<内容>
カルチャースクールの小説教室で講師をしている覗木毒助は生徒達にとあるゲームを仕掛ける。そのゲームの名は“アノニマス(作者不詳)”。覗木は生徒達をけしかけ、小説を用いたサバイバルゲームを行い、生徒達をふるいにかけようとするのだが・・・・・・
<感想>
野崎氏の本はずいぶん前に何冊か読んだのだが、その時に読んだ印象では、もう別に読まなくてもいいかなと思い、その後手にとることはなかった。しかし、今回ミステリー・リーグの1冊に配されたということで読んでみたのだが・・・・・・昔と変わらず、やはり読まなくてもよかったかなと・・・・・・
では本書の何が問題かといえば、内容がまったくといっていいほどミステリーしていないことである。なおかつ、ホラーとも銘打っているようなのだが、さほどホラーであるとも感じられなかった。
内容は作家育成教室の生徒達が講師の審判のもと対決し、負けたものをふるいに落としていくという内容のはずであったのだが、そのような場面は少ししか見られない。物語の進行のほとんどが、色仕掛けをする女生徒に対して主人公であるカルチャースクールの講師が悩むというもの。あとはその講師がカルチャースクール講師としての悩みや作家としての悩みが断片的に語られるというそれだけなのである。
結局のところ、最後まで誰を対象に何を書かんとしているのかがよくわからなかった。それに最後のオチもそれはないだろうというものであった。
「ヘイ、ポール・・・・・・ヘイヘイ、ポール」って、なんじゃそりゃ!