ミステリ・フロンティアからは二冊が同時刊行。獅子宮氏は創元推理短編賞を受賞し、本書がデビュー作となる。「砂楼に〜」は連作短編集のようである。一方、藤岡氏のほうは1993年にデビューした作家であるが、量産作家というわけではなく、本書は4年ぶりの作品である。これは期待してもよいのではないだろうか。
“時の車輪”というシリーズの本がハヤカワ文庫から出版されている。これは現在第10部にまで入っており、今月その第10部の完結編が発売された。ここまでで、文庫の総数は61冊(+外伝2冊)となっており、しかも物語はまだまだ途中である。
と、このシリーズを今まで読んできたのだが残念ながらここで挫折してしまった。先月購入した第10部の4巻までは読んだのだが、今月発売された本は購入を控えようと思っている。確かにこのシリーズは大長編は大長編なのだが、どうも全般的に私の好みに合わなかったようである。
序盤はまだ登場人物も少なく、これから面白くなるのかなという予感を秘めていたように思われた。しかしその後、物語りはこちらが期待したような具合には進まずに、毎月毎月読むのがだんだんと苦痛になってきたのである。
読むのが苦痛に感じられたいくつかの点をあげると、物語の進み具合と言うよりは主観に問題があったというのが一点。主人公たる3人がいるにも関わらず、物語が進むにつれてどんどん登場人物が多くなり、どうでもいいような人物の主観がだんだんと多くなってきたのがとっつきにくさとなっていった。
また、物語の世界観もなじみのないものであり、説明尽くされる前に舞台が切り替わり、その切り替わる舞台もまた設定がよくわからないという悪循環で物語が進行し続けているようにも感じられた。等々。
というような事柄から、これは無理して読み続けることもないかなと思い、若干もったいないような気はするけれどもこの辺が潮時であろうと考えた次第である。というわけで、どこかの古本屋に“時の車輪”シリーズがまとめて一編に並ぶこととなるであろう。
2005年4月8日 100巻達成御礼
本日の購入本
「豹頭王の試練 グイン・サーガ100」 栗本薫(ハヤカワ文庫JA)
「紐と十字架」 イアン・ランキン(ハヤカワ文庫HM)
「明治探偵冒険小説集1 黒岩涙香集」 伊藤秀雄(ちくま文庫)
「奇天烈!古本漂流記」 北原尚彦(ちくま文庫)
グイン・サーガ100巻達成、おめでとう!! ただただ、よく書き続けてくれたなと感心し、感謝するのみ。あとは、これからシリーズの仕上げにかかっていってもらいたいというところ。と、いうまでもなく、なんと5月、6月と101巻、102巻が立て続けに刊行される予定。待ちましょう、読みましょうというのみ。
リーバス警部の初長編がようやく刊行。シリーズで一番最初に刊行されたのが、第8作となる「黒と青」。その後、第7作の「血の流れるままに」が刊行された。よって、まだ第2作から第6作までが未訳となっている。たぶんそちらも刊行してくれるのだろう。リーバス警部ものの積読をこなしつつ、ゆっくりと待ち望もうと思っている。
ちくま文庫から明治探偵冒険小説集が刊行された。これは全4巻で「快楽亭ブラック集」「押川春浪集」「傑作短編集 露伴から谷崎まで」が以下刊行予定。
「奇天烈! 古本漂流記」は「キテレツ古本漂流記」という題で1998年に刊行されたものの文庫化。最初のほうを少し読んでみたのだが、価値のある本とかではなく、変な本を収集するのが好きな著者が変った本に飛びつく様相が描かれている。これは面白そうである。喜国氏の古本探偵が面白いと思った人には是非ともお薦め。実際、表紙は喜国氏であるし。
2005年4月7日 このミステリーがひどい!? の・・・
本日の購入本
「時限絶命マンション」 矢野龍王(講談社ノベルス)
今日はこの一冊。メフィスト賞受賞作家、矢野氏の第2作品「時限絶命マンション」。前作では話題にと言うよりも、一部で酷評されたという妙な事で有名になってしまった作家というイメージが強いが、それを今作は払拭できるのか。いろんな意味でいじれそうな一冊。
2005年4月6日 とくまをかう
本日の購入本
「顔 FACE」 横山秀夫(徳間文庫)
「大年神が彷徨う島」 藤木稟(徳間文庫)
横山氏の本で読んでいないのはこの一冊だけ。単行本で出版されたときには、つい買いそびれてしまい、そのままになってしまっていた。今回の待望の文庫化により購入。文庫化されたのが早いような気もするが、その辺は人気作家の本と言うことと、ドラマ化されていたということなどによるところであろう。
先週、藤木氏の大作を読んで感想を書いたばかりだと思ったら、偶然にも“朱雀十五シリーズ”の次の巻が文庫化された。このシリーズは徳間ノベルで出ているシリーズなのだが、私は徳間文庫で買い揃えている。ちょっとの間積読になりそうだが必ず読もうと思う。なかなか面白いシリーズであることだし。でも、世間ではいまいち話題になっていないような・・・・・・
2005年4月4日 4月の注目本
今月の目玉はなんといっても「グインサーガ 100巻」。もう、いつから読んでいるんだろう。長かったなぁ。とはいえ、当初の予定では100巻で完結の予定だった大サーガも話が伸びに伸びて、まだまだ物語りは終わりそうにもない。結局、最終巻は何巻になるのやら。案外200までいったりして・・・・・・
東京創元社からはミステリ・フロンティアが3冊刊行予定。特にどれが面白そうかという事はわからないのだが、逆にそれが楽しみなところである。大穴が出る可能性もあり。
ハヤカワ文庫からはイアン・ランキンの処女作がようやく刊行される。リーバスの初登場作品、いったいどのようなものなのか。
その他、「明治探偵冒険小説集1 黒岩涙香集」(ちくま文庫)、「弥勒の掌」我孫子武丸(本格ミステリ・マスターズ)、「黒笑小説」東野圭吾(集英社)、「ヴィーナス・プラスX 」シオドア・スタージョン(国書刊行会)などと、期待作がてんこ盛り!!
それと、新潮文庫にて伊坂幸太郎「ラッシュライフ」も出版される。まだ読んでいたなかったのでこれも楽しみ。
2005年4月3日 「狐虫症」を買ってきた
「狐虫症」 真梨幸子(講談社)第32回メフィスト賞受賞作品。
昨日行った本屋には置いてなかったので、今日は別の本屋へ行ってみた。そこでゲット!! 去年は2作品と最近寂しくなってきたメフィスト賞。今年はもっとがんばってもらいたいところなのだが・・・・・・
というのは、ともかくこの第32回メフィスト賞受賞作の内容は帯には“バイオ・サイコ・ホラー”と書いてある。というか、としか書いていないので内容はよくわからない。300ページの本なので、すぐに読めるであろう。あくまでも、すぐに手を付ければであるが・・・・・・
2005年4月1日 新年度は“ハルヒ”から
本日の購入本
「涼宮ハルヒの動揺」 谷川流(角川スニーカー文庫)
今日、4月1日に発売し、即買いしたのは去年の年末にはまり一気に読み通した“涼宮ハルヒ”シリーズの最新刊、「涼宮ハルヒの動揺」。内容などは全く確認していないため、どのようなものなのかはわからないのだが、とにかく楽しませてくれること間違いなかろう。ライトノベルズなどとは侮れない、ユーモア系のハードSF(ソフト・ハードSF??)。
実はそれ以外にもライトノベルズ系で別のものを買ったのだが、そちらについてはここで言う必要はないだろう・・・・・・はずかしいし。
あと、発売が延びていたメフィスト賞受賞作の「孤虫症」が講談社のHP上にて4月1日発売と掲載されていたので、明日あたりには本屋に並ぶことであろう(地域によっては今日出ていたところもあるのだろう)。