あきらめのよい相談者」、そして犯人当ての「あなたが名探偵」らは抑えておきたいところ。
また、注目の一冊としては、角川書店から出版の歌野晶午氏の新作「女王様と私」。とにかくものすごく気になるタイトルだ。
と、8月は出る本も少ないのだから、これは積読の一角を打ち崩すチャンスである。ここはがんばって読んでゆかなければ。ただ、もう少し涼しくなってくれるといいんだけどなぁ。
2005年8月1日 モーダルを捜して
本日の購入本
「モーダルな事象」 奥泉光(文藝春秋:本格ミステリ・マスターズ)
先々日、本屋で「モーダルな事象」を見かけたものの、状態がよくなかったので購入を控えてしまった。そして、今日別の本屋へと足を伸ばし、書影を見つけて即購入。
完璧な美本とまではいかないものの、それはしょうがない事であろう。なんといってもこの本各ミステリ・マスターズ、本のカバーがやわらかい。ゆえに、軽いのだが、傷がつきやすいのである。そういうわけで、本屋に並んだ本というのは、どこかしら曲がっていたり、傷ついていたりする事が多い。この点は妥協するしかあるまい。
とにもかくにも、買う事ができたのだからよしとしよう。これで、7月の買い残しはなし!