皆さんは、“Kappa One 登竜門”という企画をごぞんじであろうか。光文社が2002年から始めた新人発掘企画であったのだが、残念ながら14冊ほど出したのち、尻つぼみな感じで終わってしまった。今年度に入り、“Kappa Two”という企画を始め、1冊が出版されたが、今後もまだ続くのであろうか?
それはさておき、その“Kappa One”であるが、第1弾として、4冊のミステリ作品が発表され、ミステリファンの度肝を抜いた!(たぶん)。そのときの新人四人が、石持浅海、加賀美雅之、東川篤哉、林泰広。そのうち、石持氏、東川氏は、言うまでもなく活躍し続け、加賀美氏も本格ミステリ作品を数作出しつつも惜しまれながら故人となってしまった。そして唯一、2冊目を出すことがなかった林氏であったが・・・・・・なんと15年の沈黙を破り、とうとう新作が発表された。それがこの「分かったで済むなら、名探偵はいらない」。
年末にもなり、だいたい今年中に読んでおきたい作品は抑えたつもりであったが、この時期にこんな目玉作品がでるなんて!! 密かに林氏の2作目を待ち焦がれていた人にはたまらない1冊。
今週の購入本
「月食館の朝と夜 奇蹟審問官アーサー」 柄刀一(講談社ノベルス)
「いつ殺される」 楠田匡介(河出文庫)
「星を創る者たち」 谷甲州(河出文庫)
「ダーク・ジェントリー全体論的探偵事務所」 ダグラス・アダムス(河出文庫)
「嗤う淑女」 中山七里(実業之日本社文庫)
「コリーニ事件」 フェルディナント・フォン・シーラッハ(創元推理文庫)
「過去からの声」 マーゴット・ベネット(論創海外ミステリ198)
「三つの栓」 ロナルド・ノックス(論創海外ミステリ199)
年末にもかかわらず、ランキング掲載本とかではなくて、普通に欲しい本を色々と購入。柄刀氏の久々の新作から、文庫落ちの作品に、ダグラス・アダムスのSF作品やらと色々。今年中に読んでおきたい本もあるけど、さすがに全部は・・・・・・というか、河出文庫の積読が増えてきた。
2017年12月7日 「2018本格ミステリ・ベスト10」届く
今年も原書房主催の「2018本格ミステリ・ベスト10」のアンケートに参加したので、本日書籍が届いた。
原書房様ありがとうございます。
それでランキングについてなのだが、国内編はいつものようにだいたい既読の作品がそろっている。ただ、自分が推していた浦賀和宏氏の「ifの悲劇」が入っていなかった・・・・・・というか、私以外の誰も推していなかった。個人的には今年の目玉作品だと思っているのだが。
海外編の目玉はなんといっても「13・67」。ただ、私はようやく今週読み終えたばかりで、ランキングに入れることはできなかった。実際に読んでみると確かに今年のミステリ作品のなかでは随一だと思わざるを得ない。今年一番の収穫とも言えよう。
その他には、未だに読んだことのないケイト・モートンの作品に手を出してみようかなとか、ミシェル・ビュッシの「黒い睡蓮」っておもしろそうだなとか、そんなところ。
2017年12月2日 「ミステリが読みたい!」から
今週の購入本
「ミステリマガジン 2018年1月号」(早川書房)
「いくさの底」 古処誠二(角川書店)
「皇帝と拳銃と」 倉知淳(東京創元社)
「悲嘆の門 上中下」 宮部みゆき(新潮文庫)
「夢裡庵先生捕物帳 上下」 泡坂妻夫(徳間文庫)
「勁 草」 黒川博行(徳間文庫)
今年はすんなり買えた「ミステリマガジン」。もちろん目当ては早川書房によるランキング“ミステリが読みたい!」
そのなかで気になった作品が1冊。国内ランキングの2位に入っていた古処誠二氏の「いくさの底」。講談社ノベルスで作品が出ていた時は買っていたものの、最近はごぶさた。今回、ランキングに入ったのを機に、久々に読んでみようかと思い、即購入。